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何気ない日々は心を蝕む

作者: ネコべーこん

今回はこの小説を読みにきてくださりありがとうございます 作者のネコべーこんです。

今回は私の処女作です。まだまだ文は稚拙ですが

読んでいただけると幸いです。

初めてなので 凄く短い作品となっております。



















 人とは脆く酷く臆病でその癖、傷つけ合うのだ。

私の前に佇んでいる影を見ながらそう思う その影は霊の類なのか まだ眠たい頭が働いていないだけなのかそんなことを思考しながら時計を見る

午前6時 あぁ まただまた繰り返しが始まるのだ。


 私は気怠い身体を無理やり起こし服の袖に腕を通す

シュルシュルと僅かな衣擦れの音が今日という日が

始まった事を信じたくない頭に嫌でも理解させる。

気分が悪いそれでも行かねばならぬのだ、自分自身を

鼓舞し車に乗り込む隣にはいつもと同じように親父が運転席に乗っている 今日も高校に私は行くのだ。


 学校に着き教室へと向かう足取りは重い眠い眼を擦り ドアを開ける最低限の挨拶を交わし椅子に座って

教室を一瞥する やはり 影 が見えるのだ私は机に視線を落としふと思い出す 何故私に影が見えるようになったのか。


 私は元々活発な子供ではなかった 外で遊ぶより

本を読むことを好み 高校では部活にも入っていない

今高校三年になるが 影 が見え始めたのは高校一年の冬ごろだったと思う。その日なんとは無しに友人と

話をしていた、下らぬ会話だった 友人は私の良き本の仲間だった互いに本を紹介し合い 本について語り合う仲だった その友人が突然泣き出したのだ 私に謝りながらだ。

私は驚愕したいつも大人しい彼が突拍子もなく泣き始めたのだから 私は彼を落ち着かせ 一体どうしたのだとなだめるようにして聞いた。彼は酷く私を恐れているような眼をしていたことを覚えている

私は自分の耳を疑った 彼はこういったのだ


『お前の彼女を妊娠させてしまった』と


その時何かが私の中で弾けたのだ 理解してしまっている自分を殺すことができなかったのである私は別人のように微かな 笑顔 さえ浮かべながら友人の顔を見てからその場を後にした 後ろで友人は唯泣きながら

許しをこうだけだった・・・

  

  その日は土砂降りの雨だった


 それ以来私は人がなんなのか分からなくなってしまったのだ数少ない友人に裏切られ 心を許せる人にも裏切られたのだ 過去を払拭しようとする時や別の友人を作ろうとするときに 影 が見えるのだ

そいつは特に害を与えてくることは無いのだ しかし

私はそれを見る度に心を閉ざす

そいつはまるで過去の自分のようだった。


 二年に進級した時にはもう二人はいなかった

風の噂によると彼女は不登校になり県外に引っ越して行った

友人の方は行方不明になってからもう半年が経つ

しかし私は 変わらず登校していた 他人の視線は哀れみがこもった様な眼をしていた 中には話しかけてくれる心優しい人もいた だが私には嫌悪感の感情しか

浮かばなかった 上部だけの表情で取り繕い 

 ありがとう とだけ返しておくそんな時にあいつが来るのだ

今思えばあれが初めてだったかも知れない その時の

 影 はゆらゆら 揺れていたまるで 私のことを

嘲笑うかのようだった私は眼を閉じて闇の中に逃げたのだった。


 その日も土砂降りの雨だった

心なしか距離が近くなっているような気がした


 

