第一会場21~25
【10-1-21.夜明けの海を歩くには】
ものすごく、綺麗な世界観でした。
あらすじに設定としてSFっぽいのがありましたので、そうかなとも思ったのですが、どちらかというとハイファンタジーに近いような気がしました。
それぞれ昼と夜を司る力を持つ一族の、なんというか空しい運命といいますか、そういうのがとても印象的です。
真っ暗闇を回避するためにそれぞれが人身御供の如く、長とは名ばかりの犠牲を据えて昼夜を管理するというのは、斬新で、かつ残酷です。淡々と描かれる任務の描写には、そこに感情などは存在するべきではなく、そうすることでしか人々は営みを継続できないからそうするのだという必然性がひしひしと感じ取れました。
だからこそ、昼の一族の少女が半泣きで現れたシーンはとても人間的で、サクが彼女にしてやったことも、キラキラと輝いて見えたのかも知れません。
この交流がいずれ大きな変革をもたらすきっかけになるのでしょう。
これは、面白そうです。
独特の世界観の先に壮大な物語が見え隠れしているところもあり、大変期待できます。
良かったです。
この先を、知りたいと思いました。
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【10-1-22.高嶺の花とは呼ばせない!!《クール(と勘違いされてる)系女子とのドタバタ奮闘記》】
クール系女子としての高江さんと素の高江さんの両方を見せつつ、その差に萌える系のお話と見て間違いないと思うんですが、そんなに期待した程のギャップ萌え要素がなく、中途半端なところで終わってしまっている印象がありました。
多分ですね、夏川と冬沢の会話が長すぎるんです。
もう少し整理して、後半の高江さんの事情を詳しく教えてくれても良かったかなと。
教卓の下でうずくまっているのを発見されただけで逆ギレというのは、ちょっと共感を得にくいと思ったんですね。もう少ししょうもない状態の高江さんを見せて欲しかったというか、普段との決定的な違いを見せつけて欲しかったというか。
あらすじの段階では「超ネガティブ思考&コミュ障」とありましたけど、そこがどうも描き切れておらず、消化不良な気がしたんですね。2話目以降でお話しするから大丈夫、ということかも知れないんですが、このままだと2話目クリックも危ぶまれる気がしましたので、出来れば肝心の部分をどうにか1話目に食い込ませて欲しいなと思った次第です。
そうですね、やっぱりそこは重要だと思います。
主人公があらぬ疑いをかけられている、しかし何の疑いだかよく分からない、ではモヤモヤしてしまいますから、勘違いの方向性だけでも曖昧ではなくしっかりと示していただきたかったです。
ギャップ萌え要素は需要もありますし、面白そうではありましたが、そういったところが勿体なかった作品でした。
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【10-1-23.団地の花子さんと死にたい死神くんの人生実況解説動画】
あー、これ、めっちゃ面白いですめっちゃ面白いですめっちゃ面白いです。
花子さんの境遇に同情しか出来ない要素がそろっているとか、死神くんのどうしようもなさとか、良いですね良いですね良いですね。
極端に分かり辛い要素を詰め込まれるよりも、誰もが知っている日常的なものの意外な組み合わせが良いってどこかで聞いたことがあります。
死神はさておきとして、どちらも組み合わせの材料としては身近ではありますし、これは調理方法が凄く上手い人がやってこそだとは思うのですが、とてもよく出来ていて、導入部分でもう心を鷲掴みされてしまいました。
文字数制限がある、同じ条件なのになんだろう、スッと読めて頭に全部入ってきて動画再生されるレベルにまで高めてあるのはどういうことなんだろうと首を傾げるくらい、上手いなと思いました。
あらすじの時点で上手すぎるとは思ってましたが、内容も絶対面白いヤツですよね。
面白いなと思ったら語彙が不足してくるので感想短くて申し訳ないんですけど、面白かったです。
続き、お待ちしています。
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【10-1-24.神の子と魔女見習いの異世界譚】
人の感情を色で感じ取る異能を持っている主人公。息苦しさが伝わってきますね。
誰だって相手が喋る前に自分に対して何を思ってるのか分かったら嫌だと思うんですよ。まして、親しげにしておいて、実際はからかっているだけだとか。このまま乗っかっても最悪だし、断っても最悪だし、良いことないですよね。
「学校や町中では、いろんな色がごちゃごちゃと目の前を通過する」くらいに感性が強いと、とても生き辛いだろうなと推測できますよね。「通常見えている色に被さって、煙のように見える色」とのことなので、オーラみたいな感じで見えているのかな。
「世界には色が溢れている」とあるように、文章の中には過剰に色の描写が出てきます。
この色の他に、「目を見ると、その人の大切な景色や日常が垣間見えてしまう」ということもあってか、大河はやたらと「目をそらす」んですよね。だから、うっかり見てしまったリサの描写もあまり鮮明じゃない。
ただ他の人と違うものが見えるだけで「神の子」と呼ばれている? というわけではないと思うので、実際はもっと違う力が隠されていそうではありますよね。「魔法~中略~使えそうな顔してる」とリサも言ってますし、これは単に能力の一部的な感じなのでしょうか。
「お父上に命じられて“この世界”に来てる」「“こちら”のご両親」との表現も気になります。
これはつまり、大河の両親は、異世界と関係がある……? これだけだとちょっと分からないですね。徐々に明かされていくのだとは思いますが、引っかかる書き方です。
タイトルに「異世界譚」とあるので、最終的に異世界に行くのかな。魔法を使うリサは「魔女見習い」ってことですかね。
第一話でタイトル回収、となれば少しすっきりしたかなと思いますが、それを匂わすことは出来ていると思います。
今後どうなるのか、期待したいと思います。
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【10-1-25.木星、行きます~人類で初めて超音速へと到達した魔女が木星へ辿り付くまでの物語~】
第一話でまさか「木星」が一文字も出てこないとは……。
結構勇気が要ると思うんですよ。こういうの。
作品紹介としての一話という位置づけならば、恐らくあらすじにある「航空宇宙魔女局」の発表から先、様々な強者どもが集まってくる描写から始めますよね。
けれどこちらの作品は、超音速の魔女イギーのその功績をたどるところから始めている。
凄い。挑戦的です。
あまり見ない形態だと思いましたし、だからこそ印象にも残りやすいのだと思いました。
全体の2/3程度が全部杖で空飛んでる描写ですからね。
凡人には真似できませんよ。これは、相当描いている方だと思いますけど、その中でもまた特異な方だと思います。
なんと言いますか、圧倒されました。
これから本編、始まるんですよ……ね?




