相談
短めの昼投稿
「ふぅー、だいぶ重くなってきたな」
「なら、そろそろ帰る?」
リュックから溢れんばかりに詰まったゴブリン十数体の内臓を見て俺は呟いた。俺の後ろにから顔をだしリュックを覗いたシャルが提案してくる。あれから魔法を使いまくり、狩りをしていた俺たちだったが、いくら安全なところとはいえ警戒しながらの狩りは思ったより疲れる。そんなわけで休憩と成果の確認のために、リュックを下していた。
「でもこれだけじゃあ給料どころか、お小遣いにもならないぞ」
ゴブリンの内臓は食料として一定の需要があるからいつでも買い取ってくれるが、初心者でも二人ほどでかかれば勝てるので安い。1体500セイルほどのものを10体集めても5000セイル。これが日本の中学生のお小遣いほど。これではとても給料は払えない。それに今までの給料分に消えたギルドの運営資金も稼がなければならない。目標金額は100万セイルだ。
「でもリュックにはもう入らない」
「そこなんだよなー、明日もこのペースだとまずいよな」
ギルドで決められた休みは週二日。今回の資金調達はこれを利用してきているので、猶予はあと一日しかない。
「ならもっと深潜るしかない」
「でもそうなるとCランクの冒険者がいないと」
少し前に17歳以下は1人で潜れないというルールがあるといったが、面倒なことに潜れる階層にも制限がある。Dランクが潜れるのは今いる5階層まで。破ると冒険者の資格をはく奪されたりひどい場合は牢屋に入れられることもある。
安全のためとはいえどんどんルールが厳しくなるのはどうにかしてもらいたいところだ。
「パーティーメンバーを募集すればいい」
「でも俺の魔法は人様にあまり見せられないのを忘れたか」
「そうだった……。じゃあマスター何か案は?」
文句ばかり言ってないでお前も考えろと、シャルは無言の威圧を放って来る。何か考えなければ、普段自分を慕ってくれる幼女 (中身は16歳)からの鋭い睨むような視線は心にグサッと来るものだ。あまり信用を失なわないうちに提案しなければならない。
「奴隷ってのはどうだ?」
「………………」
うわっ、目つきが一層鋭くなった。ロリコンではないがこういうのも悪くない。って新たな扉を開けてる場合じゃない。
「そんな目を向けるな!? 奴隷といったのにはきちんと理由があるんだよ。秘密を守ってくれるし、仲間にもなる。条件を満たしてるだろ?」
「エッチなことしない?」
この世界で奴隷の多く売られているのは性奴隷。奴隷を買うということはそういうをすると言っているようなものだ。だがなぜシャルの顔つきが険しくなるのかわからないが、たぶん同じ女の子として許せないとかそんな感じだろう。
「ああ、しない。というかそんなことしてる時間ないだろ?」
「確かにそう。なら安心。買ってもいい」
「じゃあ奴隷が買えるぐらいは稼がないとな」
「うん、私も頑張る」
シャルの顔がパァーっと効果音が付くぐらいに明るくなった。