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第三話 夕焼けと、朝焼け

※【全はちゃ!!】本家様制作関係者のみ閲覧可

※ 未登場人物などネタバレ有り

関係者以外はお帰りくださいませご主人様


【全はちゃ!!】関係者の皆様へ

元作品作者と違い、キャラ設定の詳細把握ができておりませぬので、多数キャラ崩壊がございます!

あくまで雑コラとでも思ってご覧くださいまし!


ではではではではではではレッツゴー!

全員が真慈の周りを取り囲んで泣いている時…

透花だけは少し離れたところで立っていた


「透花もおいで、もう…これで最後だからさ」


声をかけると透花も近づいてくる

しかし触れる距離までは入ってこようとしない


少し離れた位置のまま、透花も話し出した…


「真慈…COしてくれて助かったよ。でもまだ私はこの輪に入れないや」


様子がおかしい

普段なら真っ先に飛び込む筈なのに…


「透花…どういうこと??」


嫌な予感が頭をよぎって疑問が口をつく


「ははっ…やっぱ透花か」


「流石お兄ちゃん、よく分かったね」


透花が……

信じたくない、信じたくないけど、そんな…


「もう分かったよね、私が今回の人狼だよ!!!」


いつもと同じ、満面の笑みで透花が言った…




その笑みで思い出したのは、日常の思い出…


「さほろ!!!」


私を見ると走ってきて、毎回腹に頭突きしてきた


筍や優さんの地雷を踏んでは、楽しそうに逃げ回ってたっけ


唐辛子入りのクッキーに悶えてたり…


八海と毛虫運んでたり…



そしていつも…


いつも私に「大好き」って言って抱きついてきた


涙が止まらない…止められない…



COし終えた透花がさほろに飛びつく


「さほろ…今までありがと!!!!!!!!」







しばらく泣き続けて、全員の涙が枯れたころ…

窓から見える太陽は、もう半分ほど地平線に埋もれていた


沈みかけの太陽を背に透花が黙々と進行する


「今回って騎士の人いる?」


「私が騎士なのです」


「今夜は私さほろを選ぶから、しっかり守ってあげてね」


「了解」


「占い師はいる?」


「あ、私が占い…」


「じゃあ愁ちゃんは念の為私のこと占っておいて」


「…分かった」


今夜の流れは大体のことが決まったようだ…


「それじゃあ…おやすみ」


会議終了の一言と共に全員が席を立って部屋に戻る


その足取りはやはり重く、部屋に戻るまで誰一人として声を上げなかった…



最後までさほろは会議室に残っていたのだが…廊下に出ると、自分の部屋に入ろうとしている真慈が目に入った


「あ、真慈…」


「さほろ…」


暫くお互い、何も言わずに硬直する

最初に話し出したのはさほろだった


「真慈さ、さっき狂人COしたじゃん…」


「そうだね…」


「あれ、本心じゃないでしょ」


「え?」


驚いたように口をぽかんと開ける真慈に畳み掛ける


「真慈、家メンのために犠牲になる…とか、家メンが死ぬなら死ぬ…とか、そこまで思い入れ強くなかった気がして…」


「やっぱ分かるんだ、さほろ」


予想は当たっていた

これまで一緒に過ごしてきて、真慈の性格はよく知っているつもりだ


だが今回に関してはわからないことが一つだけある


「じゃあ……なんでCOなんてしたの?」


「そりゃあさ、目の前で泣いてる子がいて、助けないなんてできないじゃん」


「真慈…」


「ね?どうにかするって言ったでしょ?」


枯れたはずの涙が何度でも湧きだす…

震えでまた動けなくなる前に部屋の戸に手をかける


「ありがと……真慈…」


「どういたしまして」


「それじゃ、おやすみ……」


「また明日」





涙を拭って部屋に入るとベッドの端に腰掛けていた未紀がパッと立ち上がった


「ゲーマスの指示で騎士として守りに来たのです!!今日は一晩寝ずの番をしますよ!!」


どうやら今夜は未紀がさほろの部屋に泊まるようだ


「ありがとね、未紀」


未紀にそう言ってベッドに向かう…

がしかしベッドに辿り着く前に意識が飛びかける


