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影47
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心臓がキュッと萎縮した。手に懐中電灯を持った幻一郎が立っていた。
「じっちゃん、ずっと見てたの?」
幻一郎が黙って頷いた。
「だって、さっきの地震で開いたから」
律子が、申し訳なさそうに俯いた。
「何が、見えた?」
「えっ、なにって…」
律子は返答に困った。
「何が、見えた?」
幻一郎がもう一度、同じ質問をした。
「わかんない。よく見えなかった」
律子が小声で、正直に答えた。
「ただ…」