 二年の夏休みといえば一番楽しい時期だろうと思う

しかし私は寝れない夜を過ごしていた、そして二年になってからの喪失感と気怠さの原因がわかったのである。

学校に行き6時間勉強をして 帰路に着く ご飯を食べ

風呂に入り 別段することもないので 寝床に着く

部活もしていなければ 情熱を捧げる趣味もない

つまり同じことの繰り返しなのである。

 私は性格上やるべきことは先にやる性格だったため

宿題を早々に終わらせ 残りは惰眠を貪るだけの

夏休みになっていた。 


 影 は確実に私に近づいている 私に触れた時どうなるかは見当もつかない ただこの時は恐怖もなく

漠然と 影 を見つめるだけだった。


そんな時ポツポツと雨の音が響いてくるのを感じた


 夏休みが明けると人間関係はガラリと変わっていた

ある者は付き合い ある者は誰々と喧嘩したなどなど

いかんせん私には興味のない話題だったが 夏休みに

惰眠ついでに考えていた事の裏付けにもなった、

人とはなんと酷く臆病で脆いのだろうか と


人に己の想いを伝えて幸福になる為には最低でも

三つの危険を犯さなければいけないと私は考える


一つ目は自分を受け入れてくれるかどうか臆病にならなければいけないこと


二つ目は相手に拒否された時自分の脆く崩れそうな心を保たなければいけないこと


三つ目は拒否した側が罪悪感を抱いてしまった時の人を傷つけてしまうことである


 そんな昔のことをじっくり思い出しているうちに

チャイムの音で我に帰った 今日も6時間が終わったのだ 帰りの準備を済まして帰路に着く。


しかし その日はいつもと違うのだなんだか嫌な予感がする

朝から気分が悪いとは感じていたが 気分の悪さが

増してくるのだ じわじわと私の身体を蝕むように

私の呼吸は早くなり 心臓は早鐘のように脈を打っている 季節は6月 寒くなどは無いはずなのに

身体は震え 冷や汗をかき 思考能力が低下していくのを感じる


私はおぼつかない足取りでゆっくりながらも 家へと

帰った 鍵を開け玄関に倒れ込む 依然として体調は回復しない そして梅雨に入っていたこともあり

雨が降ってきたのだ いつしか私は雨の音が好きになっていた 雨の音を聞くと落ち着くのだ。


こんな時に限ってあいつが出てきたのだ今までで一番近い位置まで 歩いて くるのだあいつは出てきても

その場所からは動くことはなかったのにこんな時に限って歩いてくるのだ。

 

私は一度たりとも 影 を恐れたことはなかったのだ

しかし今は違う 怖い 逃げたい こないでくれ

逃げ出したいと思っても身体は言うことを聞かない

そして 影 の手が私の頬に触れたとき

雷の音と共に私は気を失った


 次に目を覚ましたときには自分のベッドの上だった

話を聞くと1日ほど眠っていたらしいのだ その

 影 の顔は忘れられずに鮮明に覚えている


彼女だった 影 の一部が剥がれ 見覚えのある

顔が覗いた時私は気を失ったのだ

そして、私が倒れた日に彼女が自殺したらしいと聞いた。私は心のどこかで あの 影 は心霊現象の

一部だったと自己解釈し 自分に言い聞かせたのだ


彼女は引っ越したあと子供を産み育てていたらしいが

あの日は雨が降り増水した川に入水したらしいのだ 幸い子供だけは

無事だったらしいのだが


 私はその日の夜久しぶりよく眠れると思った

刺激のない日々に訪れた激しい出来事は自分を変えてくれるような気さえした 影 はいなくなり

私の平穏な日常が戻ってくると信じていたのだ


その日は早くに寝床についたがまどろみの中 見えたような気がしたのだ 影 が


次の日はいつもと変わらない朝だった

時計を見れば5時50分私は認めたくなかった眼の前には 影 がいる


本当は分かっていたのだ誰しも 影 が消えるわけは無いのだと 自分の後ろめたい過去などが 影 になっているのだから


結局この 影 は自分の過去だが 何故見えるのかなど私には分からない

いや分かるはずはないのだ 自分自身を全て理解することなど不可能なのだから


私はこれからもこの 影 に苦悩し続けるのだろう


今日も私は袖に腕を通す そして車に乗り込むのだ



今日は土砂降りの雨だ。










ここまでお読みいただいてありがとうございます

今回は人によってまったく違う理解になる作品を書きました。

十人が読んだら十通りの考えが出てくれれば

私はとても嬉しいです。

モヤモヤする方は 自分で納得できるまで

読んで噛み砕いて欲しいと思います。


次回も読んでみてくださいね。









































































































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