第一話
どうやら俺は転生できる可能性があるな。
真っ白い空間。
目の前にはでっかい足。神様と思わしき巨人が座っていた。
俺は無実の罪で死刑になったはずだ。
なのにこんなところで…なにしてんだ?
「ったく最近の人間のアホさ加減は半端ないのう」
神様はさっきから独り言世界大会を繰り広げている。
「神様を信じない人も増えているし。しかも死人が多いんだよ。死んだ人を裁くこちらの身にもなってみろって。」
神様の声はいちいちうるさい。耳がキンキンする。
しかも死人って裁いてんのは閻魔大王じゃないの?
「………はぁ、ということでそこの人間。」
「は、はい」
「私はこれから人間を滅ぼそうと思う。手伝ってくれるか?」
こっちだって無実の罪で処刑されてるから、異論はなかった。
「わかりました。」
「んじゃ、頑張ってくれい」
「え?」
いや、俺だけ?無理でしょ!
「ちょっ、ちょっとまってくd…」
最後まで言わせてすらもらえなかった。
また白い霧がこちらを包みなにもわからなくなった。
ったく……神様があんなんだから人心も離れるんじゃね?
一人で世界を滅ぼすなんて無理に決まってる。
というかやけにさっきから体が軽い。どうなってんだ?
―人間よ。よく聞け。―
うわ、ビックリした。
―お前は私の手違いで埃となって転生した。本当は、最強のロボットにしてやろうと思ったのだが…今さら直すのは面倒なので、そのまま頑張ってくれい―
いや、嘘だろ?
埃と最強のロボットってどうやったら間違えるの?
―しかし、さすがにかわいそうだな。―
神様にも慈悲の心があったみたいだ。
―わかった。私がこれから与えていくお題をクリアしていくごとに、お前のスキルが増えていくことにしよう。まずは、車を故障させてみよ。今の能力は、方向転換ができる能力だな―
ほうほう。なかなか面白そうって…車を故障させる?無理。
どうやってy…
気がつけば僕は風に飛ばされ、空を舞っていた。