そうか、夜だから…


薄れゆく意識の中で未紀が受け止めて抱き起こしてくれたのが見えた











目を覚ますと知らない天井…ではなく、昨日と同じ寝室の天井が目に映った


「あ!さほろ起きたのです??」


未紀がベッドの横の椅子に座っていたようでさほろに声をかける


無事朝を迎えられたと言うことは、未紀が守ってくれたのだろう


「おはよ、ありがと未紀」


ふと未紀の右手を見ると何故か血の滲んだ包帯が巻かれていた…


「未紀、その右手どうしたの!?」


「実は、昨晩小型犬みたいなのが部屋に入り込んできて…」


あぁ…多分それ透花だ

人狼になってもちっちゃ……


「静かに追い出そうと思ったらいきなりさほろに飛びかかったから思いっきり殴ったら逃げてったんだよね…

その時犬の歯で怪我しちゃって」


破壊神だ…


「ほんとありがとね!未紀のおかげで私生きてるよ」


「どういたしましてなのです!!」


時計を見るともう九時前で、会議の始まる時間が迫っていた


「未紀、もう会議始まるから行こう!」


「了解です!」










『それではー!1日目!!!おめでたいことに死者は無し!!!!!!と言うことで会議を始める!!!』


1日ぶりのスピーカーの声

レコードから機械音声が流れ出す違和感にももう慣れた


「話し合いの必要はない、全員私に票入れて」


透花の言葉に全員が頷く


「ゲームマスター、話し合いは終わった。もう投票できるよ」


『随分と早かったね、実に美しい友情だ!!!

それじゃあ決を取ろうか!!!!

人狼だと思う人を指さして!!!!!』


全員が透花を指差す

透花も自分を指差した


『満場一致だね!じゃあ結果発表といこうか!!!!』


「さほろ…最後に一言いい?」


透花がさほろに近づいてきた…

そして耳元に顔を寄せて呟く


「さほろ、私ね………」


その瞬間のことだった


『市民陣営の勝利ー!!!!!!ドンドンパフパフー!!!!!!!』


ゲームマスターが結果を発表する声と同時に透花、真慈の頭が弾け飛んだ


「キャーーーーーーーーーーーーッ」


隣の席でいきなり頭が弾けた未紀が悲鳴を上げた


真慈はそのまま椅子から地面に崩れ落ち、真っ赤な血溜まりを絨毯に広げていく


力の抜けた透花の体がさほろに倒れかかってきた


「おいゲーマス空気読めよ!?」


くぐもった陽史の叫びが鼓膜を震わす


顔の真横で弾けたからか、血やよくわからないものが顔にべっとりと付いていて…


「あ…ぁ…うぁあああああ!!!!!!!」


最後の…最後の言葉だったのに…


ゲームマスターへの恨みが募っていく…

頭が熱い、燃えているみたいだ


「絶対、絶対殺してやる!!!!!私の親友を侮辱するなんて…

死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ!!!!!」


『…あれ、何か間違ってた?まあいっか!さ!ドアの鍵開けたから次の部屋行ってねー!』


一方的にまたスピーカーが切れる


確かに言った通り会議室にある扉が開いていた

でもさほろはそちらには行かず、元いた寝室の廊下に戻る


「ごめんみんな、ちょっと一人にさせて」


そう呟いて廊下の戸を閉めた





暫く廊下で突っ立ってから、透花の部屋へ向かう


まだ朝起きた時のまま、布団はぐちゃぐちゃ、血のついたネグリジェは脱ぎっぱなし置きっ放しで透花の性格が現れてる


布団に顔を埋めると、ほんのり透花の匂いが残っていて、胸が苦しくなった


ふと目を開けると、足元に紙切れが落ちている


燃えた跡があるのを見ると封筒のかけらだろうか…


なんの気の無しに裏返してみると、



「っ!?」



涙が溢れ落ちる…

ちゃんと最後の言葉、残してあるじゃん…












-大好きだよ-

【登場人物一覧】

さほろ=○  未紀=○

透花=×   陽史=○

真慈=×   愁人=○

新村=○   渉=○

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