観覧車と彼女
あのあと、松家は「明日の準備があるので」と言って、走って帰ってしまった。
仕方なく、8時に来てみるとすでに松家は来ており、
「今日は遊びまくりますよ!!」
っと言ってあちこちを走りまくった。
昼も一番人が少ない場所で済ませ、またすぐに次のアトラクションへと走って行った。
そうして、いつもの静かで、大人しい松家はどこへやら。 ハイテンションの松家に振り回され、気づいた時にはもう夕方で、空が昨日と同じ茜色に染まっていた。
「先輩!!最後に観覧車、乗りましょう!!」
「あ~・・・うん。そうだな・・・・。」
そう言って俺は、松家に言われる(連れられる)がままに観覧車に乗った。
「あー!……疲れた。」
椅子に座ると同時に俺は言った。
松家の方を見ると、窓にへばりついている。
「わー!先輩!凄いですよ!!知ってました?この観覧車、日本一大きいらしいです!!」
「へぇ~~。」
俺が素っ気ない返事を返すと、その後しばらく会話がなかった。
しかし、俺がついうとうとしていると、突然松家が俺の横に座った。
「…?急にどうしたんだ?」
「……先輩。話があります。私ーーーーーー
引っ越すんです。」
彼女が淡々と、しかし悲しそうな顔で言った。




