第五話 ブラック街の代表
さてと、勇人さんを追いたいけど無闇に追いかけた所でやられるだけ。
それに僕とメルだけでは心細い・・・仲間を雇いたいが。
「メル、パーティの仲間を雇いたい時ってどうしたらいいの?」
僕はメルに聞いた。
「パーティメンバーはギルドで雇えますよ。
じゃあブラック街に行きましょう。
ブラック街なら大きいギルドなので雇える人は多いと思いますよ」
メルはそう答える。
「ありがとメル」
僕はメルと共に転移魔法でブラック街へと転移した。
ブラック街
「あれれ?沢山人が居る、今日って何かあったの?」
僕はメルに向かって言う。
「あ~これはブラック街の代表が変わったので今日はお祭りなんですよ。
それも洋平くんが知っている人ですよ」
メルはそう答える。
僕が知っている人?恵梨香さんか?
いやいやまさかブレイク様?ありえん、だとしたらまさかエリック・・・いやアイツは牢屋の中のはず。
すると女の子がこちらに走ってきた。
「あ、お久しぶりです」
女の子は僕にぺこりと頭を下げる。
うん?この子は?見たことあるような無いような。
「あれ?忘れてしまいました?私はあの時助けていただいた女の子です。
背が伸びて忘れてしまいましたか?桜田洋平さん。
竜馬さんの息子さんなんですよね?」
?!
も、もしかして君は。
「もしかしてあの時の少女?!いつの間に大きくなって。
いや、でも元気で良かった」
僕は女の子に向かって言う。
「えへへ、数年が経っているですよそんなに時が経てば大きくなりますよ」
女の子はそう答えた。
「それで君はこの街の代表を知っている?一度会いたいと思っていてね」
僕は女の子に向かって言う。
「それなら私ですよ、私がこの街の代表です。
驚きました?」
女の子は僕に向かって言う。
「え!?君が代表!?び、びっくりだよ!
エリックは?」
僕は女の子にエリックの詳細を聞く。
「エリックさんはあの後国兵によって連れて行かれ処刑されました。
理由は洋平さんも分かっていると思うので言いません。
その後、街の代表を決める会議がありまして私が立候補したのです。
勿論子供だから反対されました、だから私はお腹に剣を突き刺しました」
?!
腹に剣を!?
女の子は服を上げお腹を見せた、そこには剣で突き刺したような跡が。
「な、何でそんな事を!女の子にとって体はとても大事なのに!」
僕は女の子に向かって言う。
「覚悟なんです」
?!
「覚悟を見せるためにはこうするしか無かった。
だから私はやったの、だけどそのおかげで私の覚悟を見た大人達も私を代表として認めてくれた。
まぁ、後で嫌ほど怒られたけどね」
女の子は言う。
「洋平、彼女の覚悟は本物よ。
私も後から聞いたけど彼女のその時の顔は本気の顔だったそうよ」
メルは僕に向かってそう答えた。
覚悟・・・僕も覚悟を決め戦う時が来るのだろうか。