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第二話 CO

※【全はちゃ!!】本家様制作関係者のみ閲覧可

※ 未登場人物などネタバレ有り

関係者以外はお帰りくださいませご主人様


【全はちゃ!!】関係者の皆様へ

元作品作者と違い、キャラ設定の詳細把握ができておりませぬので、多数キャラ崩壊がございます!

あくまで雑コラとでも思ってご覧くださいまし!


ではではではではではではレッツゴー!

『楽しい楽しい人狼ゲームの始まりー!!!!!』


スピーカーから流れる声がデスゲームの幕開けを告げる


初めは陽気で明るく聞こえていた声も、今は不気味でしかない


『それではルール説明から始めようk...「いや、みんな人狼ならやったことあるから」


『口を挟まないでもらいたいね…じゃあデスゲームとしてのルールを説明するよ』


ゲームマスターがつらつらと喋った内容を端的にまとめると


負けたチームは死ぬ


以上だ


つまりは連帯責任、負ければ最後まで生き残っていたとしても死ぬ


そしてその逆も起こりうるそうだ


勝てば勝ったチームは全員生き返る


自分だけのゲームではなくチーム戦なのだ

自分の選択が他の誰かの命に関わってくる


そして人狼陣営か市民陣営、どちらかは必ずワンゲームで死を迎えることになる


『ね?戦うしかないでしょ?だって味方の命がかかってるんだもん!!!!』


ゲームマスターが楽しそうにそう言った


自分の役職は部屋に置いてあるカードで見れるそうだ

見た後カードは自動で燃え消去されるらしい


人狼になった人は昼のうちに殺す人を決めなくてはならない

決めたらルールに則って夜その人を殺しにいくのだとか…


昼の間に殺す人を決めなかった場合はランダムで誰かを殺す羽目になるので殺さないと言う選択肢もないようだ


…ほんと悪趣味なゲーマスだな


『それじゃあルールは分かったね?じゃあ1日目を始めるよ!

あ、会議と夜の時間以外は自由にしていいからね!バイバーイ!!!』


レコードの回転が遅くなっていく

完全に動きが止まった時、やっと重圧が解け動けるようになった


「…これ、やばくね???」


最初に真慈が声を発した


さっきまでポケ○に全集中していたのに今は目もくれていない


「多分ガチだと思う、俺今回全力で動こうとしてたのに動けなかったし…」


「ガチ人外でも動けないのか」


「あ〝ぁ?」


「アッ、すいません」


いつもなら笑えるコントも全く空気を和ませられないレベルだ


「取り敢えず全員部屋に戻って役職確認しません?」


愁人がそう提案した


「見終わったらまたこの部屋に集まればいいと思うのです!」


「まだ昼だから夜までに話す時間はあるしね」


未紀と陽史も愁人の提案に乗り気のようだ

さほろも勿論賛成である


「それじゃ部屋に戻ろうか」


そう言って席を立った


部屋に戻ると、確かに起きた時にはなかった封筒が置いてあった


蝋で封がされており…あ、これダ○ソーで売ってるシーリングスタンプや


まあ…見た目は高級感が溢れている


封を開けて中の紙を見た








ホッと一息つく


まだ選択を迫られるような役職じゃない…

封筒をぎゅっと握りしめる


「って熱っ!!!!!!!!」


握りしめた封筒が何もしていないのに手の中で燃え始めていたのだ


パッと手を離すと、封筒は床に落ちる前に燃え尽き灰になって積もった


ほんとに、ゲームマスターの言った通りになるんだ…


こんなの否が応でも非現実的なこの状況を信じざるを得ない



家メンが死ぬ



きっとそれも本当なのだろう…


恐怖が襲いかかって来る

怖い、大事な親友と離れ離れになるのが怖くて仕方ない…


恐怖が皮膚の下を這って心臓の鼓動を早める

瞼と目の間からじわじわと涙が滲み出てきて視界がぼやけていく


みんなと一緒にいる時は隠していられたけれど、やっぱり怖い


震える足は体を支えるに足りず崩れ落ちる


声を押し殺して震えながら泣いていた時…


コンコン


ノック音がさほろの部屋に響いた


「さ、さほろ?なにか音聞こえたけど大丈夫?入るよ?」


心配そうな声音でさほろに声をかけるのは隣の部屋の真慈

きっとさっき崩れ落ちた時の音が聞こえたのだろう


大丈夫!!


