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第10回書き出し祭り感想まとめ  作者: 天崎 剣
【本文感想】第一会場

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29/48

第一会場11~15

【10-1-11.紅蓮に燃ゆる魔人覚醒】


 今更ながら気が付いたんですけど(ホント遅くてすみません)、紅蓮=グレンか。主人公の名前がそのままタイトルになってるスタイル。

「クゥネ」も「喰うね」。なるほど。


 導入部分、分かりやすくて良いですね。

 会話から入ることで興味をひきますし、自分も会話を聞いているみたいな錯覚に陥ります。この出所不確かな噂から、知らないうちに現場に引き込まれていく動きも自然で、ある程度書き慣れている人だなと推察しました。


 が、描写が物足りない気がしました。

 文字数制限があったことも理由かなと思いますけど、ものすごくザックリした描写しか出てこないんですね。

 コレは私の好み的なものが大きいんですけれど、やはり独自の世界観で物語を紡ぐならば、細部にもこだわって欲しいなと思った次第。

 グレンのこと、研究室のこと、学校のこと、町並みのこと……登場人物の初登場シーンや新しい場面に切り替わるとき、遠景からでも良いので描写すると、読者の頭の中には画像が浮かびやすくなります。漫画やドラマなどによく使われる手法ですけど、一文二文挟み込むだけで、急に描写がハッキリしてくるんです。


 とても魅力的なお話なんですよね。

 能力覚醒する系好きなので、楽しく読みました。


 最後のアレも、ニヤリとしてしまいましたね。

 性癖の方じゃないのかって。


 あらすじに出てくる「勇者」はここでは登場しないみたいですね。

 出てくるのは2、3話先でしょうか。



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【10-1-12.ハルキゲニアの背中のトゲトゲ】


 あらすじのときに検索したハルキゲニアの画像を思い出しながら読みました。

 本当に、屁理屈というかまどろっこしいというか。素直にお断りすれば良いのに、変な(ふるい)にかけようとする時枝の極端な性格の説明にこれだけ文字数割くなんて、これは相当の拘りを持って書いているな、という感じがします。


 タイトル回収だけで終わってしまうのが、本当にア~ッって思いましたね。

 二人の掛け合い、良かったんですけど、もうちょっと構成的にどうにかならなかったかなぁと、わがままに思ってしまうほど、あっという間に読み終わってしまって。つまりは、文章が上手いんですよ。


 やたらと思わせぶりに出してくる「例のこと」の詳細、気になります。

 なんだろう。

「学長との個人的な繋がり」「他言無用」「世間に知られたら色恋沙汰以上に面倒な事態になるのは明白」「伯父さんが言ってた事件」とは、一体……?

 

 ちょっとトゲの部分に異常なまでの拘りを感じてしまうんですけど、これってある程度読ませる技術を持った人が書いていて、物語の外でニヤニヤしているところまで想像できちゃいますよね。

 それに何よりも、登場人物の生き生きとしていること!

 上手いなぁ。


 タイトルのインパクト然り、この祭りで最大の武器を遺憾なく発揮した作品でした。



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【10-1-13.絶望坂を蹂躙するのは悪役令嬢か復讐王子か】


 まるで映画の冒頭を思わせるようなドラマチックな始まり方に、目が奪われます。

 激しい戦闘、必死に生き延びようとするノルベルト。そして、希望を繋ぐために犠牲になるアンナ。

 国境付近での攻防が、目に浮かぶようでした。


 内政ものには疎いのですが、面白く読めました。

 こういうの、書き慣れている人なんじゃないかと思うんですよね。何派と何派がどうしたとか、家系図はこうなっててとか。かなり読みやすかったですし、疎い私にも関係が直ぐに読み取れました。


 ノルベルトの事情、国の混乱、アンナとの関係など、地の文に上手く挟み込んでいただいたお陰で、緊張感も凄く伝わってきます。


 けど、最後。

 ここで「悪役令嬢」という言葉は必要だったんでしょうか。

 せっかく重厚な世界観を示していたのに、この言葉で何となく現実に引き戻されてしまった気がして。

 結局のところ「悪役令嬢」というのはそういう認識がweb小説界隈で急速に広がって出来た言葉に過ぎず、実際その世界に生きている人が口走る言葉ではないように感じました。

 これが例えば異世界転生ものなどで、そういう認識が一般的な世界の人物から見て「悪役令嬢」に見える、ということならば納得がいくんですけれど、こちらはハイファンタジーとお見受けしましたので、どうしてもこの言葉が浮いてしまうのです。

 タイトルにもありますし、入れたかった気持ちが分からなくもないんですけど、世界観や作品の雰囲気を大切にするならば、言葉としては適切とは言えないような気がします。

 この辺は認識の差異なので、あくまで参考程度で聞き流していただいて結構なのですが、どうしても違和感がありましたので書いておきます。


 あらすじでは更にこの二人が微妙な関係を保ちながら進んでいくのが見て取れました。

 続きが大変期待できる作品だと思いました。

 


