第三会場6~10
【10-3-6.機神エンゼルハイロゥは月を堕とす】
巨大ロボットもの。
設定の詰め込みと、情報開示の順番がどうにかなればなぁと唸ってしまう作品でした。
私もSF書くので、分からないでもないんですよ。
語りたいのです……。
最初に設定を、そして作品に秘めた思いを、訴えたい……。
けれどそれは諸刃の剣。切り出し方を失敗すると、自分がやられます。それこそ盛大に。
情報の開示の順番って言うのもありまして、やっぱり、小出しですよね。小出しで、出来るだけ相手が欲しいだろう情報から少しずつ出していく。
視覚的情報だったり、時代背景にしても、いきなりどーんではなく、どの時代か、今はどこにいるのか、どんな状況なのかを、細切れにして地の文に挟み込んでいく。コレって結構難しくてですね。失敗するとなんのこっちゃいになってしまうので、注意が必要なんです。
専門用語も、この作品はルビで説明を省略していますが、良い方法だと思います。しかし、舞台設定、時代背景はそうも行きませんから、そこをどうにか上手く乗り越えないと、読者は難しい言葉の連続に、ただ口をあんぐりさせてしまうだけになってしまうのです。
こういうとき、漫画とかアニメって、いいよな、絵があるもんなって思いますよね。でも、私は小説なら心理描写も細かく出来るし、ちまちました解説も台詞以外で挟み込めると思うんです。
要するに何が言いたいかと言いますと、ちょっと情報がごちゃごちゃしていて、わかり辛かった、ということです。
画像が足りない気がしたんですよ。情報量の割に。
主人公が何を見ているのか、どのような動きをしているのか、ちょっとわかり辛い。
もう少し、視点を整理して、順番に必要な情報を一連のカメラワークで伝えてみたら、違ってくるかも知れません。
後半は特に情報量が多く、端的に言えば「絶望する程悲惨な光景を見た」以外の情報が入りづらかったです。
面白そうなんですけど、情報過多で目が滑ってしまうところが勿体ないなぁと思いました。
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【10-3-7.ネアンデルタールの娘達 ~独裁者の妄念を継ぎし者へ~】
本当に、こういう、読みたいなと思うものがドンピシャで出てくるのが書き出し祭りの凄いところだよなぁと思いながら読みました。
前半は殆ど不可解な〝ドワーフ〟という存在についてのあれこれをただ羅列しているだけなのですが、この書き方がまた良いですよね。知らないうちに読み終わっちゃうくらいわかりやすく読みやすい文章。過不足ない説明。
まるで何かのルポを読んでいるかのような錯覚に陥ります。
後半、教授との話から〝ドワーフ〟たちとの対峙まで。緊張感もそうですけど、なんだろうこの自然な流れ。あああ、上手い以外の感想が浮かばない。
なんでしょう、本当に、絶対、プロの犯行だと思います。
上手すぎる……!
次が気になって気になって仕方ない。
彼女らは一体何をしようとしているんでしょう。世界征服? あとなんだろう。わかんない。
続き、続きを待っています……!
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【10-3-8.全能神は苦労神~ある世界が邪神に弄られていた件~】
全能神という、「すべての世界をその身一つで管理し続ける」神様のお話。
……なんですけども、こんなにポンコツで大丈夫なんでしょうか……?
それぞれの世界には神様がいてて、それを全部管理しているのが全能神。邪神は好き勝手やってる神。という認識でよろしいんですよね。
神様とはいえど、万能ではないというのはまぁよくあることですが、ポンコツくないですか……?
ドルオタもいることだから、仕方ないのかな。にしても、ちょっと……。
やっぱり、双子よりは全能神メイン? のお話になるのでしょうか。
神様なんだから、人間のことにとやかく首突っ込まなくても良いのでは、と思ったりもしましたが、そうはいかないのか……。祝福はイリュジョニアの管理神じゃなくて、全能神が行うんですか? この辺も少し分からないところです。
全能神が全部色々やっちゃってますが、管理神は普段何してるのかな???
勢いは凄く良いんですけど、なんというか、そこの世界の人たちに解決させるという試練を与えるわけではなくて、自ら走り回ってる神様って、斬新……? だと思いました。
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【10-3-9.水曜日とお嬢様と間接キスの話。】
間接キスって、こういうヤツか~!
勝手に取られた(想像はしてましたが)らマウスピース変えられませんもんね。なるほどね~。
間接キスって気が付いた途端に赤面とか可愛すぎますね!
青春の1ページごちそうさまです。
ところで、「実力は全国レベルながら、吹奏楽部のない高校に進学してしまった」ことは、あらすじにしか書かれていなかったのですが、本文には書かないのでしょうか。
音楽室を独り占めしている大切な情報ですし、ここは本文に差し込んで良かったのではないでしょうか。
にしても、音楽室一人で使わせてくれるなんて、凄いなぁと。うちの娘んとこは、吹奏楽部でさえ音楽室ではなく、放課後の教室間借りしてましたから、(音楽室は2部屋あったようですが、合唱に弦楽に吹奏楽にで、場所が足りないようだった)ちょっと贅沢な設定だと思いました。
それにもし、竹居が本気で全国レベルの実力者ならば、地域のアマチュア吹奏楽部とか、アマチュア楽団とか、そっちで演奏する道を選ぶのが自然なのでは、とも思いました。
(実際、音楽をやっている人は、部活の他に地域のサークルや団体に所属している場合が多い)
学校が終わってからそっちの練習に直ぐに向かうため、楽器を同じ曜日に持ち歩いている、みたいな設定だったら、「やべぇ、こいつ本気で音楽やってんじゃん」的な演出も出来たかな、と。
楽器店にも足繁く通う程の楽器好きだったら、やっぱり一人で放課後練習じゃあ面白くないと思うんですよね。やっぱり多くの人とセッションしたいし、本気で学ぶなら教室通うでしょうし。
と、気になったことはありましたけど、微笑ましかったです。二人の微妙な気持ちの動きとか、動作とか。良いですね。
楽しませていただきました。
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【10-3-10.憂いの実写化妨害大作戦~僕の前世は小説の主人公でしたが、今は普通に暮らしたい~】
絶対に実写化させてはいけない、という気持ち。分かりますねぇ。
もし、どうにかなりそうなら、どうにかしたい。分かります。
ここに自分の前世が食い込んでくる。面白そうな設定だと思いました。
男4人兄弟のようですね。
その中でも少し大和がクールなのは、転生者だから?
自分が主人公の小説、とても不思議な感覚ですよね。
『ブライト・ライト』、正統派異世界ファンタジーっぽい感じ? なのでしょうか。その実写化にお呼ばれするなんて、それはそれで面白そうですけど……。
文章はとても読みやすいし、設定もするする入ってくるんですが、少し物足りない気がします。
極端な盛り上がりに欠けるというか、昨今、よく漫画やアニメが実写映画化されるので、その感覚に慣れてしまったかも知れないのももしかしたら一因なのでしょうか。
いや、もしかしたら別の時代、別の世界の人物の生まれ変わりのそれとは違って、誰もが知る小説の主人公という前世ってところに引っかかりを覚えてしまうのかな、と。何となくですけど、創作作品をを見て、コレは自分だと言い張る人(妄想癖だったり、精神的なものだったり)と見分けが付かなくなりそうで、ちょっとこの先の展開が難しそうだなと感じてしまったところはあります。
その辺は、作者さんの技量でどうにか乗り越えていくと信じて……。
撮影へ行くことになるのはまだ先のようですし、「双子の関わらないところで次々と怪現象が起きて」行くようですから、今後の展開を見守りたいと思います。




