第六話 神襲来
「それで私の名前言っていませんでしたね。
私の名前はハープル・プライド。
みんなからは、はーちゃんって呼ばれていますよ」
女の子はハープルと名乗る。
「そう?でも僕はハープルって呼ぶよ。
ハープルはこの街の代表、だからはーちゃんとは呼べないよ」
僕はそう答える。
「そうですか、でもはーちゃんって呼ぶ方が楽ですけどね。
それで洋平さん達はどうしてこちらに?もしかして出店を見に来たとか?」
ハープルは僕たちに聞いてくる。
「いや出店は今知った、ここに来たのはパーティメンバーを増やしたいからここに来たんだよ。
ギルドは奥にあるでしょ?」
僕はハープルに来た理由を言う。
「なるほど、パーティメンバーですか。
確かにブラック街はパーティメンバーを雇うにはとてもいい場所なのですかそのなんというか・・・・今は一人しか居ないのですよ」
ハープルは言う。
「どうして?」
僕はハープルに尋ねる。
「洋平さん達も知っておられるでしょうが神様が街や村を破壊している情報を聞いてそれで冒険者になろうとする人がガクッと減ったんです。
しかも、これが私の家に送られてきて」
ハープルは一つの手紙を見せる。
中にはこう書かれていた。
神共を連れ、アレス大陸の村や街を破壊する。
そうすればヤツも神相手だとやられる。
そこを始末する、まぁ生き残ったお嬢ちゃん・・・・貴方は今夜殺す事にしよう。
今夜!?これは勇人さんが?
「あの、勇人さんは私を殺しにくるのでしょうか?
私は怖くて不安なのです、神様を連れてブラック街を破壊したら私達の居場所は無くなってしまいます。
洋平さん・・・助けて」
ハープルが言う。
「ハープル、大丈夫。
僕が必ず倒してみせるから、それで一人しか居ない冒険者は?
ギルドにいるの?」
僕はハープルに聞く。
「あ〜その方ならあそこに」
ハープルが指差す方には酒を飲んでいる男が。
金髪の軽装な防具。
「ねぇ洋平、私、あの人と仲良くできそうにないわ」
メルが言う。
「まぁ、まずは話してみないと分からないでしょ」
僕達は男の方へと歩く。
「彼はジャック・プレソンさんです」
ハープルが言う。
「分かった、・・・・ジャックさんですよね」
僕は酒を飲むジャックさんに声をかける。
「あ〜?お前誰だ?」
こちらを振り向くジャック。
酒の匂いやばっ。
どんだけ飲んだんだ?
「あの、僕たちは貴方をパーティメンバーに雇いたいですけど」
僕はジャックさんに向かって言う。
「あ〜?パーティメンバー?俺が?・・・バカ言えって〜。
俺は弱い雑魚冒険者ですよ〜」
ZZZ。
・・・・。
ジャックさんは眠ってしまった。
「ねぇ私嫌だ。
この人と仲良くなれない」
メルは言う。
「・・・まぁ僕もなんとなく思っていたけど予想通りだ。
ごめんねハープル。
僕達は宿屋で今夜を待つよ、ハープルも宿屋に来てくれる?」
僕はハープルに向かって聞く。
「ええ、分かりました」
僕とメル、ハープルは宿屋へと向かった。
宿屋へとつき部屋に荷物を置き整理する。
必用な武器は用意しておかないと。
そして夜となる。
ほ~・・・ほ~。
フクロウか?鳴いているな。
僕は窓を開け外を見る、綺麗な月夜だ。
「そろそろ街を出よう。
被害を出すわけには行かないし」
僕達は宿屋を出る。
勿論、ハープルも一緒だ。
その頃
酒場入口前
「ねぇ、ジャック!起きてよ」
一人の女の人が眠るジャックを起こす。
「ふわぁ〜あ?何だお前か、て、夜じゃねぇか」
起き上がるジャック。
?!
その時
ザシュ!
「がはぁ!」
バタリ。
・・・・え?
ジャックの妻が血を出し倒れる。
コツコツ。
「あら?女の方に当たったわね。
こんばんわ、酒酔いジャックさん」
声をかけたのは綺麗なピンクロングヘアーの女性。
「お、お前は!!か、神・・・それも炎の神・・・・フレイヤ」
ジャックは尻もちをつく。
「あら〜酒の酔いが治まったのね、ごめんなさいね。
今から街を破壊するわ、あの方の為だから。
貴方も死んでもらうわ、さよならジャックさん」
フレイヤが剣を振りかざす!
