伝言ゲーム

作者：バンズ

これは戦争に賛成するようなものでも、こんな日本がいいとかいうものでもなく、あくまでただの作品としてお楽しみください。

その衝撃的なニュースが日本中に広まるのに、時間はそうかからなかった。

山奥で二人だけで畑仕事して暮らしているおじいさんおばあさんも、海にマグロ釣りに行っている男たちも、そのニュースを知るのに三日と待たなかった。

それは、日本が戦争を始めるというニュースだった。

ニュースの内容は次のようなものだった。

「みなさん、落ち着いて聞いてください。総理事大臣の発表によりますと、ハリハリ星人を名乗る宇宙人から戦線布告をされたとのことです。

内閣府としては早急に対処するべく、特殊対策委員会を設け、徹底抗戦に向けて準備を行うとのことです」

日本の行政のトップである総理事大臣の発表とは次のようなものでした。

「国民の皆さん、先日、我が国始まって以来の出来事が起きました。遠くの星のハリハリ星人から日本が戦線布告を受けたのです。信じられないかも知れませんが、本当です。間もなく攻撃を受けます。

しかし安心してください。すぐに特殊対策委員を設立し・・・」

ハリハリ星人の戦線布告とは次のようなものでした。

「キミたちの国、日本は、我が星の調査隊の報告によると、宇宙裁判所の規則に反している。よって、全宇宙を代表して攻撃し、滅亡させるのでそのつもりで・・・」

調査隊の報告とは次のようなものでした。

「地球の日本という国は、嘘つきばかりの国だ。コンピュータの出した統計結果でそうなったのだ。こんな国は滅ぼすべきで・・・」

コンピュータの出した結果とは次のような内容でした。

「日本人ノ学者ガ言ッテイル、アル説ニヨルト、日本人ノ96%ハ嘘ツキデアル」

日本人の学者の言うある説とは次のようなもので・・・。

そして、戦争開始後まもなく、日本は滅亡したということです、私の祖父の話によれば。

読んでくれた皆さん、ありがとうございます。はじめまして、バンズです。これはニュースの言ってることは本当のことなのかという疑問から出来たショートショート作品です。偉い人が何か言っていても、それホントなん？と疑いはじめると、もう何が正しいんだかわからな〜い☆