第五話 始まりのゴング
※【全はちゃ!!】本家様制作関係者のみ閲覧可
※ 未登場人物などネタバレ有り
関係者以外はお帰りくださいませご主人様
【全はちゃ!!】関係者の皆様へ
元作品作者と違い、キャラ設定の詳細把握ができておりませぬので、多数キャラ崩壊がございます!
あくまで雑コラとでも思ってご覧くださいまし!
ではではではではではではレッツゴー!
「多分、さほろと同じで俺らも初めは知らない寝室で起きたよ…みんなが1番大きい部屋に集まるとレコードが流れ出して………」
筍が語るその間、誰も声をあげることはできなかった…
【筍視点】
『それじゃあルールは分かったね?じゃあ1日目を始めるよ!
あ、会議と夜の時間以外は自由にしていいからね!バイバーイ!!!』
ゲーマスの声が部屋に響く
レコードが動きを止めた
「取り敢えず部屋に戻って役職確認しよう、全員寝室行って」
裕介がテキパキと指示をする
いきなりの出来事にまだ頭の整理が追いつかないが、
漫画やアニメで何度も観てきたシチュエーションだ
何をすれば良いのか、自然と分かる気がする
筍は真っ先に席を立ち、寝室への歩みを早めた
部屋に帰ると机の上に封筒が置いてある
これが例の役職を伝える方法なのだろう
迷わず封筒を破り中の紙を見る
"人狼"
なんとなく予想はついてた
多分だけどこの役職の割り振りはゲーマスの意思が絡んでる
きっと俺に"大切なもの"があることに気づいているからだろう
俺は人狼として生き残る
そのためにまず邪魔なのは…裕介《進行役》
筍は燃え始めた封筒を暖炉に投げ捨て部屋を後にした…
会議の広間に戻ると、既に久志と璃玖、恭弥が席について駄弁っていた
「あ、筍…好きなとこ座りな!こちらは自由席グリーン車です」
こちらに気付いた久志が声をかけてくる
やけに緊張感のない語り口だ
今から誰かが死ぬかもってのに…能天気だな
軽い話し方を心の中でひっそり嘲笑しながらも言われた通り恭弥の隣に座る
軽口を叩いていても頰が引き攣っているのは丸わかりなのだ
無様だな
家メンにそこまでの思い入れはない…俺が大事にするのはただ一つ…
「ねぇ、筍は何の役職だったの?」
席についた途端恭弥が話しかけてきた
村人からするとそういうのはみんなが揃ってからやったほうがいいとは思うけど…
事前に情報を伝えて先入観を与えたほうが騙しやすい、人狼である俺からすれば願ってもない限り
「この状況で役職COするわけないだろw」
語尾を震わせて笑みを浮かべる
感じ良く…人を刺激しない空気を出す
「そりゃそうかwじゃあ村人ってことだね」
「そゆことそゆこと」
本心はひた隠して、優しさを、暖かさを…
いつも会話で意識していることだ
隣に座る恭弥を見ると、やはり顔に緊張感がなくなっていく
この人生で磨いた技術だ
世渡り以外で役に立つなんてね…
「そういえば前の2人の役職はもう聞いたの?」
「いやまだ」
「何で俺だけ聞かれたん!?」
「あ、一応ボクは村人だよ」
さっきまで久志と2人で話していた璃玖が振り返って答えた
「俺も同じく村人」
久志も振り向きながら答える
「やっぱここで役職COする奴なんておらんやん」
「いや、これはガチで聞いてるんじゃなくて反応見るためで………」
「恭弥…潔く"僕が間違ってました"って認めような?」
「なっ…ちがっ」
煽りスイッチの入った久志がニヤッとして追撃を放つ
「あれあれ〜、恭弥くん顔真っ赤じゃないですかぁ?」
「うるさい!…もういい」
恭弥四方から煽られ拗ねてしまったようだ
