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幻想影法師  作者: 望月笑子
48/51

影47

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心臓がキュッと萎縮した。手に懐中電灯を持った幻一郎が立っていた。

「じっちゃん、ずっと見てたの?」

幻一郎が黙って頷いた。

「だって、さっきの地震で開いたから」

律子が、申し訳なさそうに俯いた。

「何が、見えた?」

「えっ、なにって…」

律子は返答に困った。

「何が、見えた?」

幻一郎がもう一度、同じ質問をした。

「わかんない。よく見えなかった」

律子が小声で、正直に答えた。

「ただ…」



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