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私には前世の記憶がある

私には前世の記憶がある〜伯爵家嫡男の場合〜

その年の卒業式は大混乱だった。

エステルという、平民スレスレというかその時点ではどこをどう取っても平民にすぎない学園生があろうことか!

勤め先の侯爵家の娘を騙っていた事が判明したのだ!

そして侯爵令嬢の婚約者を略奪した上、その婚約者と共に侯爵家を継ごうとしていたのだ。

ーーそもそもこの婚約者は侯爵の実子ではない。養子に入る予定があるとも聞いていない。ただの婿入りである。

というか侯爵家の後継は実子である侯爵令嬢だと昔から周知されていた。だからソイツが次期侯爵なんてこと、あり得るはずがないのだ。


なので人間関係をちゃんと把握していたオレは混乱した。


なんで?爵位の簒奪?イヤイヤイヤ、そんなのこんなに大っぴらにやるバカがいるか?

侯爵家の令嬢と別れたらただの子沢山の伯爵家の平民予定の末っ子だろ?

え?平民のエステルと一緒に平民としてやっていきます!ってことなのか?

でも、今あの2人で侯爵家を継ぐって言ってなかったか?




「それってお家乗っ取りの計画ってことー??」




大っぴらにやるバカのほうだったー!!

クリスティーネ様のご友人方がデッカい声でお家乗っ取りだって叫んでいる。

やめろやめろ!こんな人数どうやって話を漏らさないように纏めるんだよ!あーっ!!!

関係者全員なんて覚えきれないよ!流石のオレも!

今日秘書課から何人来てる?全員に指示出して、広報に念のため文書出せるよう準備させて…


というところまで考えて我に返る。


オレ、なんもする必要ないよね?

そうだった!コレ、どうやって穏便に収めるの⁈なんてのはオレの仕事ではない!ということを思い出して少し落ち着いた。



そう、オレには前世の記憶がある。

オレは45歳にして秘書室長兼広報室長という、経営の中心に近い所で仕事をしていたのだ。

まあそんなに大きい会社じゃなかったけど。

先代社長が破天荒という言葉がぴったりの人で、会社の規模から考えると贅沢なくらいにトラブル対応に力を入れていた。

だから秘書だ広報だと言いつつも、実際は社長のやらかした後始末部隊だった。

オレはその記憶力の良さで抜擢され、若いうちから前室長に仕事を叩き込まれ跡を継いだのだ。だからトラブルを発見するとついつい対処方法を考えてしまう。


こういうトラブルの場合、やることは3つ。

まず、目撃者を記憶すること。

あとあと口止めやらなんやら工作が必要になった時、漏れがあっちゃ困るからね。

これは社長や重役に付き従っている秘書の仕事。スケジュール管理とか調整とか、二の次。いや、ちゃんと担当はいてしっかり管理してるけど。それ以外のメンバーは、トラブルになる前に止めに入る。不自然でないように、さりげなく。で、それで間に合わずトラブった場合は事態の収束のために現場を押さえるのだ。とにかくその場に誰がいたかを確認する。そして話が外に漏れないように釘を刺していくのだ。

…丁寧にお願いするだけじゃなくて、たまには相手の傷を抉ったりしたけどね。まあ、そういう弱みがない人には黙っているメリットも提示したわけだから。お互い様ってやつだよね。


そしてふたつ目。

当事者達をさり気なく隔離する。

コレもすごく重要。それ以上口を開かせるな!ってことですな。

思い出した。なんかのチャリティパーティで感化された社長が全額会社負担で基金を作ろうとしたんだよなぁ。あん時はキツかった。思いつきで作る!と言い出した社長をさりげなく退席させた。だって、その規模で基金なんか作ったら会社傾くどころじゃないよ⁈

結局ライバル社が茶々を入れてきて誤魔化しきれなかったから、業界全体で社会貢献しましょうってことでまとめてアイツらにもお金出させたんだよ。

それ以降絡んでこなくなったからまぁ結果オーライだったけど。


そしてみっつ目。

みっつ目は…


「おい!あれってさぁ、オマエの婚約者じゃねえの?」


先ほどまでのほろ酔いもどこへやら、前世の癖で場をどうやって制圧するかを考えていたら、友人が話しかけてきた。



「んー?リチルがどうかした…どうかしてる!アイツ!!」


なんとアイツ、例のエステルの側に侍ってやがる!

