結成
次の日の朝、私が起きた時にはもう皆とっくに起きて何やら話し合いをしていた。普段は私が最初に起きるのだけれど、今回は私が最後だった。いつもの起床時間より遅いわけではないので、皆が早起きしたんだろう。
「あ、リーダーが起きたよ。」と優君が言うと、みんな一斉にこっちを見た。おはようリーダーとか言われても、私には何のことかわからない。
「ちょっとまって、リーダーって何?私?なんで?」ただでさえ寝起きなのに、いきなりリーダーって言われても、理解が追いつくわけがない。
「昨日俺たちもゾンビと戦うって言った人たちが19名いたじゃんか。19名全員で戦うよりもいくつかのグループに分かれて行動したほうが、短期間で多くの施設とかを制圧できると思ったから、今会議して19名を3グループに分けたんだ。その3グループすべての管理をする人が欲しかったんだけど、やっぱり君しかいないって満場一致で決まったから、今日から君はリーダーね。」と影宮君が説明してくれた。
「ずいぶん勝手な決定だと思うけど、ぜひお願いしたいな。副リーダーは私がやるから」と夏花に言われた。夏花に言われたのならまあ引き受けよう。
「わかったけどリーダーって何するの?」
「特に大したことはしないよ。グループはそれぞれ独立して動くから、今どこのグループが何しているのかとかあのグループにあれしてほしいとかつたえてくれればいいから。」それぐらいなら簡単だな。
「了解。あと何グループにそれぞれ誰がいるの?」
「それは各グループリーダーに紹介してもらおうかな。奏多、優、一香の順でよろしく。」
「俺のグループは俺と影宮、連、龍、直人の男子5名グループだ。」
「僕のグループは僕、佳樹、孝太郎、豊、女子は愛良、麗華、雪、藍花の8名だよ。」
「私のグループは私と楓と風華、あと実里と彩と菜月の女子6名グループ。」
「OK覚えた。今日から行動できる?」
「もちろんいつでもOK」
「じゃあ今日はこの学校の敷地すべてを制圧しよう。一香達はグラウンドとか駐車場とか中庭をよろしく。優君たちは、1年と2年の教室をお願い。それ以外はすべて奏多たちに任せる。私は学校の近くにいるゾンビたちを始末するから。」
「「了解」」
19名が返事するとともに、私と一緒に教室を出た。