表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/23

少年のスキル

「……え?」


 僕の目の前にいた少女は消えた。

 何か前兆があった訳じゃないけど。突然消えたんだ。

 それと同時に、僕の身体がすっと楽になるのを感じた。


「もう! 何なのよっ!?」


 僕の背中から声がする。

 

「え、えっ!?!?」


 どうにか背中を向こうと首を回すけども、背中は見えない。

 視界の端に、どうにか銀色を捉えて、そこに彼女がいることを何となく理解した。


「な、何が、あったの……?」

「そんなのこっちが聞きたいわよ!? ああもう! せっかく自由になったと思ったのに!!」


 僕の背中を叩きながら、彼女は喚き散らす。


「何なのよあんた! これ、違うじゃない! だってこんな、こんなただの人間なんかに、私が捕らわれるなんて訳ないじゃないの!? どうなってんのよ!」

「そんなこと僕に言われても……」

「あんたじゃなきゃ誰がわかるのよ!? もう何よこれ……! こんなの、あの【暴食】と同じじゃない! なんで人間のあんたがこんな――っ!」


 納得がいかない、と僕の背中を叩きながら少女は叫ぶ。

 日常的に石とかを投げつけられていた僕からしてみれば、その程度のことは痛くも痒くもないのだ。

 けれど、それが煩わしくないかと言われればそうではない。


「ああもう! 鬱陶しいなぁ! 黙れよ!!」

「ひぇ……!?」


 僕の言葉と共に、ひゅん、と突拍子もない音がして、彼女が僕の身体に吸い込まれた。


「…………」


 もう喧しいこ声は聞こえない。


「はぁ……」


 これでやっと静かになった。

 そう思えば次は自分のことだ。

 

「……僕はどうしてしまったんだろう」


 こんなのは異常であると理解できる。


「それはね!」


 声と共に、にゅるりと僕の背中から彼女が現れる。


「うわぁ!?」

「これ、私が知っている中だと、きっと【暴食】のスキルなのよね。なんでただの人間のあんたが、これ持ってるのか知らないけど……通りで」

「一人で納得するのやめろよ……」

「あーもう出られないからちょっと手伝ってよ!」

「ど、どうするのさ?」

「私が出られるように念じて!」


 言われたようにこの少女が自分の身体から出て行くことを念じる。

 すると先ほどとは逆ににゅるりと滑り落ちるようにして少女が僕の身体から滑り落ちた。


「ぶぎゅっ」


 奇妙な声を上げて、彼女はおそらく、顔面から地面に落下した。

 僕の背後で、そのような素っ頓狂なことが起こっていたのだった。


「――った~……」

「えと……大丈夫……?」

「大丈夫じゃないでしょ! どう見ても!!」


 僕に向かってキレ散らかす少女。

 まさかこんな地獄みたいな場所で、こんな阿呆みたいなことするとは思わなかった。


 説明を求める。

少しでも面白いと思って頂けたのなら↓の⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を押して、ブクマして頂ければ、モチベーションに繋がります。

また感想等はいつもお待ちしております。

どうかよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