あまりのことに目が飛び出そうになった。

元々あんまり賢いとは言えなかったが、まさかそこまでとは。


「さっきさあ、お前の婚約者周りに乗せられて」


"あのお二人が侯爵家を導いていくのならお父様も安堵なさるでしょうねぇ。"


「って1番前で言ってたぜ。ちょっと不味くない?」


「なっ」


なんだよ…


なんだよ!グッジョブじゃねえか!!


今までお前の尻拭い、大変だったんだよー!!

これでやっと婚約解消にもってけるぅ!


「テ、テルニア?」


「あ、ああすまない、これでやっと婚約解消に持っていけると思ったらつい」


「そっか。そうだな。オマエにとっては朗報だったか」


「ああ。ほら見てみろよ、セスキオレイン侯爵家の手のものがあちこちで聞き耳立ててる。て事は今までみたいにアイツのたぬき親父に丸め込まれることもないだろ。ああオレにもやっと運が回ってきたぜー!!」


感無量、と思いながら小さくガッツポーズしているとなんだか視線を感じる。

な、なんだ…?

キョロキョロ視線の主を探すと、クリスティーネ様がこちらを見ている!喜んでるところ見られちゃったかな。んーまずいかなあ。

まあでもあの方は聡明な方だから、この後オレの婚約が解消になったら全て悟ってくださるだろう。



そう、みっつ目に必要なのは。

スッパリ損切りすること、である。

前世ではどんな損切りしたかって?

破天荒だけど、業界では面倒見のいい良い社長って呼ばれてたけどね。

引退してもらった。基金を管理する団体を纏めるのは貴方しかいない!とか言ってね。情の厚いいい人だけどさぁ、会社はそれだけじゃやってけないから。かなりの腹黒という噂の社長の次男が跡を継ぐからってことで社員一丸となって勇退の道を整備したよ。



※※※※※※※



「そんな、テルニア様!なぜあのくらいのことで婚約解消になるのですか!」


「あの出来事を"あのくらいのこと"って言ってしまうような性格だからだよ。君はあの時最前列であの2人を持ち上げて、いや持ち上げただけならまだしもクリスティーネ様のことを貶すような発言をしただろう」


「だって、それは!エステルさんが私たちのことを騙していたからですわ!酷い!私だって被害者なのに!」


わっと泣き出すリチル。泣きたいのはこっちだよ。


「あのね、あの時エステル嬢の周りに何人いた?その、君が言うところのエステル嬢の被害者は?」


えっ泣いてたんじゃないの?突っ伏してたから分かんなかったけど、涙なんてひと粒も出てないじゃん。

俺が被害者という言葉を使ったからか、婚約解消を取り消しさせる事ができるかも!とうっかり顔を上げてしまったようだ。


「…泣いてたんじゃなかったの?」


バツが悪そうな顔をしているが謝る事はない。彼女はそういう人だ。誰かが人を責めているのを見ては一緒になって責め、それを咎められたら他の人もやってるのに私だけ責められるなんて!と責任転嫁。