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【10-1-14.世界一のお前を殺せるまで、俺は何度でも殺され続ける。】


 バイオレンスな始まり方ですけど、やっぱり中心はeスポーツみたいになってく……? みたいですね。

 優等生の皮を被ったやべぇヤツが主人公。

 ……けど、こんだけ派手にやってれば、絶対みんな裏の顔知ってますよね……。

 躊躇なく人を痛めつけ、殺人願望もある。この衝動を収めるためのゲーム、という捉え方で良いのでしょうか。


 アリスとの対比が良いですね。

 人を殺したいツヅラと、人を殺したことのあるアリス。

 その実力の差も、短いシーンで上手くまとめているなぁと感心しました。


右手(・・)」の表現が気になり、読み進めると、やはり利き手を確かめている。

 なるほど。ツヅラの性格が良く出ている箇所ですよね。普通、左利きの人間は気にするけど、右利きの人間を気にすることはないですよね。けどツヅラはアリスの動きを見て、利き手を確かめている。この辺、細かい描写なんですけど、上手いなと思いました。


 ゲームへの誘い方は色々あろうかと思いますが、説得力のある導入でした。

 これならばツヅラもアリスのことを倒したいと思うし、アリスもツヅラのことを自分の活躍するゲームの世界に引っ張っていこうとするだろうと、なんの疑いもなく感じることが出来ます。それって、凄いことだと思うんですよ。

 説得力が無いと、設定だけ浮ついてしまって、結局鼻で笑ってしまうような作品もあるじゃないですか。

 けれどこの作品は、第一話のこの瞬間を、作品導入の説得力に全振りしている気がしました。


 間違いなく玄人の犯行ですね。

 面白そうすぎる……。

 今後の展開に期待したいです。 



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【10-1-15.下敷きにしてしまった小柄なあの子と、この頃やたらと目が合う件。】


 あらすじを読んで、女の子の心配をめちゃくちゃしてしまったんですけど、(あらすじの「落下し、下敷きに」に過剰に反応)やっぱり落ちてますね。階段とは言え、何段目から落ちたのかで衝撃の程が変わってくると思うんですけど、避けたとは言いながらもぶつかったわけだから、やっぱり怪我の程度は心配した方が良いし、学校内で怪我したなら、学校で加入している保険が適用になるかも知れないので、まずは職員室に残っている先生に相談しなきゃダメだよ……! と、保護者目線で見てしまいました。

 結構しょうも無い怪我でも通院費が出たりするので、自己判断ではなく、必ず学校側に申告するようにしてくださいね。


 と、そんなのはさておき。


 あらすじで受けた衝撃予想よりは幾分か位置エネルギー少なそうなので安心しましたが、やっぱり結構足痛めたのだと思いますよ、彼女は。

 肩を貸そうとしたり、おんぶしようとしたり、そういうところは少し海知も考えてあげてるんだなぁと思いましたが、お姫様抱っこ……。なかなかのチャレンジャーです。

 実際、足を怪我したとき、どの体勢が一番運ばれやすいか、という点を考えると、おんぶが一番なんですけどね……。

 お姫様抱っこは、絵面は完璧ですが、運んでいる人間の腕が死にます。数分は我慢できますけど、そのうち手がぷるぷるしてきて、重心が下がっていくんですよ。支えがないので。で、最終的に地面に下ろさざるを得なくなってしまう。しかも、抱っこされている方も抱っこしている側にしがみつき続ける必要があるので、実は長時間の移動には向いていません。短距離移動向けですよね。

 おんぶはその点、腰でしっかり支えますから安定感があります。おんぶされる側は特に力が要りませんし、なんならそのまま寝ちゃっても運び続けることが出来ますよね。おんぶしている側は、相手の意識レベルに合わせて重心をずらす必要はありますけど、自分の手首をしっかりと握ってその上に乗せることで、余程のことが無い限りバランスを崩して落っことすことは無いと思います。つまりは、おんぶが良いと思うんですよ。

 どうして、おんぶじゃないんだろう……。海知は背中も大きそうですし、届かないなら届かないでしっかりと引っ張り上げてあげれば、良いベッドになったんじゃないかなぁ。


 シチュエーションは良いと思うんです。

 少女漫画的な?

 けれど、何となくファンタジー感が強くて、あんまりリアルには感じられないというか。

 まぁ、お姫様抱っこの方が互いの表情が直ぐに分かるという利点はあるかも知れません。

 けれど、身長が高いとは言え、十六歳の未完成の体で女の子をお姫様抱っこ長距離移動は難しいかな……。

 

 と、どうしても細かいところが気になって、物語に没入できませんでした。

 ただ、これはあくまで私が、ということなので、響く人には勿論響くと思いますし、そういうシチュエーションが大好きな方は狂喜乱舞する内容ではないでしょうか。

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