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第一章2 転移したと思ったらエルフと会いました

ジャジャジャジャーン!

「私の信仰する八神教の神々を殺して欲しいのです」

「は?」


 はっきり言って困惑した、当然だと思う。なぜなら散々神神神神神神神神と言ってきて突然コレだ、コイツらは神から死ねと命令があったら、迷わず自殺するだろうというのが俺の認識だった。しかしコレだ。三度言う、しかしコレだ……困惑するなというのが土台無理な話だ。


「神の命令で俺のことを散々拷問してきただろお前ら、なんで急にそんなことを……」

「ええ、たしかにそうですね。しかし状況が変わった……突然ですけど、私たちは八神教を信仰してないのですよ」


 気付いてた、コイツらが八神教とやらを信仰してないのは気づいてわいた、なぜならコイツらが進行しているのは―――


「私たちが信仰しているのは八神教にあらず、私たちが進行しているのは……」

「八つの神だろ」

「……気づいてましたか、何故気づいたのですか?」

「お前らの言動とかもあるんだが、確信したのはお前らがつけてるバッチでだな」


 拷問官がそれぞれいろの違うバッチをつけていたからな。


「ほう、しかしそれは自分の位を表しているのかも知れないのでは?」

「それは無い、何故なら拷問官とお前が同じバッチをつけてる訳がないし、お前かなり位高いだろ」

「何故それを?」

「いや、こんな所に拷問官と来れて俺みたいな奴に会いに来る奴が、位低いって考える方が無理あるだろ」

「確かにそうですね、無駄な質問でした」


 コイツのバッチには八色の色がある。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、そして黒だ。これが神を表している。つまりコイツは、八つの神を信仰しているという事だろう。


「で?何で神を殺させたいんだよ、敵対する神を殺せってんならまだわかるが、お前八つの神を信仰してるじゃねえか」

「そうですね、確かに私は八つの神、火、水、氷、土、樹、雷、光、そして闇の神を長年信仰してきた、ですがそれがどうしたのです?」

「それがどうしたってお前……訳わかんねえよ……」

「訳がわからなくても良いのです、ただ貴方は私の言うとおり神を殺せば良いのです」


 ますます訳が分からなくなった、そしてその方がコイツにはいいのだろう。


「ですが……そうですね、一つだけ教えてあげましょう……もし八の神を殺すことができれば……」

「何だ? 出来たら元の世界に帰れ……?」


 何かがおかしい……。思い出せ……無い!?


「どうかしましたか?」

「……いや、こっちの話だ……続けてくれ」

「そうですか、殺すことができれば……この世界を完全に、破壊することになるでしょうね」

「……は? 何で?」

「八つの神がこの世界の柱だからですかね」

「違う、いや違わないけど違う! 何でそんな……世界が壊れるんだろ?何でそれで殺せって、お前言うんだよ!」

「まあ、壊して欲しいからですね……世界を」

「何でだよ!」

「それは……」


 静寂、緊張から来る静寂だった、どうやら俺は息もできていないようだ。そして、その緊張を破ったのは……鎖で繋がれた女の子だった。


「お取り込み中悪いんですけど、痛いけな少女が痛々しい姿で目の前にいて、その目の前で言い合いするのやめてくれません? んで、この鎖外してませんか、地味に痛いんですけど」


 ……すごい早口で言われた。そう言えば悲鳴もいつの間にか止んでいた。


「てか水持ってません? さっき叫んで喉が痛いんですよ、まあ常に全身痛いんですけどね? 今はましな方でしてね、今の内に水分補給とかをしときたいんですよ、てな事で水を持ってませんかね? 痛いけな少女のお願いを聞いてほしいなー」


 コイツ、こんな饒舌に喋れたのか……ずっと喋らなかったから、喋れないんだとばかり。俺はジュールの方を見た、驚いた顔をしている。恐らく初めて喋ったのだろうか、少なくとも普段からよく喋るならこんな風に驚いたりはしないだろう。


