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夜迷言

罅裂

作者: Qoo

好きな漫画があった。

全巻揃えて何度も読み返すほどである。

最近では一日一冊読むことを日課としている。

それほどまでに、私の「好き」は大きかった。


そんなある日のこと。

何気なくSNSを眺めていると、一つの投稿が目に入った。


「○○読んだけど絵の使い回しがひどい」


それは私の好きな漫画を貶すようなコメントだった。その時感じたのは使い回してたのかという些細な驚きだけだったのだが。


その後、好きな漫画を読んでいた時だった。

ふと、同じような構図をしたコマを見つけた。

これが使い回しかと少々残念な気持ちになる。


ぴきっ、と「好き」にヒビが入る。


読み進めていくと、使い回しだと思われるコマがいくつも目につく。普段読んでいた時には気づかなかったものに気がついてしまう。


私が好きだった漫画に欠点があるという、その事実に向き合ってしまった。


知りたくなかった。気づきたくなかった。

だって知らなければ、純粋に楽しめるから。気づかなければ、好きでいられたから。


「好き」が音をたてて瓦解する。


いつしか楽しいという感情は消え去り、無意識に粗を探してしまう自分がいた。


「好き」が別の感情に置き換わるまで、そう時間はかからなかった。

他人の「嫌い」に自分の「好き」を崩されるってこと、ありませんか? 挙げられた欠点が事実でも、気づかなければ純粋に楽しめたのに...そう思うと悔しくてなりません。

タイトルにも使われている「罅裂(かれつ)」は、「ヒビが入ること」という意味です。Google先生は便利ですね。

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