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Savior ~救済者~  作者: A
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第一話 懐かしい記憶

この作品は、エブリスタでも記載しています。

緑に囲まれ太陽の光に照らされキラキラと光る湖もある田舎の様な感じをさせる。

しかし、建物も多くいつも民衆たちの声で活気溢れる町であった。

そんな町のある丘にボーっと町を眺めている一人の少年と笑顔でその少年の元へ駆ける同じ年くらいのもう一人の少年の姿があった。


タッタッタッタッタッ


「ハァ、ハァ.....なぁ、ノエル!これ見てみろよ!!」


息を整えて笑顔で町を見ている少年に掌に握っている物を見せる。


「何?」

ノエルと呼ばれる少年は振り返り、視界を町からもう一人の少年の掌に移した。

しかし、少年の掌に乗っている物を見た途端驚いた顔をし、もう一人の少年に尋ねた。


「シンク、これ...。どうやって手に入れたんだ?」


少年が驚くのも無理はない。少年の掌に乗っている物.....それは、一枚の金貨だった。

金貨は、裕福な人に比例して所持している数が多い。だが、11、12歳らへんの年でましてや、この2人の家庭は町内の貧困地にある為滅多に手に入らない硬貨なのだ。

だから、少年は金貨の入手先を尋ねたのだった。


「心配すんな。盗んできたんじゃねーよ。」


もう一人の少年シンクは、二っと笑いながら金貨を握った。


「そっか...。」


少年は、微笑みながら言葉を漏らした。『盗んでいない』その言葉を聞いて少年は安心した。家庭が貧しい故に盗みを働いてでも生きていく為の物を確保する。それが、日常的で特にもう一人の少年は毎日盗んできていた為盗んでいないという事は少年にとってとても親友として嬉しかったのだ。


「おう!これでまた4人で暮らせるな!]

「そーだね!」


そして、2人は丘の上で笑った。その時、ノエルと呼ばれる少年は心の中で誓った。


「シンク、ずっと一緒にいような...。そしていつか、幸せになろう...。」



「...さ~ん、お..さ...。」


ノエルは、誰かの声によって意識が浮上した。


「お客さ~ん!」

「...ぅん?なんですか?」


ふわぁ、と欠伸をしながら尋ねる。そしてノエルは、宿舎の人の声によって幼い頃のノエルとノエルの親友シンクの夢から覚めたのだった。


「朝食出来ました。早く食べないと冷めますよ~」

「すみません。すぐに起きます。」


ノエルは、宿舎の人に返事をし準備をした後階段を下りて空いている席に座り朝食をとった。


一時間後....。


「ふはぁ、美味しかったー。ありがとうございました!」

「いえいえ、こちらこそありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。」


そうしてノエルは、宿代を払って町を散歩した。


「シンク...。」


ノエルは、つぶやいた後、幼い頃に離れ離れになった親友の事を想いながら町を歩いていた。すると、建物と建物の狭い通路から足音が聞こえてくる。しかし、ノエルは、物思いにふけっている為気付いていない。


タッタッタッタッ


「きゃっ!」

「うわっ!!」


ドンッ  


「っっつう~、何だ?」

「!?.....」


ノエルが突然のことに驚き声を発し、ぶつかったせいなのかノエルの前で座り込んでいる子供に意識を向けた。そこには体を震わせ泣きそうな顔でこちらを見ている10歳くらいの少女が居た。それを見たノエルは、少女の元へ歩き目線が合うようにしゃがみ笑顔で話しかけた。


「君、大丈夫?怪我は........うん、ないみたいだね。」

「へ?」


少女はポカーンと未だ笑顔でいるノエルを見ていた。

すると、少女から見て前方から怒鳴りながら走ってくる男がいた。それを見た少女はすぐに顔色を変えた。


「..どぅしよぅ....。」


少女がそう思っている間に少女を追ってきた男が少女の正面に立ち少女に話しかけた。


「さあ、盗んだものを返せ。そうしないと、痛い目に遭うぞ!!」


少女は、ふるふるっと首を横に振った。それを見た店主は怒りの表情を見せ少女を殴ろうと腕を上げた。

しかし、店主の拳はノエルの掌に受け止められていた。


パシッ


「なっ!」

「子供相手に何やってんだ?感情だけの武術は暴力って言うんだよ、店主さん?」

「っ......。だが、盗んだ品は返してもらうぞ。」


ノエルは、チラッと品を抱えている少女を見るとすぐに店主に目線を戻した。


「ん~、じゃあ今俺が金払えばその子が持っている品は買った事になるよね?」

「あ、あぁ...。」

「んじゃぁ、俺払うから。あれ、いくら?」

「...銅貨3枚だ。」

「んと....はい、どーぞ。じゃあ、俺たち行くから。」


店主に金を支払った後、ノエルは少女パル・エクリプスの家に泊まることになった。



パルの家は貧困地にあった。そして、少し歩くとパルは足を止め「ただいま~」と元気良くドアを開けた。ノエルは、その光景が幼い頃の自分と重なって懐かしく感じた。そうしていると、ふと人の気配を感じノエルはハッとして正面に居る女の人を見た。そして、女の人は恐る恐るノエルに尋ねた。


「あの、どなたでしょうか?」

「あっ、すみません...。俺は、ノエル・アヴェンチュリンという者です。」


ノエルは、そう言いながら微笑んだ。すると、女の人は、驚いたもののすぐに微笑みながら言った。


「そうですか。あなたがパルを助けてくれたノエルさんでしたか。」

「はい、俺は確かにノエルですが...、もしかしてパルのお母様ですか?」

「はい。パルを助けて下さってありがとうございました。」

「いえいえ。俺は、店主に注意しただけですよ。」


こうして、話しているうちに日が暮れそれとともにパルの家庭が徐々に分かっていった。

ノエルが分かったことはパルの家族は、『パルとパルの母親の2人だけで父親は病死した』という。そして、パルの母親だけでは生活が出来ない為パルは商店街で盗みを働いてる。また、『家庭が貧しいというだけで差別を受ける。』という事だった。

ノエルは、幼い頃パルたちと同じ生活を送っていた為パルたちの苦しみが良く分かった。ノエルは、少しでもパルたちが希望を持てるように自分の事を話した。幼い頃、貧困地に居て生活して何を想って生きようともがき生活していた事を...。その後も自分が旅人であること、今まで体験した出来事などを話した。その話を聞いているパルは目を輝かせ嬉々とし、一方、パルの母親は2人を見て穏やかに微笑んでいたのだった。




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