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影2
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高橋幻一郎から、電話があったのは、1週間後のことだった。
定食屋に律子を誘い、丁寧に頭を下げた幻一郎が、律子に家のゴミ片付けのアルバイトを依頼した。
「でも高橋さん、どうしてあんな時間帯にあんな所に…」
「尊敬する詩人の月命日を、すっかり忘れててね」
あっけらかんとした表情で、幻一郎が頭を掻いた。しかしその目は、明らかに真剣だった。
「で、アルバイトの件は大丈夫なの?」
「はい。是非お手伝いしたいです。それに私、今のお給料だけじゃ、生活苦しいですから」