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爆縮と体温の機知(8)

知っているから知らないと言う

本当のさよならを知った日に

なんとなく作った空っぽの箱

幸せになる筈だった

でも

そうはならなかった

並べる箱が増えると

何処か

麻痺して行くのが分かった

コレクションの一つとして

話しの種になった


イラつくような

心地良いような

よく分からない感覚を

夜の繁華街へ投げ込んで

なんとか明日を呼び込む

儀式をするんだ

悲しいは通り過ぎて

寂しいも通り過ぎて

残ったのが僅かな記憶と

人は人を幸せに出来るってこと

たった

それだけ

残っているのは

たった、それだけ

でも


知ってしまった温かさを

今更

無かったことなんかに

できやしない

あの温かさこそ

人間にとっての麻薬なのだ

くたびれた気持ちの

本当の隅っこにある

自分にとっての幸せは

埃を被っているけれど

何故か

捨て切れないのは

そういうことだろう

冷たい氷が

カチリと鳴った


知らなかった感覚を

覚えてしまった時

知らなければ良かったと

思うことは無い

知らなかった感覚が

離れていく時

知らなければ良かったと

思ってしまう

それが人をの弱さと

可愛いさを表していて

何処か

憎めない物があるんだ


悲しいことが続けば

悲しい事ばかりじゃないと

強がって見せる者の弱さを

抱き締めたい時がある

ふしだらじゃない

曖昧だけれど

確かに存在する物が

色々な所に散らばって

強さを分からなくする夜に

必要な温もりがある


知ってしまった温かさを

今更

忘れてしまったことに

できやしない

あの時に確かにあった

温かさを感じた

上の空になれるほど

大人じゃないけど

上の空になれたら

大人だと決まってはいない

馬鹿みたいな日があることを

恥ずかしく思っちゃいけないね

冷たい風が

カスリと頬を切った





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