Epilogue すべての終わり
森に、静寂が訪れていた。
ワタシは――その場所に、立っていた。
結城蒼が消えた場所。光の粒子となって、この世界から消え去った場所。彼が最後に立っていた場所。
そこには――もう、何も残っていなかった。
ワタシは、長い時を生きてきた。この世界を創り、この世界を見守り、無数の命を見てきた。生まれる命も、消える命も、すべて見てきた。
でも――こんなに、胸が痛むのは初めてだった。
――悲しみ。
ワタシは、初めて知った。この感情を。
結城蒼――いや、蒼。ワタシの初めての友。ワタシを恐れず、ワタシに語りかけ、ワタシを「友達」と呼んでくれた、たった一人の存在。
彼は――死んだ。
自ら望んで、死を選んだ。
「アナタは――」
ワタシは呟いた。
「最後まで――自分ヲ、許セナカッタノデスネ」
彼は、自分を愛せなかった。誰かに愛されることを、信じられなかった。だから――死を選んだ。悪役として断罪されることで、自分の存在に意味を与えようとした。
「愚カナ――選択デシタ」
ワタシは言う。
「デモ――ソレガ、アナタノ、選ンダ道」
ワタシには、止められなかった。止める資格も、なかった。彼の意志を、尊重するしかなかった。
それが――友達として、できる唯一のことだったから。
*
ワタシは、空を見上げた。
黒く染まっていた空が、少しずつ元に戻り始めている。蒼の力――ワタシから借りた力が、消えたから。契約者が死ねば、力も消える。そういう――契約だった。
「約束、デシタネ」
ワタシは呟く。
蒼との約束。彼が死んだら、ワタシはこの世界を創り直す。彼が壊したものを、すべて元に戻す。そうすれば――彼の罪は、消える。
「ソノ約束ヲ――ワタシハ、守リマス」
ワタシは、そっと手を伸ばした。
世界に満ちる力。創造の力。ワタシの本質である、無限の力。それを――今、解放する。
光が、溢れ出す。
ワタシの体から、世界中に。この星のすべてを包み込むように。
壊れた村が、元に戻っていく。燃えた森が、再生していく。死んだ命が――蘇っていく。
ワタシの力は、すべてを創り直す。蒼が壊したものを、すべて元通りに。まるで――何も起こらなかったかのように。
「コレデ――」
ワタシは呟く。
「アナタノ罪ハ――消エマシタ」
蒼が望んだこと。悪役として、世界を脅かし、誰かに倒されること。そして――その罪が、消えること。
ワタシは、それを叶えた。
でも――
「意味ガ――アルノデショウカ」
ワタシは問う。誰にともなく。
「アナタノイナイ、世界ニ」
蒼は、消えた。もう、この世界には存在しない。ワタシが世界を創り直しても、彼は戻ってこない。
それが――ワタシの限界だった。
ワタシは創造神。命を創ることはできる。世界を創ることもできる。でも――一度消えた魂を、取り戻すことはできない。
それは――ワタシにも、できないこと。
「蒼――」
ワタシは、初めて彼の名を呼んだ。敬称も、何もつけずに。ただ――友達として。
「アナタハ――ワタシノ、友達デシタ」
胸が、熱い。
涙が――出そうになる。
神であるワタシが、涙を流すなんて。でも――止められない。
「初メテノ――本当ノ、友達」
ワタシは呟く。
「ワタシヲ恐レズ――ワタシニ話シカケテクレタ――唯一ノ、存在」
もう、会えない。もう、話せない。もう――彼の声を、聞くことはできない。
「サヨナラ――」
ワタシは、小さく言った。
「蒼――」
涙が、一粒。
ワタシの頬を伝って、地面に落ちた。
その涙が――光となって、世界に溶けていく。新しい世界の、一部となって。
*
世界の再創造が、完了した。
すべてが、元に戻った。蒼が現れる前の世界に。彼が何もしなかった世界に。
人々は、災厄のことを忘れる。黒い霧のことも、世界の危機も、すべて忘れる。ワタシが――そう創ったから。
ただ一人だけ――アリシア・ヴァンクレールだけは、覚えているだろう。彼女は、蒼を愛していた。その記憶は――消せない。消してはいけない。
「彼女ハ――」
ワタシは呟く。
「ズット、苦シムノデショウネ」
愛した人を、救えなかった後悔。殺してしまった罪悪感。それを――一生、抱えて生きていく。
それは――残酷なことかもしれない。
でも――それが、蒼が残したもの。彼の存在の証。
「ソレモ――アナタガ、選ンダコト」
ワタシは、静かに言った。
蒼は、アリシアに愛されることを拒んだ。でも――結果的に、彼女の心に永遠に残ることになった。忘れられない存在として。
それが――皮肉なのか、救いなのか。ワタシには、分からない。
「ワタシハ――」
ワタシは、最後に言った。
「約束ヲ、果タシマシタ」
世界を創り直した。蒼の罪を消した。これで――ワタシの役目は、終わった。
「デモ――」
ワタシは、空を見上げる。
「アナタノコトハ――忘レマセン」
結城蒼。ワタシの初めての友。
彼の記憶は――ワタシの中に、永遠に残る。
「イツカ――」
ワタシは呟く。
「マタ、会エルト――イイノデスガ」
でも、それは叶わない願い。魂は、二度と戻らない。生まれ変わることはあっても、同じ魂ではない。
「サヨナラ――蒼」
ワタシは、最後にもう一度言った。
「ワタシノ――初メテノ、友ヨ」
そして――ワタシは、姿を消した。
見えない存在として。世界を見守る存在として。もう、誰とも関わらない存在として。
ただ――蒼の記憶だけを、胸に抱いて。
*
新しい世界が、始まった。
人々は、笑っている。災厄のことなど知らずに。結城蒼のことなど知らずに。
ただ一人――アリシア・ヴァンクレールだけが、涙を流していた。
彼女は、覚えている。愛した少年のことを。救えなかった少年のことを。
その記憶が――彼女を、一生苦しめるだろう。
でも――それが、彼の残したもの。
愛された証。
存在した証。
忘れられない証。
世界は――静かに、回り続ける。
創造神は――見えない場所で、見守り続ける。
そして――結城蒼の物語は、ここで終わる。
悲しい結末。救いのない結末。でも――それが、彼が選んだ終わり方。
彼の物語は――こうして、幕を閉じた。
あとがき――――
こういうの大好き
今回の作品は自分で3000文字前後書き、AIに違和感を持ったところを修正させるという手を使って書いてみました
あ、安心してください。8割がたは僕が書いてます。2割はAIが勝手に書き換えてます。途中の「ーー」と改行が多すぎるとこ? あれはAIさんが改行して「ーー」を突っ込んで…を繰り返してきたので修正を諦めたところです()
よみにくくてすみませぬ
執筆日(2025年10月29日)、話題になっていたAIで書いた作品がランキングに~的なあれの進化系だと勝手に思ってます
これからAIの使用がどうなるかはわかりませんが、少なくとも僕はもうAI駆動執筆をすることはないですね。せっかく考えた表現を上書きされたりするんですもの。直すのは大変だった...
それに――おもしろくないもの()




