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宿屋についてもハムスターがいた。

以前、初投稿したときは、テンパってて、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ……ゲフンゲフン。

今度は冷静に、よーく、よ~く、読んでから投稿しようかと、考えております。ハイ。

 すぐそばを、テテテと歩くハムスター獣人と目が合う。

 つい、手をのばし、頭をなでてしまう。

 不思議そうにじっとこちらを見る、ハムスター獣人。つぶらな瞳。


「?」


 別に用事はなさそうだと思ったのだろう。

 短い腕をのばし、頭の毛を、わしゃわしゃと毛づくろいした後、テテテと歩いて去っていった。



「保護したくなりますよねえ~」


「どこにでもいるので、ちょっとって思うこともありますけど、彼らがいる限り、守護の泉は枯れることはないと言われていますので」

 デレデレになっているコピペさんに、喫茶のお姉さんも、苦笑している。



 この時の、店員の言葉をつい聞き流してしまったが、本当に『どこにでもいる』、のだと、すぐに実感することになるのだった。



 -・・・-・・・-・・・-



 神殿へ出向いて、受付を済ませ、しばらく待った後、紹介された民宿へ移動。


 ここで、神殿宿舎の大部屋でよいという意見が出たが、チンチラ町で貰った懸賞金もあるし、都市の治安を考えると、4人で一部屋、借りたほうがいいのでは、という意見が勝った結果だ。

 民宿とはいえ、神殿関係者専用というのも信用ポイントだ。


 民宿につき、宿賃を先払いすると、宿の女将が部屋へ案内してくれた。階段を上がった二階の、角部屋。廊下で、ハムスター獣人とすれ違う。


「あ、また」

 女将が舌打ちするところをみると、お客さんというわけではなさそうだ。


「ここですよ」

 女将が部屋の鍵を開けて、さっさと中へ入っていく。


 そして手馴れたように、先客ハムスター獣人の襟首をつまんでポイと部屋の外へ出した。

 ハム獣人、クツクツとつぶやきながらも、大人しく去る。機嫌が悪い時にこのような聞き取りづらい音を出すらしい。


「鍵をかけててもどこからか、入ってしまうんです。必ずつまみ出してくださいね。夕飯ができたら、廊下のベルが鳴ります。一階の食堂まで、食べに来てください。何か他に御用はありますか?」


「いや、ありがとう」


「では、ごゆっくり」

 女将は鍵をミケさんに手渡し、浅く一礼して部屋から出て行った。



「あー、なんていうか」

 ジュさんが頭をかきながら言った。

「インパクトが強すぎて、ハムスター獣人のこと以外、印象に残ってねえ」


「まったくです」

 コピペさんも、深く同意しながら、ベッドの端に腰を下ろした。


「チッ」


「ん?」


 もぞもぞと、ベッドの下から、ぺたんと伸びたハムスター獣人が這い出してきた。


「………」


 ミケさんが、渋い顔で、そのハム獣人をつまみ上げ、部屋の戸を開けて、ぽいっと放り出す。全員で、部屋をチェックしたのち、ようやく、落ち着くことができた。



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