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影1
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「男性が、墓場の道路で寝ているんです」
「どんな状態ですか?」
「身動きが、ないんです。手遅れになると困るから、すぐに来てください」
「年齢は、幾つくらいですか」
「多分、60歳くらいだと思いますが…」
「反応は、ありましたか」
「いえ、ありません」
「頭部から出血とか、してますか」
「いえ、血は出ていませんでした」
「あなたのお名前は?」
「佐々木、律子です」
10分後、郊外の墓地の前に倒れていた男性の体は、救急隊員たちの手によって、救急センターに運ばれた。
夕方、心配になって、転院先の病院に見回った。検査中だったので、自己紹介しあっただけにし、その日は終わった。その男性の名は、高橋幻一郎といった。