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幻想影法師  作者: 望月笑子
25/51

影24

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「もう顔も見たくない」、「しつこい」「うざい」と言われるくらい幻一郎を愛そうと、律子は思った。

「もう恋などしない」、「恋など出来ない」、そう思っていた律子にとって、幻一郎への愛情は、一人相撲。それでも良かった。

律子は、普段はしない香水をつけてみたり、化粧を念入りにするなどして、幻一郎のもとへ通った。

幻一郎が煙草を吹かす時、律子のつけたそれと重なって、かぐわしい白檀の薫りがした。




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