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虚言男子は女神を求む  作者: 氷雨 ユータ
ハバカリさん
1/13

女神はいつも傍に

 黒彼読者は主人公について色々と言いたい事があると思います。

『初めまして! 私は西辺萌! ね、貴方の名前を教えてッ?」

『……ふ、藤浪尋木ふじなみひろきです』

『…………そう。藤浪君! オカルト部は初めて? 分からない事があったら私が教えるから、何でも聞いてねッ!』


 高校に入ったその日。僕は運命の出会いをした。

 

 運命の赤い糸なんて不確かなものを信じる程、僕はロマンチックな人間じゃない。それくらい僕は乾いていた。恋なんてしないんじゃないかと。

『ね、どうしてオカルト部に入ったの?』

 それは君と仲良くなる為だ、僕の女神様……いや、僕の乾いた世界に潤いを与えてくれた救世主メシア様。オカルト部なんて胡散臭い部活に普通は入らない。自分の人生に箔をつけようと考えるなら、もっと別の部活に入る。

 これまで僕は、そうして部活に所属してきた。恋も遊びも知らずに、人生設計に狂いのないように勉強してきた。そのお蔭で僕の学力は、そんじょそこらの学生とは比べ物にならないくらい高くなった。

 そんな僕の人生設計を狂わせたのは、同級生の西辺萌。その小さい身体と言い、無邪気な笑みと言い、彼女は見ているだけで保護欲を掻き立てる存在だった。保護欲とは『守ってあげなくてはならない』という感情の発露だが、これは裏を返せば『俺の物にしたい』という独占欲でもある。



 萌が欲しかった。



 僕だけの女性に、僕にだけ尽くしてくれる忠犬に。だから積極的に絡んで好感度を上げようとした。でも駄目だった。学力はそこまで悪くないし、運動神経はむしろ抜群。趣味を合わせて距離を縮めようとすればオカルトの話。女子高生が興味を持った程度の知識ならまだ合わせられたかもしれないけど、彼女は本気だった。ニワカな僕には到底合わせられる訳が無かった。

 だからオカルト部に入った。 

『藤浪君もオカルトが好きだったんだッ! えへへ……嬉しい。同い年にそういう人居なかったの。仲良くしようねッ』

 萌の喜ぶ声を聞いた瞬間、至福が全身を満たして、僕の頭はどうにかなりそうだった。しかし慢心してはいけない。オカルト部は僕と萌の二人きりでは断じてない。少なくとも部の形を呈している以上、そこには第三者が居る。


 ―――僕は必ず、萌を手に入れる。それさえ達成出来たら、こんな所とはおさらばだ。


 その目標を掲げる上で唯一の障害は只一つ。オカルト部の部長だ。昔から接点があったのか知らないが、萌と部長はやけに親しい。僕なんてまだ手すら繫いだ事が無いのに、二人は手どころか、腕を組んでいる事だってあった。

 許せない。

 僕が萌を手に入れるには、まず、あの邪魔な部長をどうにかしないといけない。だが狐面を被って素顔を隠そうとしている事以外は品行方正な部長を強引な方法で排除する事は出来なかった。




 だから僕は決めた。好きでもないむしろ嫌いなオカルト部で、たくさん貢献して、部長にたくさん媚を売って―――次期部長になってやろうと。僕が部長になる頃には先輩達は全員卒業している。そうなれば僕と萌の二人きりだ。誰にも邪魔はさせない。入らせない。

 萌の事を一番好きなのは、僕だ!

 




 

    

 位置づけ上は外伝という事で、タイトル上の黒彼シリーズから位置づけ上本編はご覧いただけます。

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― 新着の感想 ―
[一言] タイトルもですね。萌のことを女神と言うことには別に嫌悪感はそこまで湧きませんが、なにがいつも傍にですか。さっさと消えて欲しいです。害虫藤浪。
[一言] ただでさえ性犯罪者で話も通じないロクデナシのクズで印象が地の底に落ちている人間の「僕だけの女性に、僕にだけ尽くしてくれる忠犬に」なんてセリフは悍ましい。気持ち悪い。情状酌量の余地なしです。
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