22/51
影21
のメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
どこからともなく、舞い降りてきた粉雪が、地面に落ちたかと思うと音もなくとけた。
鮮やかな紅色、こがね色、夕焼け色の紅葉の葉っぱの上に粉雪が舞う季節になった。
律子が、幻一郎の着古した汚れた体操着を家に持ち帰り、かわりに自分の体操着を貸した。
路面が凍結しだすと、なるべく外出を控えねばならなくなる。
「本格的な雪が降ったら、もう会えなくなるかもしれないね…」
幻一郎がつらそうな咳をするたび、律子がつらい気持ちになったのは、この頃だった。
幻一郎は、ニコチンの含有量の多い煙草を、毎日2箱も吸う。それも、「ワタシは、生き急いでいる。早く死にたいのだ」と、言いながら。




