第五話:「運命?の剣。アンドレイ家との因縁」
この作品はフィクションです
実際の人物名・団地名などは一切関係ありません
文章構成等は下手ですが、ゆるく楽しんで読んでいただけると幸いです
と、言うわけで...やって来ました!武具販売所!少しぼろくて心配だが....ま、いちいちそんなこと気にしてられないよな!
金はたっぷりあるからな。ここでめちゃくちゃいい剣を買ってこの世界に冒険者として名をはせてやる!
店主「いらっしゃい!」
ん~...高い!ロングソード一本金貨5枚だと!?キッタ王国だとこのくらいのロングソード銀貨一枚で買えたぞ...!?どうなってやがんだこの店は...
カイト「ぼったくりだな....」
まずい、思わず声に出してしまった。店主に聞かれてないといいが...
店主「~♪」
よかった、ばれてなさそうだ...耳障りな鼻歌はやめてほしいけど。そうだ、店主の鼻歌なんか今はどうでもいい。早くよさそうな剣を見つけなくては...
~20分後~
いいのがない...というか刃の材質とか、魔力回路に使った魔法生物の部位とか書いてあるけど何がいいのか全く分からんぞ...
カイト「適当に選ぶしかないか...」
店主「なんだと?お前、今なんて言った。剣を適当に選ぶだと!?ふざけるな!いいか、小僧この世に同じ剣は一つとして存在しない!なぜかわかるか⁉金属の打ち方や金属を熱する時間、使う金属や魔法生物が同じでも職人のこだわりによって剣は全く別の性質を見せ、そして剣を使うものとの相性の良さも変化する。それを適当に選ぶような奴に冒険者として旅に出る資格はない!」
な、なんだこのじじい、かっけえ!
カイト「わかったよおっさん、俺が悪かった。だが生憎俺は剣の知識を持ち合わせていないんだ。そこで、頼みがあるんだが...」
店主「剣を選ぶのを手伝えっていうんだろ?いいぜ手伝ってやる」
それから数十分の間は店主の剣トークが続いた
カイト「なぁ店主、この剣はどんな剣だ?」
この剣にどこか俺を惹きつけるものを感じる。それはきっともしこの剣を王家に代々伝わる宝剣だと言われても疑わないくらいに美しく赤い剣身とどこか恐ろしさや不安を感じさせる柄からくるものだろう...
店主「ん、その剣か?それはな、剣身にルビーが使われていて柄にはデザートアイアンウッドっていう砂漠、それも一部の地域にしか生えない木が使われているんだがこの木がまた面白くて...」
カイト「ちょっと待ってくれ。この剣の柄は木で出来てるのか?今までのはほとんど金属で出来てたろ。そんなんじゃすぐ折れるんじゃ...」
店主「そ・こ・が!この木のすごいところでな?この木は名前からも分かる通り金属に匹敵するほど固いんだよ。その分加工もしにくいし熱を加えると嫌な臭いもするんだけど...そんなとこもこの木の愛嬌というかなんというか...」
なるほど。今理解した。この店主のおっさん、剣大好き野郎かと思っていたがその本性は木材大好き野郎だったんだな...ん?まてよ...?
カイト「なんで一つの木からできているのにこんなに色に差があるんだ?」
今度はこれが俺の疑問となった。この柄には一つの木材からできているとは思えないほど複雑な色をしているのだ。一部は黒だったり、一部はオレンジだったりといった具合に...
店主「お、いいとこに気が付いたな。この木材はそこも面白いところでな、切り取る場所によっては真っ黒だったり黒に近い茶色だったり...そんな特徴があるから加工しがいがあるんだよ!」
やはりこの店主の熱く語る姿は不服ながらもかっこいいと思ってしまう...
カイト「柄の木材についてはよくわかったから、魔力回路に使われた素材を教えてくれないか?」
ちなみに、魔力回路っていうのは剣に魔力を流すための機構のことで、基本的に魔物の魔力の高い部分を素材としていることが多い。例を出すとドラゴンの心臓とか、ヒッポグリフのくちばしとかだな。
まぁ今例に挙げた二つの素材が使われた剣なかなかな高級品で今の俺じゃ到底買えたものじゃないんだけど
店主「あぁ魔力回路な。魔力回路に使われているのは木犀馬って魔法動物だ。この魔法動物は金木犀って花と共存してるんだ」
カイト「...それだけ?」
店主「?おう。俺が知ってるのはこれだけだ」
こいつ、魔法動物についての知識なさすぎでは?いや、俺も詳しいわけではないがあの木材への熱を見た後だと、ちょっと...
店主「で、どうするんだ。買うのか?この剣」
そうだった。俺は剣を買いに来たんだった
カイト「うーん...よし、買う!俺はこの剣を買う!」
店主「毎度あり!金貨二十枚ね」
いや、高すぎんだろ..
同日、夕方の酒場にて
酒場の客達「ワイワイガヤガヤ」
俺は剣を購入した後少し宿で休み今ティアナに言われた酒場に来ていた。が、肝心のティアナが見当たらない
カイト「はぁ...とりあえず座っておくか」.
酒場の女店員「ご注文は何にしますか?」
カイト「ん~...とりあえず、」
ティアナ「バタフライ(この世界の一般的に飲まれる酒)二つで!」
そう口をはさんできたのはさっきまでどこにも見当たらなかったティアナだった
カイト「おま、いつの間に!?てか俺の分まで勝手に頼みやがって」
ティアナ「いつの間にって、今来たところだけど...もしかして気づいてなかったの?w」
こいつの人を馬鹿にしたような目、めっちゃイラつく...
カイト「あれ?お前バタフライ頼んでたけど、成人してるのか...?」
ティアナ「はぁ?してるわけないでしょ。私はまだ13歳よ」
カイト「いや、そんな自慢気に言うことじゃないだろ...普通に犯罪だし」
ティアナ「冒険者に法はあってなきが如しっておじいちゃんが言ってたから大丈夫よ!」
女店員「バタフライ二つです」
ティアナ「...おいしいわね、これ」
13歳とは思えない豪快な飲みっぷりだな。あと俺酒飲めないんだよなぁ
カイト「で、何でここに俺を呼び出したんだ?俺も暇ではないしやらなきゃいけないことがあるんだが」
ティアナ「ああ、そうだった。ちょっと右手出して?」
カイト「?お、おう...」
ティアナ「ふーん、これが噂の”紋章”ねぇ」
ティアナは俺の右手につけている手袋を外して隠していた紋章を見ながら言う
カイト「やめろ!見るな..見るんじゃない...!」
ティアナ「ほんとに悪魔の紋章に似てるのね。てかもしかしてあんたこの紋章がアンドレイ家と関わりあるって知らないの?」
...初耳だ。この紋章は生まれつきあった、昔はあまり目立たなかったが六歳になり城で暮らすようになったころから右手の甲の紋章が目立つようになっていった。この紋章の意味は分かっていないがその紋章を持つものは世界に災いをもたらすと言われている悪魔の紋章に酷似していた。それが理由で右手に手袋をつけて生活していたんだ...まさかそれがアンドレイ家と関わりがあったなんて
カイト「どういうことだ、説明してくれ...」
ティアナ「いいわよ、アンドレイ家には昔からこんな言い伝えがあって...」
次回:「アンドレイ家の言い伝え。魔王軍襲来」