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第一章6 憤怒を倒したと思ったら名前を間違えました

今日観新進

 作戦を開始した。

 まず俺たちが憤怒に近づき囮になるとこからだ。


「やーい! バーカバーカ!」

「煽りセンスなさすぎじゃない?後あれ耳無いけどそれ聞こえんの?」

「知らなーい、あっ火の玉飛んできたー」

「よーし! 走れー!」

「シルエットもうまくやっているようだ」


 とりあえず何の問題もなく十字路に誘い込むことができ、矢を隠せた。


「ウッホ、俺天才軍師なれんじゃね!」

「おいおい遊八、調子乗ってていいのか?」

「ここまでうまくいったら、もう碇を落として矢を撃ち込むだけだから」

「まあそうか」


 会話をしつつしっかりと自分の仕事をこなす。


「直撃! よし! シルエット頼んだ!」

「任せろ! しかし、本当にこんな憤怒の百分の一の大きさしか無い矢で、アイツを倒せるのか?」

「さっきも言っただろ、この矢は神の力が込められてるから当たれば倒せる」

「当たれば……か、まあ当ててやるさ!」


 四方から矢を撃ち込み、その中に紛れさせて聖なる矢を撃ち込ます、今まさに撃ち込んだ。

 既にさまざまなスキルを使い、四人のシルエット達が矢を撃ち込んだ後なので土煙が立ち込めていてよく見えないがあの巨大さだ、外す訳がない。


「やったか!?」

「なんかヘーン!」

「何がだ?」

「あのさー、憤怒って私たちが作戦を開始してからなんか大人しスーギールー!」

「そうかあ?俺の作戦が完全にうまくいって、完璧にできてっるってことじゃないのか?」

「たとえそうだとしても攻撃されてるのに、暴れすらしないのはおかしいでしょ、なんか嫌な予感するんだよね」


 煙が晴れてきた、そして見えてきたものは……。


「なんか口できてね?」

「うん、手のひらにばっちり大きいの出来てるね、しかもそこから触手がうじゃうじゃ出てて矢をつかんでるね……飲み込むのかな?」

「いやあ、外してしまったようだ、すまないねえ」

「いやあ、じゃ無いんだけど、もう嫌な予感しかしないんだけど!」

「飲み込んだみたいだな」


 キエエエ!吐きそうな金切声、ノーチの発していたものと近いものを感じる。


「あんなキモいのと一緒にしないでくれない?」

「ねえなんで心の声が聞き取れるの?」

「知らなーい」

「我無也、我炎也」

「なんか悟り開いてるじゃん」

「我炎の女神からの使者なりて、汝等の幼稚な策は我が利用させてもらった」

「もう喋り方がぐちゃぐちゃじゃん」

「ふっ、我は堅苦しい喋り方は好まぬ、我は矢を利用させてもらった」

「前後で文章が繋がってなくないか?」

「エーイ! うるさいうるさい! 少しは人の話を聞かんか!」


 人? 人ではないだろ。


「我は――――」

「エー!? 矢を飲み込んだことで、神に近い存在になっただってーーーー!?」

「あのー、ノーチさん?」

「なんだ遊八?」

「今さ、あいつがさ、言おうとしてたじゃんか」

「ふっ、遊八君簡単なことですよ、いいですか?」

「はい! ノーチ先生!」

「セリフは奪うもの、いいですね」

「はい! チョークスリーパーホールドかけてもいいですか?」

「ふっダメです」

「なら我がかけてもいいか?」

「エー!? 神に近い存在になった事でこの空間を丸ごと焼く事が出来るだってーーーー!?」

「……そうだ」

「だがしかーし! 残念だったな!」

「なんだ」

「実は話に一切出てきていないが、<神対能力上昇>というスキルを持っているのだ」

「はい? 唐突に思いついたように話をポンポン進めるんじゃねえ!」

「遊八クーン、そんなんだったら私についてくるなんて出来ないゾ」

「は?」

「という事でバーン!」


 と言ってジャンプし、憤怒を殴りつけた……いや、違う貫通した。


「くっそんな程度の攻撃で我が倒せるとでも」

