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幻想影法師  作者: 望月笑子
18/51

影17

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幻一郎は、ためらわなかった。それどころか、まるで本当に見えているかのような答え方だった。

「☆(白星)。」

律子が、伏せられた一番上のカードをめくった。

「当たり。でも、ただの偶然かもしれないからね」

そう言って律子が、カードを背中の後ろで十分に切ってから、伏せて重ねて差し出した。それでも幻一郎は、平然とした表情を崩さなかった。

「これは?」

「○(白丸)。」

「これは?」

「四角(白四角)。」

そうやって幻一郎が、すべてのカードを律子が見ないうちから、はずすことなく当てた。


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