これから先、伯爵夫人としてやっていくには何もかもが足りない。

かなり前から婚約解消は申し出ているのだが、こう、認めさせるにはイマイチ瑕疵が足りなかったのだ。


例えば学園内で。

「ちょっと聞いてくださる?先ほど廊下で◯◯様をお見かけしたんですけど、びっくりなのよ!××様とすごく親しくお話しされていたの!」


という話を耳にしたとする。その後よく話を聞いていると、2人は従兄弟同士だとすぐ分かるんだが。

なのにその大事な部分は聞き逃して、これまた最後の


「婚約者がおられるのに、何事かと思って焦ってしまいましたわ。」

「まあ、おほほ。」

「そうでしたのね。確かにそれは焦りますわねおほほ。」


という会話だけ都合よく覚えており。


いつの間にか彼女の口からは、

"〇〇伯爵令嬢は婚約者がいるのに××侯爵子息と男女の仲らしい"

という全く違う悪意のある噂話として広められるのだ。


そんな事は誰も言ってない。事実無根だと多数の人が知っている事で2人が疑われる事はなかったが、まあ気分の良いものではない。彼女の家には厳重抗議があったが。


彼女は

「だってみんなが言ってたのを聞いたんだもん!私はそれをみんなに教えてあげただけ!」

と言い、父親は父親で

「まあ勘違いというのは誰にでもありますからな。聞いたことを少し話しただけで責め立てられてもねぇ」

ときたもんだ。


抗議をした家は呆れて、実害がなかったこともあり今後関わり合いにならないことを選んだ。何がすごいって、内容はそれぞれ違うけど学園のたった3年間で4回。こんな感じのことをやらかしたのだ。

いじめ疑惑に盗人疑惑。彼女がすでにそういう人という枠の扱いを受けているので真に受ける人はいない。いないが故に大トラブルにならず、彼女にとっては良かったかもしれないが俺にとっては。

こんなトラブルメーカーとの縁をズバッと切るほどの瑕疵にならず困っていたのだ。


その頃から悪友たちにたびたび


「オマエもそろそろ婚約考え直した方がいいんじゃない?」


などと揶揄うように言われるようになったが。

オレだって縁切りたいんだよおー!!と声を大にして言いたかった。


それが!やっと叶うこのチャンスを!


逃してたまるものかぁー!!


「エステルさんの周りには5人ほどいました。みんな彼女に騙されて…!」


「…自分が被害者みたいな言い方やめてくれないか。君は被害者じゃないよ、立派な加害者だ。騙されたっていうけど、ほんの5人ほどじゃないか。」


「だ、だって学園ではみんなエステルさんの周りに集まって彼女の不幸話を聞いていたんです。」


「そのみんながどれだけの人数かは分からないけど、騙されてあんなところであんな愚行をやらかしたのは5人だった、ってわけだね。」

はぁ、とあからさまなため息をついてから続ける。


「君には何度も言ったけど、情報の精度ってのはとても大事なんだよ。片方の言い分だけ聞いて都合よく理解するなんてのは頭の足りない人間のすることだ。その5人以外はエステルとやらの話を精査するためにそばにいたけど、情報を正しく精査できたからあの場には居なかったんだよ。」


「まあまあそんなに責めなくても良いじゃないか、テニルア君。娘だって悪気があったわけでは」


「ないから問題なんですよ!何度言ったら分かるんですか!」

ふう。熱くなってしまった。ゴールはもうすぐなんだから焦ってはダメだ。

「まあいいです。今までは男爵の言い分ももっとも、などと言っていた父も流石に私の言い分を聞き入れてくれましたから。ここから先は当主より申し入れを行いますのでご承知おき下さい。」


「な、伯爵様が認めていると⁈そんな、ちょっと周りに合わせてヤジを飛ばした程度のことで⁈」


「貴方たち親子の認識の甘さにびっくりします。」


もうどうでもいいですが、と呟いてから続ける。


「私は貴方の娘さんがバカなことをやらかす度に後始末を付けさせられていました。3回目の後始末の最中にはもう婚約解消を視野に入れていたんです。ただ父が、解消に持っていくには少し物足りないということで進めあぐねていただけです。」


さらに意思の固いところを見せつける!