「いやむしろなんで死んでねえんだよ!」

「貫通したぐらいで死んでなどいられんのだぁ!」

「残念賞だね! 私の狙いはこの矢なのさ! オラァ!」


 どっからその声出してんの? と言いたくなるほどの怒声で矢を憤怒の手の甲に突き刺した。


「まだダァ! まだ死ねん! 貴様だけでも道連れにしてやる! 既に矢を取り出されたことにより我は神から遠のいた! 貴様の能力は今は並の筈だ!」


 塵となって消えそうなのによく喋るな! とツッコミたいがそんな事をしている場合では無い、今にも火球をノーチに放とうとしている……そういえば矢はどこに行った?

 その時! 矢が憤怒へと飛んでいき止めを刺した、どうやらシルエットがやったようだ。


「ふう、万事休すというやつだな、一時はどうなるかと思ったが……万事解決ということだな!」

「てやー! とー!」

「ぎゃふー!」


 なんか……ノーチがシルエットに飛び蹴りをかました。


「お前私の活躍シーンを横からかっさらっていきやがって!」

「口調! 口調崩れてる! というか私がとどめを刺さなかったら危なかっただろう!」

「まーまーまー落ち着いて、とりあえず大敵を倒して全部解決だろ? それにノーチさんよ、実際に危険だったじゃないか、な? 感謝しとけよ」


 とりあえず俺が仲裁に入った、その時! 空中に大きな目玉を俺は発見してしまった。

 その目玉は炎のような力強さを感じさせるような赤色の瞳孔だ。


「おっおい、あれ……!」

「ん? なんだあれは?」

「わーい! おっきな目玉!」


 一人だけテンションおかしいよね、透明人間一回黙ってほしい。

 こんなことを思っていたら頭の中に『あーマイクテスト、マイクテスト』という声が聞こえてきた……ノーチの声だ。


「お前、心読むだけじゃ飽き足らず頭の中に直接声送れるようになったのか」

「いや、私でもそんな神みたいな芸当できない、できるとしたら……奴らだけだ」

「奴ら?」

『フッフッフ、奴らってのは私たちのことだーーー!!!! そして、この炎の神様! バーン様のことだーーー!!!!』

「あれ? お前フレアって名前じゃないのか?」

『は? 何を言っているんだ? 私の名前はそんな名前じゃないんだが? 馬鹿にしているのか? あ゛あ?』

「おいノーチ、聞いていた話と違うじゃないか」

「あっれ? おかしいなー? なんか違ったみたい」

『おいおい、なーに間違ってくれてんだよ! これは死んでもらうしかないねえ……ま、どっちにしろ死んでもらうんだけどねーーー!』


 その言葉を俺たちが聞いた瞬間、目の前の光景が荒れた都市から炎燃え盛る大地へと変わった、周りにはノーチとシルエットがいる、そしてもう一人、それは。


「やーやー初めまして、炎の女神……バーン様だ!」


 ノーチの見た目、そして声で話かけてくる少女がいる……いや一つ違うところがあった、目の色と髪の色である。


「わーーー! なんて美人なんだ!」


 ノーチがなんか言ってるよ、知らないよ。


「わーーー! なんて美人なんだ!」


 バーンとかいうやつがなんか言ってるね、知らないね。

 シルエットは何してんだ? とおもって周りを見渡したらなんか……なんかしてた。


「お前何してんの?」

「組体操」

「は?」

「あっ危ない!」


 組体操をしていたシルエットが突き飛ばしてきた、その中でシルエットの内の一体が飛んできた火球によって上半身が消し飛んでいた。

どうやら火球はバーンが飛ばしたようだった。


「んー? 君は一体何をしているのかなぁ? 遊八君? どうして君を私がよんだんだと思う?」

「……なんでだよ?」

「遊んでもらうためさあ!」


 そう言ったバーンは明かに狂っていた。


「クソが! 俺の記憶にある神どもと全くもって同じじゃねえかよ」

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