第二十話 神が付くべき者
「確かにね、貴方って力だけじゃないのね」
メルは言う。
「おいおい、力だけで神にはなれんぜ!
賢さと決意、そして覚悟。
特に必要なのは覚悟だ、覚悟無しで何も変えられんからな」
サンダー様はそう答えた。
その時!
ドッカーン!!!
「くっ!な、なんて強さなの!」
フローラ様が吹き飛んできた。
「おいおいフローラ、逃げんじゃねぇよ!」
現れたのはブラック、そう闇の神だ。
「ブラック!何してやがる!」
サンダー様は言う。
「サンダー!貴様何をしている!その女を殺せ!」
ブラック様は言う。
「殺す!?お前!どうしたんだよ!洗脳はされてないはずだ!
どうしたんだよマジで!」
サンダー様は言う。
「あ?あの方の為に動くのが俺たちの役目だろ。
もはや神の殆どはあの方に付いている、なぜあの方の為に動かんのだ?
その女を始末すれば、いいものをくれるんだぞ。
なぜ、言う事を聞かんのだ?」
ブラック様は言う。
なに?!神の殆どがあっちの勇人さんに?!
「俺は神だ、世界を闇に変えるのはおかしい話だ。
神が悪に付いてどうするんだよ!」
サンダー様は言う。
その時!
「失せろ」
!?
「がはぁ!」
サンダーの体を貫く腕。
え?
それはブラックの腕だ。
「死ね、神ともあろうものが人間に付くとは愚かな」
ズボッ!
腕を抜くブラック様。
「に、逃げ・・ろ・・・おま・・えら」
ドサッ。
サンダー様は血を吐き倒れた。
「え?・・な、何?!・・」
メルは驚き後ろに下がる。
「メルさん、逃げてください!ブラックの強さはまるで・・・!?」
ブラック様はフローラ様の至近距離に音もなく近づき
「がはぁ!あああー!!!」
ブラック様の拳の殴りがフローラ様の腹をえぐるように当たる。
「きゃあああー!!!」
メルは悲鳴を上げる。
「残りはお前だけだな女」
ブラック様はメルの方に振り返る。
いや、いや、死にたくない。
何なの、あの強さ。
あれじゃあまるで!
?!
「もう一人の勇人さんじゃない?か?」
ブラック様はメルの目の前に移動していた。
殺される、私はここで殺される。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!
「まずは足を終わらせよう」
?!
ズブッ。
「ぎゃあああ!!!!」
ブラック様は剣をメルの足に突き刺した。
イダイ・・・ジヌ。
「もう一本あるな。
おらよ!」
ズブッ!
「ギェー!!!!!」
メルは悲痛の叫びを上げる。
・・もう・・・ダメ・・・目の前が・・・ぼやけ・・・洋平、私・・・死ぬ・・。
「終わりだ女!夫が来る前に死ねるのを喜ばしく嬉しく心に刻み込みながら死ねー!!!」
ブラック様は剣を構えメルの首めがけて斬りかかる。
・・・死ぬのね、私は。
冒険者として洋平と共に居たけど私は洋平の妻として悪くなかったかな?
せめて、洋平にはこんな醜い死体を見せたくない。
この人は私の体を消し炭にするかな?
洋平、クロック様、お父様、お母様、マーズ。
恵梨香さん。
さよなら。
その時!
「させるか!」
カン!
「くくく、やはり来たか」
・・・・。
あ・・・。
「メルは僕が守る」
「桜田洋平!」