「今回に関しては、私がフォローをする以前の問題です。あんな1番目立つところで侯爵家の跡取り娘に暴言を吐いたんですよ。気が付かれたか分かりませんが、あの日侯爵家の手の方達が方々に散らばって何やらメモをしていました。」


「おそらく、今回の件でどの家門の人間が何をしたかを詳細に書き付けています。そう、貴方の娘さんが何を言い、何をしたかも全てです。」


「おそらく侯爵家から貴方がたに直接何かがなされる事はないでしょう。…あなた方など取るに足らない男爵家ですからね。でも我が家は違う。貴方の娘さんを我が家の一員にすれば侯爵家や関連する家門との事業に影響が出るのは必至です。」


「ですので、父から解消の話がありましたら素直にお認め下さい。それが一時でも婚約者であった私からの最後の忠告です。」


「そんな無責任です!私、もう学園を卒業するような歳なんですよ!今婚約が無くなったらどうすればいいんですか!」


「男爵、今娘さんを黙らせないなら解消ではなく破棄として然るべき機関に報告することになります。それでも認めないなら裁判をしてでも。男爵ならお分かりですよね?裁判をするという意味が。」


そう。裁判になれば係争内容が表に出てしまう。今まで起こしたトラブルについて申し立てれば負けるだけでは済まない。全て文書化されて誰でも読めるようになってしまうのだ。

ここで粘って裁判沙汰になれば場合によっては多少金をふんだくることはできるかもしれない。

けど、婚約の解消は必ず認められてしまう。そうなると次の婚約者を見つけることになるのだが。

裁判記録が残れば貴族へ嫁ぐことはほぼ無理になるだろう。なんせ一番面倒なタイプのトラベルメーカーなんだから。婚約前の調査でバレてご破算になる可能性が高くなる。



「脅迫ですか⁈私だってエステルさんに騙されてこんな目に遭ってるのに!婚約者からもこんな目に遭わされるなんて!」


この状況でもなお自分の非を認めないリチル。だがさすがに男爵は理解したようだ。ここで粘るより、さっさと次の嫁入り先を探そうと切り替えるのが得策だろう。


「すまなかった、テニルア君。解消手続きは君のお父上のスケジュールに合わせるよ。だからどうか解消で済むように取り計って貰えないだろうか。」


「おとうさまっ!そんなの私は認めません!たかだかあのくらいのことで!」


パシン。


「いい加減にしなさい。今まで有耶無耶にしながらも婚約を続けてくださったことに感謝するんだ。」


流石のリチルも黙ってくれた。と、同時に父がやってきた。


「テニルア。話はまとまったか?」


「はい、父上。男爵とは解消手続きを行うことで合意しました。」


「男爵、君との縁を繋ぎたくて無理をさせてしまったのかもしれないね。本当にすまない。

リチル嬢も悪いことをした。もっと早い段階でテニルアの進言を聞いて解消しておくんだったよ。こうなる前なら縁談もまだ選べる幅があっただろうに」



父がリチルと向き合う。


「リチル嬢、我が家との縁は申し訳ないが未来永劫無くなった。だから男爵が婚約解消を受け入れてくれてよかったよ。どうしても納得いかないのなら裁判になっただろうからね。」


父が諭すように告げる。


「裁判になったならば、どう転んでも君のためにはならなかった。最悪の場合、エステルの侯爵家簒奪の幇助と見做されていたかもしれないからね。」


リチルの顔色が青を通り越して白くなってしまった。


「君が言葉の全容を捉えずに無責任な発言をする事は少々気になっていた。だが、学園を卒業する頃までには慎むようになるだろうと思っていたのだがね。最後にこんな大きな爆弾があったとは。もう若気の至りで済ませられる規模では無くなったのだよ。」