カン!!!!
「え?」
それを止めたのはメルだった。
「くっ、だから酒飲む男は嫌いなのよ!フン!」
メルは杖で打ち払う。
「あらあら?貴方の方が来たのね、ということはあっちの方に洋平くんが居るのね」
フレイヤ様は言う。
「そうよ、貴方を倒すのは私よ。
覚悟なさい!」
メルは杖を構える。
「やれるもんならやってみなさい」
く、クソ。
女に守られるとは・・・それよりもユキが・・・。
・・・し、死んでる・・・。
「メガファイア!!!」
「ウォーターバレット!!!」
メルの魔法とフレイヤ様の魔法がぶつかる。
「貴方は離れてなさい!邪魔よ!」
メルはジャックに向かって言う。
?!
「よそ見厳禁!」
くっ!
「ストーム!!!」
「残念ね!ウルトラティクメガファイア!!!」
?!
これが炎の神の力・・・。
「きゃあーー!!!!」
メルが放ったストームはかき消されウルトラティクメガファイアが直撃する。
・・・あ、ああ。
「あれれ?もう瀕死なの?あれくらいでやられるなんて弱いのね貴方は」
フレイヤ様は倒れるメルの頭を踏みつける。
「ぐっ、ウォーt・・がはぁ!!!」
フレイヤが杖をメルの体に突き刺した。
「無駄よ、貴方はこれから死ぬの。
私に見つめられながらね」
フレイヤ様は足でメルの頭を何度も踏みつける。
「がはぁ、あ・・・あ・・・」
く、クソ。
この女がやられている。
だが俺が出た所で何にもならない。
見捨てるしか無いのか。
その時ジャックの頭の中に響く声。
ジャック、貴方は凄いわ。
どんなに強い敵でも立ち向かえるだから、だから貴方も自分が弱いだなんて言わないで。
貴方の事は私がよく分かっているから。
!?
ユキ!?ユキなのか!?
くっ!
「うおー!!!スラッシュ!!!」
ジャックはフレイヤ様に襲い掛かる。
「くっ!なにするのよ!酒酔いジャック!」
フレイヤ様は距離を取る。
「お、おいクソ女。
俺が助けてやる、回復ポーションは飲めるか?」
ジャックがメルに向かって言う。
「あ、は・・・い」
メルは言う。
ジャックはアイテム袋から沢山の回復ポーションをメルの近くに置く。
「こ、今度は俺が相手だフレイヤやろう!」
ジャックは剣を構える。
「腰抜けが!抜かすな!」
フレイヤ様が襲い掛かる。
ひぃ!怖い!だけど!
カン!
剣がフレイヤ様の杖とぶつかる。
「くっ!負けるか!うおー!!」
ジャックは力の限り出し尽くす。
「くっ!打ち払い!!」
?!
「終わりよ!」
しまっ!や、やられる!クソ!
その時!?
どかーん!!!
「いやあ〜!!」
フレイヤ様が吹き飛ぶ。
・・・うっ、な、何が?
「やっぱり僕の目に狂いはないね。
昼ぶりですか?ジャックさん」
それは洋平だった。
「お、お前は昼の時の男」
ジャックは言う。
「!?メルが!クソ!やりやがったな!神やろう!」
僕は魔力を高める。
「ジャックさん!チェインはできますか?」
僕はジャックさんに向かって言う。
「あ、ああ!今やればいいのか?」
「はい!」
「チェイン!!!」
ジャックさんから放たれた鎖はフレイヤ様を拘束する。
「くっ!お前は!ということはあっちの神はまさか!」
フレイヤ様が言う。
「ああ、殺した。
・・・・というのは嘘だ、眠らせている」
僕はフレイヤ様に向かって言う。
「神殺しなんて異名は付きたくないからな。
だけどお前は許さない、メルをここまでしたんだ。
多少強めに行くぞ!メガファイア!!!!」
僕が放ったメガファイアはフレイヤ様に直撃。
「ぎゃあああー!!!!あづいー!!!いやあー!!!」
フレイヤ様が絶叫する。
そして
「あ、ああ」
フレイヤ様はふらりと歩いてくる。
「スラ、やってくれるか?」
僕はカバンからスラを出す。
スライム?何をするんだ?
「悪を吸い取れ!ダークドレイン!!」
僕がスラに向かって言う。
スラはフレイヤ様の頭に乗り顔を包み込む。
「がはぁ!がばっ!」
スラは何やら黒い闇を吸い取っている。
い、一体何を?