そう明るく言おうとするも嗚咽と震えで声が出ない


「さほろ?返事がないけど大丈夫?入るよ?」


ドアを開けた真慈が目を丸くする


そりゃどんな時でも笑顔で明るくしてきたんだからこんな情けない姿見たら驚くよな


涙だけでも隠さなきゃ


心配はさせたくない


「どうしたのさほろ!?何かあったの?どこか痛い?」


慌てた真慈がさほろに駆け寄ってくる


目線をキョロキョロさせながらも側に寄り添ってなんとか宥めようとする真慈に少し安心した


「…ごめん、変なとこ見せて」


「それはなんとも思ってないから、何かあったの?怪我とかしてない?」


「大丈夫、ただ……怖くなっちゃって」


安心感につい溢れ出した本音

虚勢を張る余裕もないってか、情けないな…


さほろの言葉に真慈がピクっと反応する


「大丈夫だから、俺がなんとかするから……多分」


「多分ってなんだよぉ…」


真慈なりの気遣いなのだろうか

少し気持ちが晴れた気がする


「ごめんね、ありがと」


いつのまにか涙は止まっていた


まだ目の縁が濡れているけれど気分は落ち着いたと思う


「みんなのとこに戻ろう」


真慈にそう声をかけてさほろは立ち上がった





さっきの部屋に戻るともうほとんどのメンツが揃っている


「お、二人とも遅かったな」


「まだ来てないのは陽史と透花だけなのです」


先に着いていたであろう新村と未紀が声をかけてくる


二人とも普段通りのトーンで話してくれているが、未紀は目の周りの化粧が変わっていて、涙で崩れた分の化粧直しをしたんだとわかる


みんな、やっぱ怖いんだな


自分だけじゃない、そのことに安心した


テーブルの奥では愁人と渉が黙々と○ケカに勤しんでいる


こんな状況で遊べる精神には驚くが、人生最後だと思えば好きなことをやるのもいいんじゃないかと思う


「ごめん遅くなった!!」


さほろの後ろでパッと戸が開き陽史が入ってきた


「いやあ、封蝋ってなかなか取れないもんだね…苦戦しちゃったw」


「え、あれ封筒の裏から剥いて開けたんだけど」


「まさかのパック剥き方式」


「流石に無理がありすぎる」


「この廃人め」


ポ○廃どものテンポ良い会話に場の空気が和む


さほろもさっきより落ち着いてきていた


家メンと一緒だと、少し気が楽になった気がする



陽史が戻ってきて五分もしないうちに透花も戻ってきた


「うわ、もうみんないるじゃん!!いやあ、ハサミ探してたら封筒無くしちゃって…でもちゃんと見つけたよ!!」


透花もいつも通りの様子で喋り始める

明るい空気がさほろの心を洗い流していく気がした


「じゃあ全員揃ったし、一夜目が始まる前に少し話そっか」


珍しく真慈が進行役を務めるようだ

さっき言ってくれたように、"なんとかする"つもりなのだろうか


どちらにせよ理性的に進行してくれるのは助かる、今の状態じゃ私は恐怖に耐えながら話を進めるのが厳しい


「まず前提として人狼が名乗り出てくれたとしたら、1番犠牲者が少ない状況でこのゲームを終わらせられる。そこは良いよね?」


真慈の言葉に全員が頷く

このパターンなら人狼だけの犠牲で済むのは正しいことだからだ


みんなの反応を見て真慈は続けた


「ここで問題になってくるのは狂人の生死なんだよ」


「どう言うこと?」


「ゲーマスはルール説明で"チーム""連帯責任"って言ってたじゃん?

ってことは最低でも人狼陣営は二人いることになるんだよ」


「そういうことか!なら人狼×2もしくは人狼+狂人のチームになるわけだ」


「真慈なんか冴えてんじゃん!」


真慈の説明は確かに道理にかなっている

さほろもその意見には同意だ

ただ一つ、不可解な言動が頭にこびりつく


「でもなんで真慈は"狂人"の生死って断定して…」


さほろの呟きに真慈が呼応した


「そう、俺が話したかったのはそのことなんだよね」




一瞬、真慈の顔が曇った気がした





「実は…俺が狂人なんだ」


「「「!!!???」」」


「真慈って、ルール知ってるよね??なんで今…」


「…俺がいると人狼がCOする時に困ると思ってさ」


「確かに、死にたくない奴道連れにしてまで人狼COする覚悟はないよな…」


「お、珍しく新村が人間に共感してる」


「あ〝ぁ?」


「ふふっ…このやりとりも最後かな」


「真慈…お前、そんなこと言うなよ……なんかさ、心臓が苦しくなるから」


「新村…」


新村が真慈を強く抱擁する

痛いからもうちょっと優しk…と言う真慈の声は少し鼻声のようだった


「真慈……COしてくれてありがと」


陽史も真慈に向かって話し出す


「真慈の犠牲、俺絶対忘れないから」


新村と一緒に真慈を抱きしめた陽史の頬も濡れていた


「まひろぉおおおお…ゔぇえええええ」


化粧が崩れるのも気にせず泣き喚く未紀は真慈に言葉を残す余裕もなさそうで…

大粒の涙をボロボロこぼしながらもへたりこんでしまった


「真慈…お前とポ○カできて案外楽しかったよ…」


普段はあまり真面目なことを話さなそうな渉も、真慈に言葉をかけ始めた


「最後に一戦…したかったなぁ」


そして真慈の父親(義)の愁人も真慈に語り出す


「私らのために…ごめんね真慈…お前の分も生きるからな!!」


その身長を生かしてみんなを包み込むように抱擁の輪に入る愁人


もう真慈が埋もれて何が何だかわからない状態だ



「ごめん、ちょっと開けてくれないかな…」


さほろの一言で道が開ける


「真慈…」


「さほろ…」


「もしかして真慈がCOしたのって…どうにかするって私に言ったから?」


「まあ…それもあるね」


「うぁ…あ…ごめん……ごめんね背負い込ませて…」


涙が溢れ出してくる

嗚咽で言葉が全く出てこない


なんとかするって…こんなことだとは思わなかったよ…


「あんま泣かないで、明日目腫れるぞ?」


泣き笑いを浮かべながら笑う真慈に飛びつく


人生で初めてなんじゃないかっていうくらいに泣き喚くさほろの背を、真慈がぽんぽんと叩いていた…

【登場人物一覧】

さほろ=○  未紀=○

透花=○   陽史=○

真慈=○   愁人=○

新村=○   渉=○


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― 新着の感想 ―
1話から2話でゲーマスと家メンとの立場が逆転するのめっちゃ好き。それに伴って今までバカ騒ぎしてた家メンが一気に真面目モードになるのもめっちゃ好き。 あと、真慈がイケメンすぎて惚れそうになった、、真慈の…
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