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幻想影法師  作者: 望月笑子
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24/51

影23

このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。

幻一郎は、どこか近くて遠い存在だった。

世の中には、女に高価な贈り物をして、少しでもその女がその気になれば、途端に嫌いになる男がいるというが、幻一郎にはそんなところがあった。

律子は、ますます幻一郎のことを好きになった。

それは、研ぎ澄まされた感性だった。

人を好きになれば、独占したくなる。

独占できなければ、嫌いになる。

その堂々巡りに苦しまなければならなくなる。

人は、人を愛した瞬間から、妄想と嫉妬に苛まれる。

もしかして幻一郎は、律子の気持ちを知っておきながら、わざと然り気なく接するのではないか。

ひょっとして、愛の深さを推し量るために、わざと素っ気なくして、試しているのではないか。

幻一郎が、律子に気がないのは、律子もよく分かっていた。

決して、恋愛の対象ではないのだ。




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