1話
この世界シータは、15歳の成人の儀式で自分の天職と<スキル>が貰える。
天職は、いっぱいあってサイン王国の王様は、「王」というそのまんまの天職を持っていて<スキル>も王の波動や王の威圧なんてものを持ってるらしい。すごい(小並感)
そんでもって今日は、俺たちの成人の儀式の日である。
俺が欲しい天職は『農人』である。
ガキの頃は、勇者や剣聖なんてものを欲しいとか言ってたけど、無理無理、逆にそんなもんいらん。
大人になれば危険性のある職なんか考えられない。
職に求めるのは、安全性と給料と休暇だけである。
周りの大人たちは、自分のやりがいのある仕事を見つけなさい何て言うが、やりがいなんて5年、10年もたったらなくなって泡となって消えて溶けていくわ。
「ゼハート、いい天職になったらいいね」
そんなことを言うこいつアーミヤは、魔術師の天職を望んでいる。
「アーミヤも魔術師の天職が得られるといいな」
と俺は、心にも思っていないことをいう。
『魔術師』それは、この世界に漂う魔力と言う物質を研究し、魔法と言う超常現象を起こす人たちのことを言う言葉で職業である。
この事を聞くとそこまで危険性がなく面白そうな職業だと思われるが実際は、超危険。
魔力の研究は、失敗すると家が吹き飛ぶほどの爆発を起こし魔法は、その危険性と才能があると国に徴兵される可能性がでるダブルパンチである。
「えーーゼハートは、そんなにいい天職いらないよ。ルールが養うよ」
「そーだぞ。ゼハートは、そんなに考えなくてもいい。例えどんなに悪い天職がでても我が剣で守ってやるからな」
「そんなことを言わないでくれよメッシュ」
この二人、ルールとメッシュは、それぞれ『神官』と『剣士』を望んでおり、もちろん両方とも危険性が高い天職だ。
『神官』は、危険性が少ないものの神官の最大の特徴ともいえる<スキル>『回復術』を取得するのに、廃人が出るほど多忙と言われている。
『剣士』は、そのまんま剣を使う職業で超危険。
「みんな自分の望んだ天職を貰えると勘違いしてるけど、そんなのすごく稀なんだよ」
「わかっているゼハート、そんなこと知っているが我は、剣の道を行くことが絶対に決まっているのだ」
「そーだよゼハート兄ちゃん。ルールは、絶対に神官系の天職にいくんだよ」
「私も魔術関係の天職に行くとは絶対ですね」
こいつらには、溜め息しかでない。
こいつらの言っていることは、はなからこっちだってわかっているのだ。
この幼馴染たちが望んでいる天職は、確実に手にいれることが出きるだろう。しかしこいつらの才能は、既に芽吹いて花が咲いているのは、俺が一番わかっている。
あァァ憂鬱だ。
早く成人の儀式よ終わってくれ。そしてこいつらが俺の元を去ってくれないだろうか。