ぷいっと顔を後ろに向けて席を立ち扉に手をかける
ガチャっ
「あれ、どこ行くの?」
開いた扉の向こうから裕介の声がする
今回の俺のターゲット
椅子に座ったままクルッと振り返ると、古都優を引き連れた裕介が机に向かってきていた
「全員揃ったみたいだね…」
入ってきてすぐに状況を取りまとめ出す裕介
裕介が真面目なトーンで話し出した途端に、今までおちゃらけていたメンツの目の色が変わる
「まだ会議までは時間あるけど先に話をまとめておこうか」
その裕介の一言がゲーム開始の合図
疑念の入り混じる話し合いが始まった
【璃玖視点】
…数分前
「…嘘だっ…」
今朝目覚めた寝室で璃玖は一人立ち尽くしていた
その原因は見て分かる通り手に握った封筒である
「ボクが……狂人…⁇」
ショックで脳がうまく回らない
いつのまにか手の中の封筒が火の粉をあげていて慌てて投げ捨てる
何度見ても燃えていく紙に書かれた文字は変わらない
燃えカスすらも忌まわしいものに思えてきて部屋の隅によせてみるも、
埃一つない寝室ではそれすらも目を惹きつけてくる
「家メンを裏切るなんてできない…」
頭の中で考えがぐるぐると回り続けおかしくなってしまいそうだ
ボクは昔からプレッシャーに弱かった…
人前で話そうとすると上手に言葉が出ない
全責任が自分にあると言う状況に胃が痛くなる
自分で決定することがどうしようもなく怖い
そんなボクに、この役職は重すぎるんだ…
決められない
自分のことなのに決心できない
誰か…誰かボクの代わりに…
そんなことを思いながら焦る気持ちを抑えみんながいるであろう大広間へと向かう
あぁ…扉を開けるのが怖い
みんなと話すことすら怖い
目を見ることが怖い
手をドアノブにかけるも一向に力が入らない
震え続ける左手はまださっきの封筒の重さを覚えている
鼻の奥がツーンとしてきてドアノブから手を離そうとしたその時だった
「あれ、璃玖…?」
後ろからよく見知った声が聞こえてくる
「なんだ久志かぁ…びっくりしたw」
思いの外誰かと話そうとするとうまく取り繕えるものである
いつも通りの声のトーン、笑顔で話せてるはず
だがどうしても、久志の顔をまっすぐ見ることはできなかった
「久志も役職見終わったの?」
「ま、そんなとこだね」
安心する声に左手の震えもおさまってきた
沈黙に焦りが先行し質問を投げかける
「何の役職だったの??」
「え〜、それ聞いちゃう??」
慌てるのはやっぱりよくない、自分が心配なことが不意に出てしまうからだ
言ってから気付くもどうしようもない
「残念ながら無職だよ、ただのニート」
続けて答えた久志の言葉にまた頭が重くなる
市民…ってことはボクの敵に当たるわけだ…
久志を裏切る…そんなことできない
聞き返されたら素直にCOしよう
そして家のために死ぬ、それがボクの役目だ
覚悟は決まった気がする
ようやく、まっすぐ顔を見れる
って…あれ?
何故か目が合わない
ボクは久志の方をまっすぐ向いているのに
久志が…目を逸らしてる?
人は嘘をつく時左を見る性質があるとどこかで聞いたことがある
それを踏まえると久志の言ったことは嘘だ
一度湧き出た疑惑は止まることを知らず、一度した決心までもを揺るがす
もしかしたら、もしかしたら久志が
"狼"かもしれないのだ
「こんな廊下でずっと話すのも何だし、中入ろっか?」
久志の提案で思考の波から戻ってくる
「そうだね…」
そう呟いて璃玖は扉を開けた
【登場人物一覧】
筍(人狼)=○
璃玖(狂人)=○
裕介=○
恭弥=○
優=○
古都花=○
久志=○