鏡の中の人生訓
統合失調症で仕事がままならない。
A型作業所も辞めて失業保険と障害者年金で生活していたが、生命保険やら車の維持費やらでカツカツの現状。B型作業所からやり直して、いずれA型、一般で働こうと考えたら、B型作業所に手続きしたその日に発作みたいにギャーっと苦しかった。
「仕事、無理にしなくていいですよ。その代わり生活保護受けて車手放して・・・」
どうすれば?
泣きながらCDを繰り返しイヤホンで聞きながら頓服薬が効くのを待つ。
鏡の中の自分の右目をじっと見つめて、精神状態を普通に保つにはどうすればいいか思い出そうとしていた。
「宝くじに小説の公募。そんな運を天に任せるやり方じゃ駄目だ。地道に働かなくちゃ。みんなそれで頑張ってるんだから、私もやらなくちゃ」
♪
エレカシの歌詞が頭に刺さる。
「まあね」
「!?」
「自分の手で掴んだ人生のほうがずっとやりがいがあるわな」
幻聴のイーサンが鏡の中から見返してそう言った。
「やる気を出せばきっとできる」
うん。わかったよ。今からまた闘いが始まるんだね?少しの間だけでも休めて幸せだったよ。
私は不思議と落ち着くのを感じた。