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影46
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ふいに、それと目が合ったような気がした。
いや違う。
字だ。
黒い文字で何かが書かれている。
律子はそれを、声に出して読んでみた。
「無所得…耳鼻舌…?」
(なんだこれは)
輪郭が見える。
影か。
いや影じゃない。
刀だ。
いや刀じゃない。
人だ。赤い顔。
血だらけの…鬼?
いや違う。体全体にお経の書かれた人間だ。
不思議なことに、左の甲にだけは書かれていなかった。
「見て、しまったんだね」