「フフッ、やはりやはりやはりやはりやはりやはりやはりやはりだ、遊八君……外してあげなさい」

「大丈夫なのかよ……外した瞬間襲ってこないよな?」

「むしろ外さない方がお前を襲うぞ、目から光を出してお前を溶かすぞ!」

「そんなこと出来んのかよ!? てか熔かすって怖くて逆に外した方がやばい気してきたは!」


 俺は牢屋から少しずつ距離を離す。


「冗談冗談! 出来ないよ! でも外してくれなきゃ、もっかい叫ぶよ?」

「え? 余計外さないよ?」


 更に距離を取る。


「……さーん……にー……いー……」

「わかった! 外すから、あれだけはやめろ!」

「わかればよろしい!」


「でも鍵とか持ってないんだよな」


 俺は牢屋の中に入り鎖を見る。


「大丈夫! 人間、お前が心の中で外れろって祈れば、外れるはずだ」

「……本当かよ」


 外れろ! ……ガコッという音と共に外れ、女の子が落ちてきた。そして、壁を蹴り俺に飛びかかってきた!そして地面に俺を押し倒し、押しつけ、牙を見せながらこう言った。


「キキキキキキキキッ罠にかかったな愚かな人間め! さてどうしてくれようか?どう料理しどう食べてもらいたい!」

「この! 放せ! よくもハメやがったな!クソが!」

「まあ冗談だけどね、ごめんね〜重かったでしょ?人間よ?……いや、遊八?」

「ッ……どうして俺の名前を知ってる……? というか冗談でもやめてくれ、ビビるしふつうに重かった」

「トウ!」

「グハァ! 飛び蹴り!?」

「遊八君……流石に女性に向かって重いはダメだと思いますよ……それと、そろそろシリアス展開に戻してもいいですか?」

「ああそうしてくれ、話が進まないからな」

「デハ……遊八君、貴方はコレに選ばれたのですよ、そして私はそれを予知していた! 予期していた! 予想していた! 予見していたのだ!」

「どういうことだよ」

「教えません、そして最後です……貴方の事を解放しましょう、条件は八つの神を殺す事、そして……コレを外へ連れ出す事」


 足元に光が現れた。


「さあお行きなさい! 行き先はエルフの洞窟! そこで……やめておきます、目的は自分で探しなさい……それでは良い旅を!」

「おい! 待てよ! 丸投げかーー!!」


 気がついたら洞窟の中にいた……ふざけやがって。


「さて遊八コレからどうする?」


 不意に少女が話しかけてきた。


「どうするもこうするも……お前なんなんだよ」

「さあ?」

「さあって……なんであそこにいたとかさ、そういうの聞きたいんだけど」

「知らない、どうしてあそこにいたのか……どうして鎖に繋がれてたのか……どうして体が痛いのかなんて知らない……ただわかるのは名前だけ、ノーチ・ターミヤという名前だけ、生まれも育ちも親の顔もわからない、ただ二つだけ私と八雲遊八、お前のことだけだ……と私は私は語ってみたり!」

「つまり記憶喪失というわけだな!」

「自分の名前と遊八の名前以外のな!」

「「ハッハッハッハッハッハッハッハッ」」


 洞窟に男女二人の笑い声が響いた。


「どうしよう、記憶喪失の少女と洞窟探索!? 冗談じゃねえ!」

「なんだと! こんなプリチーな女と探検できるんだ、神に感謝しろ!」

「生憎だが神なんて大嫌いなんだよ!」


 そしてもっと嫌いなのがあの神父だ、そしてしばらく喧嘩して落ち着いた所で気がついた、なんかに囲まれている。


「なあ? ノーチさんよ?」

「どうした? 遊八さん?」

「なんかに囲まれてるな、やばい状況だと思うか?」

「洞窟で興奮した男と痛々しい少女が二人きり……コレよりヤバい状況はないと思うが、どう思う?」

「冗談言ってる場合じゃない! 周り暗くてよくわからんけど明らか五人以上いるだろ! コレ!」

「人と断定するのは早いと思うけど、少なくともシルエットはそうだな」


 とりあえず俺は拳を構える。


「くそ! 暗闇でこそこそ隠れやがって! 何もんだ! シルエットだけじゃわかりにくいんだよ!」


 ビュン! と何が飛んできて頬を掠めた……ヤダ怖い、矢だ!


