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影45
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病院の診断結果、幻一郎の右目は、「軽い斜視」であることが分かった。
見た目には分からないのだが、先天性のものであるという。幸い、脳の方にも異常はなかった。
幻一郎は、死の宣告をまぬがれた。
安堵の表情を浮かべ、律子は冷え切った綿布団に潜り込んだ。
その時、タンスの上から、律子の頭に、コツンと何かが落ちた。
地震だった。地震はすぐにおさまった。
『あかずの間』の襖が、覗き見れるほどわずかに開いていた。
隙間に光が差し込み、何かが見えた。
心臓の鼓動が大きく高鳴る。
恐る恐る目を凝らした。