第0話 世界が。
収集がつかない猛威が、牙を露わにする——。
誰にも手をつけられない邪悪が、あなたの身近に潜んでいる——。
全人類が一致団結しても、勝利を掴むには程遠い存在が、そこにはいる―—。
天界に潜む七代悪魔。その存在は、まさに上の3つで、やっと説明できる強さである。ゆえに、一言では覆いきれない強力さを持つのが彼らだ。彼らに歯向かえる者は誰もいない。そして、彼らの配下に加わえるものも、数少ない。であるからして、彼らに出会う者は、いない…。
七代悪魔の存在は、天界でそれほどまでに浸透しているのだ。
太古の昔、神々たちの聖なる宣言により『魔界』という惑星が構築された。聖なる素材と言われる「水」をこれほどまでに豊富に持った星は無く、神々たちは歓喜に満ちた。
だが、それでも物足りない者が、ココにはいた。
——それこそ、七つの大罪と名高い七名の悪魔たちであった。悪魔の中でも最上位の七名が、”水が豊富”というだけで、退屈さは収まらなかった。
「もっと、大きな改革を起こすべきだわ」
ルシファーが、不満げに言った。ルシファーが司る邪悪な感情は、「傲慢」。全てを欲し、全てを手に入れて来たルシファーが、そう言うのだ。
「チッ、アイツ等だけ盛り上がって、オレたちはまだ何も満足できていないっつーのに」
ルシファーに同意するかたちで、レヴィアタンが口を出した。レヴィアタンが司るのは、「嫉妬」。全てを嫌い、すべてに嫌われた悪魔が、ここにいた。
「全くもって不快。この世界が、これほどまでに窮屈とは」
更に話に加わって来たのは、「憤怒」を司るサタンであった。全てを叩き、すべてを潰した悪魔が、ここにいた。
「ま、別にいーんじゃない? ボク的には、目障りなだけで、反撃してくるようなら、徹底的に壊すまでだし」
3人に反対するかたちで参戦してきたのは、「怠惰」を司る悪魔・ベルフェゴールであった。全てを避け、すべてを頼った悪魔が、ここにいるのだ。
「妾はベルフェゴールには反対じゃ。どうせならば……そうじゃ、他の神々をも、すべて支配してしまえば―—―この世はすべて妾たちの物に!!」
興奮気味に言ったのは、マモン。司るのは「強欲」。全ての欲望をむき出しにし、すべての欲望を叶えて来た悪魔だ。
「支配ではなく、すべてを飲み込み、無かった事にしてしまえばいいんじゃねェのか? 俺の能力でもまだ神を飲み込む…ってことはしたことがねェからよ」
目をギラギラと悪い意味で輝かせたのは、ベルゼブブ。「暴食」を司り、全てを食そうと考え、すべてを食す悪魔であった。
「ウフフッ。アタシの能力とマモンの支配能力を使えば、神々たちなど…アタシのカワイイおもちゃになりますわ」
マモンとの協力の意を示したのは、「色欲」を司るアスモデウスであった。すべてを魅力し、全てに魅させられた悪魔であった。
それぞれが、邪悪な心情を司っている七名の悪魔――ルシファー・レヴィアタン・サタン・ベルフェゴール・マモン・ベルゼブブ・アスモデウス。
彼らの願いは、ある意味で一致していた。
そして、それぞれの悪魔には、その悪魔を代表する主的能力と呼ばれるチカラを持っていた。
ルシファーは従順配下。
レヴィアタンは王格奪取。
サタンは激怒総長。
ベルフェゴールは委任転換。
マモンは支配聖域。
ベルゼブブは欲食吟味。
アスモデウスは、魅力洗脳。
彼らの願いはただひとつ―—―「神々たちから全てを奪い取りたい‼‼」
—————彼らの中の邪悪が、蕾から、花へと、咲き狂う——
どうも、初めまして!
音賀キヅクと申します。初執筆なんですけれど、『琥珀色の明るい魔界』第0話!
お楽しみいただけましたでしょうか? 不穏な空気で始まる第0話って、一番アヤシイ雰囲気がしますよね…もしや、バッドエンディング?? そう思った方も、少なくないのでは?
大丈夫です、安心してください!とは言えません。なぜなら、ジブンでもはっきりとした「エンディング」つまり、ラストですね。それは、イメージできていないからです。
こんなこと言ってもいいのかな?と思っちゃいますが、実は、行き当たりばったりの小説書きです。まぁ、そのうち自分が納得する終着点が見つかると思うので、そこまで是非是非、温かい目で見守ってくれるのと、応援コメと、そして!!一番大事な……ジブンが作った作品を読んでみて下さい!
そうしてくれると嬉しい——です!!!