第一話
2028年6月21日世界が衝撃を受ける事件が起きた。
突如約数百人の人が消えたそして人が消えた場所は決まって駅のホームだった
目撃者が言うには突如空から黒い球体が現れ駅のホームを包んだそう。
消えた数百人の生死は不明
この事件にはいろいろな説が立った
・キャトルミューティレーション説
・国の陰謀説
等様々
しかしどの説も立証されることなく闇に消えた
真実を知るのは消えた数百名だけだ。
「・・・う~ん」
見たことのない天井…ここはどこだ?
「早く来てママあの子目が覚めたみたいだよ」
それにママって。
「はいはいちょっと待って」
んうっ
「ここは?」
「ここはあたしのおうちよ」
「それにきみは?」
「私はアイコって言うのあなたは?」
「僕?」
「うんあなたはなんていうの」
「僕はト・・・いやリグル」
「僕の名前はリグルだよ」
「あ、目が覚めたのね」
初めて聞く声のする方向を向いてみると奥から少しふくよかな茶髪ロングの女性がエプロンで手をふきながら現れた。
「あのっえっと」
僕が少し混乱をしているとママ?と言う人が
「ねぇアイコちゃんこの子にお水を持ってきてくれる?」
「うん分かったお水持ってくるから待っててね」
ママ? の一声でアイコちゃんは笑顔を見せてスタスタと奥のキッチンへと消えていった。
「えっとここは確か駅のホームにいたはずだけど?」
今起こっている事を頭で整理しようとしたが思わず声に出していたようだ。
「駅のホーム?って言うのは分からないけど多分貴方は異世界転生者だと思うは…それにここはグリシュタインって町の外れで駅?なんて建物ないもの」
「異世界転生…」
思わぬ答えに混乱をしそうになったがこんな時こそ冷静にとあたりを見渡すと確かに今の時代にはそぐわない物や見たことのない魔道具?らしきものがあった。
「本当のようですね・・・」
落ち着きながらも少し驚いてはいたり心配なこともあったりと僕の感情に落ち着きはなかった。
「まぁ信じられないでしょうね」
「え?」
「私も子供の頃はそんな事があるなんて信じられませんでしたから」
「ママお水持ってきたよ」
「ありがとう」
「それじゃあこの子にお水を渡してくれる?」
「うん!はいこれ」
「ありがとう」
「あの遅れましたけど助けてもらいありがとうございました。」
「いえ助けたのは私じゃなくてこの子なんですお礼ならこの子に言ってやってください」
「ありがとうアイコちゃん」
「ううん人が倒れてたら当り前よ」
「それで…これからどうするんですか?まだ身体の方も…」
「それは大丈夫です身体は結構動くみたいですし」
「後はお金ですね…少しくらいなら持たせてあげれるんですが」
「そんな助けてもらっただけじゃなくそんなご迷惑はかけられません」
「そうですか…」
「そういえば僕の荷物はありますか?」
「それならちゃんと持ってきて置いてありますよ」
「それなら僕の荷物からめぼしい物を町に売りに行きます」
「それならいい質屋を知ってますよ」
「そうなんですか!!出来れば教えてください」
「ちょっと待ってくださいね」
異世界か…この後どうしようかな?安易だけど冒険者ギルドに登録かな…?僕あんまりそういうの苦手なんだけどな~
「ねぇねぇ」
「えっとアイコちゃん?どうしたの?」
「あなたお兄ちゃんなの?」
「えっ!何で知って……」
「ママが言ってたよ!」
「そうなんだ」
「……でもこんなに綺麗な髪なのに男の子なんてもったいないよねぇママ」
「えぇそうねそれに最初に見た時、体は華奢だし髪もサラサラで女の子だと思ったんですけど男の子…だったんですね」
「はぁ」
まぁ昔から女の子と間違えられたりしたから慣れたけどやっぱり傷つくな…
「あぁそうそうこれ質屋への地図です」
「ありがとうございます」
「いえ、どういたしまして」
「そういえば異世界転生ってよくあるんですか?」
「えぇよくありますねでも見るのは初めてでしたけど」
「よいしょっとありがとうございました」
「もう行くんですか」
「はいそろそろこれ以上迷惑をかけるわけにはいきませんしそれに善は急げとも言いますし」
「はぁ」
「お兄ちゃんもう行っちゃうの」
「うんアイコちゃんそれにアイコちゃんのお母さんありがとうございました」
「いえ、それと最近近くに魔王城が出来たそうで襲われた人もいるそうなので気を付けてくださいね」
「特にお兄ちゃん女の子みたいだから気を付けてね」
「もぅアイコちゃん一言よけい」
「ふふふふ」
「それじゃあ」
「気を付けてくださいね」
「はい。本当にありがとうございました」
これから新しい世界の冒険が始まる(多分)