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魔法の申し子  作者: 笹山希望
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出会いと月曜日

はじめまして、笹山希望です。

初投稿です。この作品はとあるシリーズと魔法科高校の劣等生に似た設定が登場します。ご注意ください。

「あっすみません」

謝られるほどのものでもなかった。ただぶつかっただけだ。というかぶつかったのはこっちだというのに。夜の街中の人混みの中での、小さな衝突を気にする者はいなかった。ただ当事者達だけの話だった。

「こちらこそすみません!!」

ぶつかった側の少年は咄嗟に謝る。

これはほんの些細なきっかけだった。これこそが二人の出会いだった。


月曜日。甘い休日は終わり、厳しい労働が始まる日。それは学生も例外ではなかった。一階の方から妹の声が響く。よくは聞こえなかったのだが毎日のことだ。大体わかる。それでも布団から出られない。そもそも、月曜日の朝くらいゆっくりして終いには学校でさえサボっていいんじゃないか、と思ってしまう。それでも妹は相も変わらず起きろ、と催促してくる。

「おーにーいーちゃーん!!いつまで寝てるのー!!」

「あと五分ー」

「だめ!!起きて」

いつまでも布団にくるまってはなれないダメ男、地山(じやま)(あかし)はなかなか起きてこない。ここまでくると本当ニートになってしまうんじゃないかと懸念してしまう。

「なぁ、あらためて思うんだけど学校って意味あんの?どうなの?」

「いつもはうきうき気分で行くくせに」

布団をテキパキと片付けながら応える妹。それに対しのろのろと着替え始める兄。どっちが年上なのか曖昧になってくる。ところで寝ぼけているのだろうか。妹の目の前で着替え始めるとは。

「ふぇっっ!!何でいっつもわたしの前で着替え始めるかなー!!」

「いやだってここ俺の部屋だし」

「お兄ちゃんのばか!!」

妹はバタンと勢いをつけて部屋を出ていってしまう。部屋には妹が無造作に放り投げた布団と、質素な家具と、そして未だ寝ぼけているのか、ぽけーと突っ立っているダメダメ兄貴だけが残り、ただ沈黙が続いていた。

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