こうして私の婚約解消劇は幕を閉じたのであった。



※※※※※※※



「それがなんでこんなことに…」


無事婚約を解消し、晴々した気持ちで過ごせたこの数日。

今の私は困惑、困惑、困惑に次ぐ困惑である。


目の前にいらっしゃるのはクリスティーネ様。


「婚約者のいなくなった私に良いお話、ですか。」


嫌な予感がしつつも、次期侯爵からの呼び出しは断れない。そもそも婚約が無くなった人間への良いお話なんて、これしかないだろう。


「あーあの、大変嬉しいお申し出ではございますが、私は嫡男でして婿入りは難しいかと。大変申し訳ございません。」


「まあ!縁談の申し込みをする前に振られてしまうなんて!」


ほほほ、と笑うクリスティーネ様は確かにお綺麗だ。だがあんな豪傑とは婿入りも嫁入りもごめんだ!気が休まらないよ。全力で避けるに限る。


「申し訳ないけど貴方と結婚はして差し上げられないの、ごめんなさいね。」


「へ?違うんですか?てっきりそんな話だとばかり」


「君は僕と戦うつもりかい?」


第二王子殿下??えええ!


「そう。僕が婿に入るんだ。もう誰にも横入りさせる気はないからね。そのつもりなんだったら覚悟を決めてくれよ。」


「いえっ、滅相もない!どうやってお断りするかと悩んでいた次第で。」


「申し込んでもいないのに、振られましたのよわたくし。」


今の自分の顔色を想像するのさえ恐ろしい。やらかしてしまったか…?


「クリスティーネ、揶揄うのはそのくらいにしてあげなよ。彼真っ青というか真っ白というか、生きてる人間の色じゃなくなってるよ」


「まあ、ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったんだけど。早く顔色を戻してもらうために率直に言うわね。今日は仕事のオファーだったのよ」


「仕事のオファーですか?」


「そうなの。先日のあの騒動の時、我が家的にはチャンスでもあってね。その場にいた者がどういう対応をするのか観察していたのよ。」


げっ、やっぱりそうだったのか。やはり彼女のことは即切っておいて正解だったな。


「その中でも貴方の反応は素晴らしかったわ。特に今回の話をご存じだったわけでもなさそうだったのに、しかも婚約者さんはエステルのそばに侍っていたでしょう?そんな状況でいち早く状況を把握して、婚約者さんを切り捨てる手段を確保していたから。まあ婚約者さんの切り捨ては以前から画策していてやっと叶ったというところでしょうけど。それでもこの機を逃さない、という瞬時の判断は素晴らしかったわ。」


あの時、証人にできそうな人まで見繕ってたでしょ?と笑いながら言われてゾッとした。

あんな大トラブルの当事者でいて尚且つこれだけ的確に見極めているとは。


「そこまでご覧になられていたとは存じませんでした。今回の件はその…当事者の前で言いにくいのですが、婚約解消への願ってもないチャンスでしたので。彼女の発言を裏打ちしてくれる、爵位的にも上位の目撃者を逃してたまるものか、と気合を入れて探しておりました。」


「そしてその目論見は成功したということね。あの婚約者さんじゃ、結婚してからも足を引っ張られるのがありありと想像できますからね。ここはおめでとう、で良いかしら。」


と、まあこんな感じでクリスティーネ様と仕事をすることになったのだ。

役割としては


「んーちょっと聞きなれない言葉だと思うけど、広報的な部分を担って欲しいの。広報というか秘書というか。執事とも違うのよねぇ。んー実務的なことではなく、侯爵家のイメージ戦略っていうのかしら?状況を見極めて適切に情報管理してくれる人を探していたのよ。」


広報?秘書?イメージ戦略?ものすごく馴染みのある単語ばっかりだけど。だけどさ。この世界ではあんまり聞かない言葉だよな。


あれ。もしかしてクリスティーネ様は…


いや、知らない方がいいことだってあるさ。


そしてオレは何も知らない顔でオファーに乗ったのだった。


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