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幻想影法師  作者: 望月笑子
16/51

影15


「そうだよね。私が持って来たカードだもんね。でもおかしい。絶対おかしいよ」

「それじゃあ、もう一回やるかい」

「いいよ。もう勝つ自信ないよ」

律子が、ふてくされたようにして、トランプを仕舞った。

「はぁ。おもしろくない。じっちゃんまるで、見えてるみたいだったね」

「うん。だって見えてるから」

「えっ?」

律子は、自分の耳を疑った。

「今、なんて言ったの」

今度は口パクで、幻一郎がゆっくりと、「見・え・て・る・か・ら」と言った。

「本当に?」

オカルト好きな律子は、急に興味を持った。

「信じられない。なに?じっちゃん、透視できるの?」

「分かった?」

「やっぱり存在するんだ」


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