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9/13

カンの良い女主人、推理する。ドワーフ慌てる。

はむすたーを病院に連れて行った、あるあるを一つ。

「ハム子ちゃんはお元気ですか?」(以前のカルテを見ながら)

「残念ながら、亡くなりました……」(寿命、考えなさいってば)


「おまたせしました。主人が参りますわ」


 呼んでおいて、けっこう待たされたものだ。しかし、貴重な顧客だ。文句など言えるはずもない。ド ワーフ二人は、いやいや、と表向きは愛想よく対応する。


 ほどなくして、マドンナ商店の女主人が、部屋に入ってきた。黒い服のメイドが、後から、カートにお茶のセットを乗せて入ってくる。


「いいわ、下がってちょうだい」


 女主人は優雅なしぐさで、メイドに退出するよう促した。メイドは姿勢よく一礼して、部屋を出た。

 女主人は、若いとは言えない年齢だが、妙に色気のある手つきで、お茶をカップにそそいで、二人に勧める。


「要件は二つよ」


 いきなり、話が始まった。ドワーフ二人は、緊張して背筋をのばす。


「一つはお仕事の話よ」


 手紙と、洋服のデザイン画・開店資金の一部・洋服の生地を、ハツカ村まで運んでほしいというものだ。ハツカ村は、ハムズ王都の東町から50キロほどしか離れていない村で、道中の危険も少ないほうだが、道は勾配がきつく、時間も労力もかかる。


 それを、ワイバーンを使って、半日で終わらせてほしいというものだった。料金は、銀貨10枚だという。


 いくら何でも銀貨10枚と言うのはあんまりだ。せめて、半金貨ほしいところである。


「日雇いのもんでもそれくらい稼いでいまさあ。小型竜を使っての商売なんですぜ? 最低でも50銀貨。頼んます」


 粘るが、そこは女性とはいえ経営者。やんわりと、しかしはっきりと、がっちりと経費節約。言葉のやり取りがあったのち、どうにか勝ち取ったのは、銀貨25枚。


「小型とはいえ竜です。餌代だって馬鹿にならねえ」


 ぼやきたくもなるというものだ。


「それよ」


 女主人は、かぶせるように言う。


「二つ目の話は、そのエサの話よ? 悪いうわさが流れているわ。あなたたち、竜のえさに何をあたえているの?」

「え」

「う」


 ドワーフ二人、言いよどむ。


「以前は、食料品を扱っている店を廻って、残飯でも痛みかけた肉でも、もらっているというのは聞いてたわ。最近、行かなくなったのよね?」

「え」

「うう」

 

 ドワーフ二人、顔色が悪くなる。

 

「最近、国で保護されているハムスター獣人が、行方不明になっているそうじゃない」

「おう」

「ううう」


 二人の顔に、汗がジワジワ浮かぶ。


「ワイバーンに何を与えているのか、教えてもらえるかしら?」

「おお」

「うううう」


 汗が、滝のようだ。


「き、き」

「きのこだ」


「何ですって?」

「きのこだ」

「キノコを与えている」


「……説明してもらえるかしら?」


 女主人は、腕組をして、二人を睨んだ。いい加減なことをいわないで、その目はそう言っている。


「う、うそじゃねえ」

「ワイバーンを飼いならすには、そのフンを土壌にして、キノコを育ててやらんにゃならんのだ。それがないと、言うことを聞かねえ」


「好物のおやつ、みたいなもんだ。もともと、ドワーフ坑道で、栽培していた」


 二人は交互に必死で説明している。


 女主人は、嘘は言ってないけど、本当のことは隠しているって、感じかしらね? と推測する。


「いいこと?」


 ここは、しっかりクギをさしておかないと。


「少しの法の抜け道くらいなら、見逃すわ。でも、重罪犯罪なら無理よ。取引から手を引かせてもらうわ」

「だ、だ、大丈夫だ。心配するようなことはねぇ」

「迷惑はかけねぇ。約束する」


 コクコクコク……首を縦に振ったり横に振ったり忙しい。



 配達を頼まれた荷物と共に、二人は解放され、屋敷の裏口から出てきた。

 気分的にぐったり疲れていた。


「怪しまれだした。潮時かもしれねぇ」

「潮時って言っても、今更どうやって手を引くよ?」


「わからねぇ……」


 



話、書くのがうまい人に見られると、

「やめて~~~、見ないで~~!」

って、思うけど、でもちょぴっとだけ、ちょぴっとだけ、

「みて?」

って、思う。考えるくらいなら、もう少し作品自体、頑張るべきなのに……

(;・∀・)


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