第九話 愛の力は無限大
「さぁ~て、行きなさい私のしもべよ!」
ラブハートが言うと
ゆっくり起き上がるメル。
「め、メル!?」
「はあああー!!!」
?!
ちょ!な、何んで!?気絶させたはず。
「さぁ、仲間同士やりあってなさい!」
ラブハートはそう答え家を出る。
くっ!
め、メル。
どうして!
「はあああー!!!」
「くっ!」
ジャックの攻撃で怯むメル。
「ここは俺に任せてラブハートの元に迎え、いずれにせよアイツを倒さなさいことには永遠と操り人形状態だろ」
ジャックは僕に向かって言う。
「わ、分かった。
メルを頼む!」
僕はラブハートの後を追う。
「・・・邪魔、私はラブハート様の部下。
貴方なんて一捻りでお陀仏よ」
メルが言う。
「そうかい!ならこっちも手加減は出来ねぇからな!」
カン!
その頃
「ウォーターバレット!!!」
「くっ!もう追いついてきたの!?」
攻撃が命中する。
「貴方があの方が言っていた桜田洋平ね。
ねぇ貴方、何で抗おうとするの?私達にやられていたら何も苦しまずに行けるのに。
どうして?」
ラブハートが聞いてきた。
「僕はこの世界を任されているんだ。
例えこの肉体が滅びようと僕は平和のために進み続ける」
僕はそう答えた。
「何で?あの方の考えの方がいいわ。
あの方はいい考えを持っておられる、神を排除し、あの方だけの世界となる。
いい考えだと思わない?」
ラブハートが聞いてきた。
「貴方は神様なんでしょ?排除されるのに何で従っているの?」
僕は言う。
「それはね、貴方を倒せば倒した神は殺さないでくれるの。
だから、私は従っているの。
愛の神はあの方の為に動いているの、彼が愛おしい。
あ〜会いたい」
ラブハートは言う。
「神殺しはしたくないけど、そっち側に付くなら容赦しないぞ。
殺すことになる」
僕はラブハートに向かって言う。
「あの方の考えを理解出来ないのね、可哀想な子ね。
私が貴方を地獄に案内してあげるよ。
死というプレゼントを神として与えましょう」
?!
ラブハートは力を解放した。
今までよりも強い!だが・・・。
!?
僕はラブハートの背後に一瞬で移動し
「終わりだ、愛の神よ」
スパン!!!
ドサッ。
ラブハートの首が転がっていった。
くっ、神を殺したくないのに。
ちくしょう、何で何でそっち側に付くんだよ。
するとラブハートの体から光の粒がこちらに飛んでいき
僕の中に吸い込まれる。
・・・これは愛の神の力?・・・吸い取った?
吸収?
そこにラブハートの死体は無かった。
その頃
「はあああー!!!」
「やめやがれ〜!!!」
!?
「は!?」
メルが正気に戻る。
「だ、大丈夫か」
ジャックがメルに向かって言う。
「え、ええ。
凄く悪い夢を見てたような気がするわ」
メルはそう答え剣をしまう。
「正気に戻ってよかったぜ。
危うく斬りそうになったぜ」
ジャックは言う。
「怖い事言わないでよ、それよりも洋平は?」
メルが聞く。
「ああ、ラブハートを追って行った。
多分だがお前が正気になっている以上倒したらしいな」
ジャックは言う。
僕は二人の元へと帰る。
街の人も正気に戻りいつもの日常になった。
しかし、僕はやってはいけないことをした。
そう神を殺したのだ、僕は神殺しだ、アイツと同じ。
はぁ、はぁ、はぁ。
この手で首を・・・。
「洋平?大丈夫?」
メルが心配そうに聞いてきた。
「僕は、神を殺してしまった。
いけないことをした」
僕は言う。
「クロック様が言っていたでしょ?神を殺しても今は罪には問われないって。
だから、罪にならない、貴方も神殺しではない」
メルは言う。
「そいつの言う通りだ、上級の神が言っていたんだろ?
神を殺しても構わないと」
ジャックも言う。
「でも僕は!殺したくは無かった・・・。
殺しは好きじゃない」
僕は言う。
「・・・散々殺しておいてよく言うよ。
神殺しっていうのは神を沢山殺すからそう言われるの。
洋平はまだ神を一人しか殺してない、それもあっち側に付いた神をね」
メルは言う。
「でも!神はあの人たちにとっては信仰の代表なんだ。
それを殺したんだよ、それも・・・愛の神を」
僕は言う。
「殺しがいけないのは私も分かるわ。
だけど、戦わなきゃこっちが殺されるのよ?
私が殺されたら正気で居られる?フローラ様やクロック様、それに恵梨香さんだって。
目の前で殺されたら、貴方は正気で居られるの?
私だったら壊れた狂人になってしまうわ」
メルは言う。
「・・・少しだけ風に当たってくる」
僕は宿屋を出た。
・・・。
はぁ、覚悟が必要だなアイツには。
宿屋外。
外は涼しく、静かに風が吹いていた。
夜は寒いって聞いたけどそこまでだな。
あの時、僕は何で殺したんだ?
