第四話 愛の力
僕はフローラ様の家に着き部屋のベッドにフローラ様を寝かせた。
「はぁ疲れた〜、やっぱ魔力が無いってのは疲れるな」
僕はメルに向かって言う。
「魔力を返すの忘れていたわ、手を掴んで」
メルが僕に言い僕は立ち上がりメルの手を掴む。
「リバース〜サイクル」
メルがそう言うと
?!
沢山の魔力が流れ込んできた。
こんなにも沢山の魔力を僕は持っていたのか。
だからメルの魔法の威力もフローラ様に匹敵するほどまで対応出来たというわけか。
「はい、魔力は全部返したよ。
体はどう?」
メルが聞いてきた。
「うん、バッチリさ」
先程までよりも体が軽い。
やはり魔力が無いと体も鈍る、スタミナみたいなものか。
「よっしょ、二人共ありがとうね」
?!
フローラ様が起き上がる。
「ふ、フローラ様!体は大丈夫なのですか?
あの、僕は貴方に攻撃してしまって」
僕はフローラ様に向かって言う。
「いいのよ、私も勇人さんに操られていたから。
それよりも戻ってきていたのね洋平さん」
フローラ様は言う。
「はい、数日前に戻ってきていて。
フローラ様が乗っ取られていたということは他の神様も?」
「多分だけど、私だけだと思うわ。
他の神達は私みたいに弱くは無いし、強いから。
それよりも、話は聞いた?クロックから」
フローラ様が聞いてきた。
「はい、僕達共に聞きました。
とんでもない事になりそうですね、勇人さんはなぜあんなにも諦めないのでしょう」
僕はフローラ様に向かって言う。
「・・・・そうね、彼は諦めない心を持っているだからこそ彼は強いの。
そして、彼は貴方達を恨んでいる。
特に洋平くんは竜馬さんの息子、彼から萌夢さんを奪った父親の息子なのだから」
フローラ様は言う。
「え、でも勇人さんは酒癖が悪いから見捨てられた。
自業自得じゃないですか」
僕は言う。
「それでも、彼は巫剣萌夢さんを愛していた。
竜馬さんも彼が萌夢さんと付き合っていたときは応援していたわ。
よく仲良くしている夫婦だ、あれじゃあ剣技が落ちるなとか言っていたわ」
フローラ様は言う。
「でも・・・それでも恨む気持ちは分かるけど・・・・そんなのこんな考えしか浮かばないなんて。
他にもやりようはあるはずなのに」
僕は言う。
「彼はそれだけ愛していたの、愛の力はかなり凄いわ。
それに、愛の神様がこんな事に言っていたわ。
愛に勝るものは無いって・・・」
フローラ様は言う。
「洋平、勇人さんは萌夢さんの事を愛していたのよ。
でも、確かに彼が悪いことに変わりは無い。
だけど、洋平が思う事を彼に直接言わないと・・・・ぶつからないと言葉は伝わらないよ、例え貴方がここでなんと言おうと」
メルは言う。
「分かった、僕は彼を止めて見せる。
彼が深い悲しみの闇に落ちているなら助けたい。
もう、苦しまないようにしなきゃ」
僕は覚悟を決めた。
「ふふ、二人は良い夫婦よ。
羨ましいわ」
フローラ様はそう答える。
「レックスさんは?」
僕はフローラ様に向かって聞く。
「ダンジョンマスターとしてやっているわ。
会いたかったら私に言って、ダンジョンの最深部まで転移するから」
フローラ様はそう言い立ち上がる。
「困った時に会いに行きます、だから今は大丈夫です。
フローラ様も勇人さんに気をつけてください、あの人の強さは今は弱いですが神を支配したり取り込んだらどれだけ強くなるか分かりませんから」
僕はフローラ様に向かって言う。
「忠告ありがとう、私もある程度体力と魔力が回復したらバリアを展開させるわ。
それで町に入る邪悪なる者を防ぐつもりよ」
フローラ様は言う。
「それは良かった、では僕達は彼を追いかけます。
どうかフローラ様もご無事で」
僕はフローラ様に言いメルと共にフローラ様と別れた。