第三会場1~5
【10-3-1.喪心の魔術師と蒼刃の付喪神】
あらすじに第1話より前の情報を含んでいる系ですね……。
せっかくの冒頭がダイジェストになってしまっているのはかなり勿体ないです。
妖刀に襲われるシーンではなく、この古道具屋でのお話を1話に持ってきたことには何か意味があるのでしょうか。
非常に、非常に非常に勿体ない気がするのですが。
あらすじの使い方に関してとやかく言う必要はないのかな、とも思いましたけど、やっぱり「書き出し祭り」ですし、本文4000字の中にあらすじの内容も詰め込んで貰いたかったですね。襲われるシーンから書いていたら、多分全然印象が違ったと思うんです。
古道具屋からのシーンで何が勿体なかったかというと、もう、粗方主人公の凪が事実を飲み込んで、すっかりと落ち着いてしまっていること。読者は、ドキドキしたいのです。落ち着かなくて良い。むしろ、世界観に引きずり込むだけのドキドキが欲しい。
だのに、あらすじの中に肝心の部分が埋もれてしまって、妖刀との駆け引きも終わってるし、これじゃあちょっと物語に入り込みづらいです。
言うなれば、「あれ? 今季のアニメ1話目見逃したか。じゃあ、いっか。別の観よう」になっちゃうってことです。これが、冒頭をあらすじにいれてしまうことの最大の弱点です。
面白そうなんですよ。師匠と弟子、喋る妖刀とその化身。
今後にも十分期待できそうですが、その分冒頭が、何故、ここから始まるのか。
非常に、非常に勿体ない。そういわざるを得ない作品でした。
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【10-3-2.殺人厳禁暗殺者】
タイトルとあらすじから想像した内容とはまた違って、なんか凄い展開でした。
まず「石器時代」って。
重さもあるし、なかなか使いにくい素材を思い切って前面に押し出してきましたね。宝石じゃなくて、あくまで石ってことには拘りが感じられます。ものによっては割れやすいですし、加工しにくい石もあるでしょうが、これらに不思議な持たせるというアイディアは面白いと思いました。
でも何で石なんでしょう。重くないですか、大丈夫ですか。
いわゆる科学があまり発達していない、ようにも見えますが、魔法も既に旧時代のもの。コレはなかなか難しい設定ですよね。かなりの挑戦者だと思いました。
何よりも冒頭に殺した風呂上がりの彼女が、護衛対象ってところにも驚かされました。
そして、やっぱり写真技術がない。ここでは似顔絵? を提示されている。
吸血鬼が魔法でよみがえった? 首を掻き切っただけだから?
ヘリオトロープに護衛が付けられるのは、魔法の存在を実証するための実験材料としてってことですね。コレもちょっと驚きでした。なるほど、学園都市という設定も生きてきます。
どうやらこのまま学園ものとして進んでいくようですけど、謎が謎を呼んで、面白くなりそうですね。
スイーパーとの絡みも気になります。
今後、どうなっていくのか楽しみです。
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【10-3-3.〈神の目〉探偵の超能力事件簿】
あー、コレ絶対面白いやつー!
あらすじの時点で引き込まれてたんですけど、本文でも間違いありませんでした。
まず、登場人物の書き分け方が良いですよね。
警察側には色のある漢字。探偵側はモノクロの漢字。
骨抜きにされた七条は7番目の被害者。
分かりやすい。
このくらいシンプルだと、読者の頭の中にもスッと入ってきます。
けれどちょっとわかりにくいのは、性別。青葉は女性ですが口がちょっと悪いので、登場シーンでこそ「一人の女性」と描かれますが、「彼女」と黒沢が呼ぶまで女であることを忘れてしまうくらい気性が荒い描かれ方をしています。もう少しちょこちょこ容姿を示す言葉が出るか、下の名前を出すかしていただいた方が、画像が結びやすかったかな、と。
警察側は、先輩が女(青葉)、後輩が男(赤嶋)。探偵側は探偵が男(黒沢)、助手が白川(女)と、入れ替えてバランスを取っているのだと思いました。
オカルト好きなので、ぐいぐい引き込まれました。
様々な死因が列挙されていきますが、この骨抜きが一番怖くないですか。骨がない。頭蓋骨すらない。皮と肉だけ。見た目には、ぶよぶよしている感じなのかな……?(見たくないけど)
シリアスな上に、説得力をのせてくる文章力と気迫。
良いです……! 引き込まれました。
続きも、お待ちしています……!
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【10-3-4.親の罪を受け継ぐ竜と幼女は汚れて生きる】
自分が犯した罪ではなく、親が犯した罪を背負うというのは結構しんどいものがあると思います。
だって、どうにもなりませんからね。親は選べないし、どうにか出来る存在でもない。まして、小さな子どもだったり、生まれる前のことであれば尚更。
物語の始まりを、丁寧に描いた作品だと思いました。
どこかで端折ってしまいそうなことだけれど、この出会いはとても大切だから、丁寧に書ききろうという気持ちが伝わってきます。
「子供を含めたほぼ全てが共謀者」というのは穏やかではないことですよ。だからこそ殲滅させなければならなかった。そこに、情が湧いてしまう。
この場面をしっかりと描かなければ、恐らく説得力がなくなってしまうと、そういうことなのではないかと思います。この物語の先、あらすじより向こう側の見えないところに、この境遇の似た種族の違う二人が出会ったことで何かしらの化学反応が起きることを、示唆しているのでしょう。
惜しいのは、そこから先に何があるのか見えないところ、でしょうか。
二人には、希望がないんですよ。
何かきっかけというか、この先に何が待ち受けるのかというものが、何も見えていない。
タイトルの「汚れて生きる」にしても、曖昧な表現なので、着地点が分かりませんよね。
何かしらの謎や、次に繋がるような題材を転がしておけばまた印象が違ったかな。
成り上がり系? になるのでしょうか。
分かりませんね。今後を注視したいと思います。
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【10-3-5.Queen of Artifact】
ちょっと書き出しに面食らいました。女王陛下の一日……?
なんだかミニマリストの生活を見てるみたいなんですけど……。
世界観がちょっとよく分からなかったのですが、AMとかPMとか、時間表記地球と一緒なんだ……とか、女王様なのに20分で準備できるとか、どんだけ端折れるん……? とか、気になることがいっぱい出てきます。
けど……、4000字の限られた中で、このシーンは不要ではないかと思ってしまうのですが、やっぱり、必要でしたかね……?
あらすじで言うところの「女王は、野心ある家臣の手により暗殺された」部分を描いているのだとは思ったのですが、そうなのであれば、そこをピックアップすれば良いのになぁ、と。
色んなシステムとか、悪いことを考えているヤツが国にいるとか、色々書きたいことも沢山あったようですけど、まずは何を書くか、どのシーンを書くか、切り取ってじっくり描くというのも方法の一つかな、と思いました。
あとは、そうですね。度々文章に主語が抜けているので、誰が喋っているのか、誰の動作なのか、何処で誰がどうしているのかなど、よく分からない場面が多く見受けられました。国語や英語で習う5W1Hですが、コレを意識すると、文章の情報が整理できて良いのではないかと思います。(私はそうしています)
あらすじによれば壮大な物語が眠っていそうですね。
もし続きを書かれるのであれば、もうちょっと丁寧な描写をしていただければ、と思いました。