あの時言葉で対応出来ていれば、こんな事にはならなかった?
いや。
その時
ら~ら、ら~、ら。
女の人の声がした。
屋根か?
僕は屋根に飛び上がる。
そこに一人の女性が居た。
ハープを持っている。
「ねぇ、貴方。
悲しい事があったんでしょ?」
振り返る女、髪はサラサラの黄色のロングヘアー。
目は、透き通るような水色。
「何でそれを・・・それよりも貴方は誰ですか?」
僕は女の人に声を言う。
「私は月の神、ミカヅキです。
貴方の悲しみ、私には分かります」
ミカヅキは言う。
「僕の気持ちが分かる?何を言っているですか?
僕は人の身でありながら神を殺したんですよ」
僕は言う。
「ええ、私も殺しましたよ。
友と呼べる、私の信頼なる神をね」
?!
ミカヅキは言う。
「操られていたからですか?」
僕は言う。
「いいえ、私の憂さ晴らしで殺してしまったんです。
後に後悔しました、私は何をしているんだろうって。
だけど、私は殺した友が今も近くに居るんじゃないかと思うんです」
ミカヅキ様は言う。
「憂さ晴らしって!貴方は神なんでしょ!?何で!神も人間も同じなんですよ」
僕は言う。
「そうね、そのとおりね。
だから私も貴方に言いたい、なぜ神を一人だけ殺しただけでここまで苦しむの?
貴方に襲いかかってきたのでしょ?その愛の神が。
あちら側についたのに悪なのに、なぜ?」
ミカヅキ様は言う。
「あっち側に付いたからってそれでも神だ。
みんなの思いもある、そんな神を殺したんだ。
苦しむに決まっているだろ、貴方は何なんですか!
苦しむ僕を笑いたいんですか!」
僕は声を荒げて言う。
「笑いたくない、貴方に寄り添いたい。
悲しみも苦しみも痛みも辛いのはいやでしょ?
だから、殺してあげましょうか?貴方を」
ミカヅキ様が短剣を取り出した。
「貴方もそちら側なんですか?」
僕は言う。
「いいえ、私はどちら側でも無い。
だけど辛いんでしょ?人や神を殺すのが、だったら死にません?
そしたら楽になれますよ?」
ミカヅキ様が言う。
「は?おかしいんじゃないんですか?
僕を殺して何があるんですか!」
僕は言う。
「いや、だから。
辛いでしょ?現実を押し込むのが、死を司る、ヘルって神が居るのよね。
その方は死は救済と言っていたわ。
苦しみも悲しみも、喜びも、痛みも無い。
そんな場所に行けるから」
ミカヅキ様は言う。
死が救済?
「死は誰にでも来る、私にだって来るし貴方にだって来るでしょ?
貴方は人を殺したくない、神も殺したくない。
そしたら何がしたいんですか?話をして終わりにしようってわけですか?
・・・・馬鹿じゃないの!」
?!
ミカヅキ様が怒る。
目には涙が。
「話だけで、通用する相手ならこんな事にはならないはず!
上の神だってすぐに対処出来たはず。
なのに出来ないってことは分かるでしょ!相手は言葉なんか通用しない、ましてや理解する事もできない。
そんなの、残っているのは下僕になるか抗うかしか無いでしょ?」
ミカヅキ様は言う。
「・・・僕はこの世界に来て初めて神を見た。
初めてはブレイク様だ、話し方も不思議で、でも話してみると楽しい。
頼りになるし、安心できる。
それが神だと思っている」
僕は言う。
「何が言いたいの?」
ミカヅキ様が言う。
「貴方も拠り所が欲しかったんでしょ?殺した神の罪を支えてくれる仲間を」
?!
僕はミカヅキ様に向かって言う。
「・・・そうね、私の周りにも神は沢山居たわ。
風の神に、水の神、審判の神に太陽の神も。
今はみんなみんなバラけてあの者を探している、私も上からの命令で探せと言われている。
一人は寂しいね」
ミカヅキ様はこちらに歩いてきて
「これは私の大切な物」
ミカヅキ様が渡したのはハープだった。
指で糸を弾くとポロンと音がなる。
「貴方は私の心の拠り所。
話をして、思った、貴方は強い心の持ち主だって。
だから、友達・・・なってくれるよね?」
ミカヅキ様が言う。
「はい、僕はミカヅキ様とお友達になります。
それに覚悟も決めました、僕はもうくじけない。
メソメソなんてしてられませんし」
僕はそう答える。
「ふふ、じゃあまたね。
何処かで会えるといいね」
そう言いミカヅキ様は転移し消えた。
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次回予告
月の神、ミカヅキ様に言われ覚悟を決めた洋平。
しかし、次の街へと向かおうとする時現れたのは勇人だった。
何やら、隣には怪しげな女性が。
誰なんだ。
次回
勇人の仲間