「今のはダジャレ? 寒いからやめて」

「心を読むな、ていうかなんか無いのか明らか敵だぞ! お前チートスキル持ってたりしないの?」

「私はチートスキルなんかもってない……持っているのは遊八の方だ」


 飛んでくる矢を躱しながらそうノーチは言った……その身のこなしは明らか強キャラだろお前。


「何言ってんだよ! そんなもの俺は持ってないぞ!」


 ステータスを見たがなにも書いていない。


「そんなはずは!? まさか、ロックがかかっているのか……仕方がない、遊八! 顔を貸せ!」

「何を!?」


 奇跡的に一発も当たってはいないが、矢は俺たちに向かって飛んできている、そんな状況で俺は……いや、俺たちは……キスをした。


「チュー!」

「バッカお前! 何がチューだ! こんな状況で何しやがる」

「バカはお前だ遊八! ステータスを見てみろ! というか誰が好き好んでお前とこんなことするか! このロリコンが!」

「誰がロリコンだ!」


 そして、言われるがまま俺はステータスを見た。そして……。心臓が高鳴る、頭が痛い、吐き気もする。この文字を見てからだ……<プレイルーム>これを見てからだ。記憶の波だ記憶の波だ記憶の波だ!当然だ、神罰を与えられるのは当然だ……俺はすでに、神を殺していた……。


「思い出したか、遊八?」

「ああ、思い出したさ……ノーチ」


 アア、俺は呼ばれるべくしてこの世界に呼ばれ、神罰を受けるべくして受けた。だが思い出せない、なぜ神を殺したのか。しかし神を殺さなくてはならない事は思い出した、理由は思い出せないが使命は思い出した。しかし……。


「お前は何なんだノーチ? お前と神を殺した事は思い出したが、お前の事は思い出せない。そして自分の事も思い出せない」

「そうか……やはりか。やはりまだ全てのロックを外す事は出来なかったか……そうだな、とりあえずこの矢を止めよう、というか止めてくれ遊八」

「わかった」


 俺はスキル<プレイルーム>の第一の能力を発動させた。"薄暗い洞窟が遊園地へと変わる"、何を言っているかって? 文字の通りだ。いわゆる空間改変能力だ、何処であろうが関係ない、何処でも好きなように改変できるからな。

 そして明るくなったので暗くて見えなかった五人のシルエット……いや、正確には一人だった。一人のエルフが五人に分身していたようだ。見た目が全員同じだ。


「くっコレは一体」

「私か? 私はノーチという可愛い可愛い少女だぞ」

「小ボケを挟むな」

「小ボケ? 何を言っている遊八? 私は呼ばれたから自己紹介しただけなんだが」

「お前しばらくコレって呼ばれてたからか? 一応教えておくがコレっていう単語が使われた時、全てお前ってわけじゃないし、お前俺以外から見えないだろが!」

「わかってたさ、冗談だよ」

「お前達は何者なんだ!」


 長髪のエルフが声を張り上げた。


「何者かと言われれば」

「何者なんだろうな」

「ふざけないでくれ!」


 ふざけてなんかないんだが……。


「一人は透明人間で、もう一人は……何だ?何なんだお前は! 答えろ! 私たちの神聖なこの地をこんなッ……訳の分からない見た目にして! 何が目的だ!」

「答えてもいいが条件がある」

「貴様らが条件を言える立場だと思うのか!」


 俺たちに向けて弓を向ける。


「辞めとけよ、当たらないから。さっきよく分かっただろ」

「ヘタクソだもんな、あれだけ矢を沢山打っておいて一発も私達に当たらなかったんだから」


 おっと、透明人間さんの露骨な煽り。


「事実を突きつけるのは辞めてやれよ、見てみろあの顔、ブチ切れそうだぞ」

「確かに悪かった、顔をあんなに真っ赤にさせてしまったしな、反省反省」

「ふざけるな! 私はこれでも村一番の弓の引手だ! お前達がおかしいんだ! 第一最初の一発は当たっただろ!」


 キオクニナイ。


「……条件だが」

「あら? 黙ってどうしたんですかー? 遊八さん?」

「ちょっと黙ってろ」


 そして露骨な咳払い。コホンッと。


「お前の住んでいる村に連れてけ、そして村長と話をさせろ、神の友が来たと言えばわかるだろ」

「何? 神の友だと?そうか……」


 何かを考えている。


「そうだな、いいだろう。そして自己紹介がまだだったな」


 ほう……記憶にあった、洞窟の中で俺が洞窟でエルフに神の友と言っていたのを参考にしたが、正解だったようだ。


「自己紹介させてもらう、私の名前はシルエット! お前たちが行きたがっている村の村長だ! あまり人間を村に入れたくはないが……特別に村へ連れて行ってやる!」


 何て好都合なのだろう、たまたま出会った奴が目的地のトップでそして物分かりがめちゃくちゃ良くて更に目的地に連れていってくれるなんて、御都合主義ここに極まれりだな。ま、当然だがな。何故なら……記憶通りならエルフは、神の友という単語がでた時点でこうせざるを得ないのだから。


 



今日のダジャレ

メガネ型のメカね!

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