表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

かくおの短い物語集

「本当の手助け」

作者: かくお
掲載日:2019/05/23

キョロキョロと辺りを見回す男は道に迷っていた。

初めて来た町で、宿屋までの行き方すら分からないようだ。


傍からみても迷っているのが明らかなその男に、たまたま通りががった女性が声をかけた。

「何かをお探しでしょうか?」


すると男はカッと目を見開き、

「うるさいっ!余計なお世話だ!」

と女性に激しくあたりました。


女性は一瞬驚きつつも、

「あっ、ついついお節介をやいてしまい申し訳ありませんでした」


そう言って頭を下げました。


「いいからどっかへ消えてくれ!」

さらに男は激しく吠えます。


察した女性が立ち去ろうとすると、男は我に返ったように女性を呼び止めました。


「いや、待ってくれ、今のはさすがに僕が悪かった。虫の居所が悪かっただけなんだ、どうか許して欲しい」


「そうですか」と立ち去ろうとした女性を男が呼び止める。


「このままでは僕の気が済まない、どうか僕の頬をはたいてくれ!」


男がそう言った途端、なんの躊躇もなく女性は男の頬を思い切りはたきました。


激しい痛みと共に男の心は感謝の気持ちで一杯になった。


「見ず知らずの人間にここまで親切にしてくれるなんて、あなたは素晴らしい女性だ」


不思議顔の女性は「別に普通の事じゃないですか」と立ち去ろうとするが、男はまだ続ける。


「僕をはたいた手が痛かったでしょう。そんなにまで僕の為にしてくれるなんて・・・どうかお礼をさせて下さい」


そう言って手を握る男の手を女性は振り払った。


「私はあなたを手助けしたかっただけです、目的はそれだけで、あなたに礼を言われる覚えはありません!」


そう言って女性はその場を去った。


一瞬、呆気に取られた男だったが、女性の後ろ姿に深々と頭を下げた。




おしまい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] タイトルにある、本当の、の意味が気になりました。 [気になる点] やりとりに不気味さを感じるところ。 [一言] 電波な感じがかなり強いやりとりだと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