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幻想影法師  作者: 望月笑子
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影49

このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。

いつもの帰り道、自転車のハンドルを握りしめながら、今日の律子は首を傾げてばかりいた。

「一体、どういう意味なんだ…」

真っ白な息が、凍て付く闇に、何度も繰り返して散らばった。

「般若心経…」

…体に書かれた文字。着物の模様…それらは全て、「般若心経のお経だ」と、幻一郎が言った。

自由に真理を観る眼の開けた菩薩は、その深い叡智によって、肉体も精神も、すべて空であると達観して、一切の苦難災厄から免れる。

…肉体はそのまま空であり、空はそのまま肉体である…感覚も想念も意欲も自我も、みな同じである…すべては空であるから、生ずることも無ければ、滅することも無い…よごれず、綺麗にもならない…増えもしなければ、減りもしない…眼もなく耳もなく鼻もなく舌もなく…体も意もない…色もなく声もなく香りもなく味もなく…触られるものもなく…現れるものもない…老死の苦しみもなければ…尽きることもない…苦悩からの救いもなければ…そのための修行もない…知ったというものもなければ…得たというものもない…こだわりもなければ…恐怖もない…



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