トドメ
今日も、
魔女王と過ごしている。
赤帝様に、
なってしまった私だが、
彼女の関心事では無いようだ。
そこで、
ちょっと、
ゴブリンの勇者の話題を、
振ってみた。
彼は、
最後の加盟国の元魔王に、
「早く、
人間になりたい」
と、
言ったらしい。
「彼は、
人間を遥かに越えた高みに、
居るんだからさあ、
わざわざ、
降りて来なくても」
と、
私が、
持ち上げると、
彼女は、
延々と、
語り始めた。
やはり、
食いつきが、
全然、違う。
質問の嵐だった。
彼に関して、
私が知っていることを、
全て聞き出そうと。
それまでは、
国連構想の話をしていたのだが。
彼女は、
熱心な、
国連支持者なのに。
まあ、
私にとっては、
彼女の国連熱が、
冷めてくれたほうが、
ありがたいんだけどね。
赤帝様になってしまった以上、
国連が作る
地球防衛軍と、
将来的に戦争になる
のは、
目に見えているから。
前世のソ連は、
国連の常任理事国で、
拒否権を持っていたけど。
あれは、
偽共産主義国家で、
出来レースだったから。
ロシア革命では、
ほとんど居ない
共産主義者の国を建設するために、
日本軍が暗躍したらしい。
こういう事を言うと、
鼻で笑う人が居るけど。
『戦車などの
近代兵器が登場した
第一次世界大戦以降に、
民衆が蜂起しただけで、
武力革命は可能』
これを信じるのは、
『竹槍で戦車が倒せる』
と信じているのと、
何処が?
違うんですかね?
ここで、
旧ネトウヨ国の
新国王様が、
御挨拶にみえられた。
道糞である。
彼の
時候の挨拶は、
ガタニー軍についてだった。
巷では、
私が、
ガタニー軍を滅ぼした
事に、
なっているが。
その噂の出元に、
彼は絡んでいるので、
当然、
真実を知っている。
本当に、
ガタニーの事は、
頭が痛い。
さっぱり、
解らん。
真田の親父でさえ、
頭を抱えている。
これが、
戦の天才の策略なのか?
私の国に攻め込む気なのか?
それとも、
山岳国に現れるのか?
それさえも。
たぶん、
予想としては。
私と真田の親父。
どちらか、
スキを見せたほうが、
狙われる。
つまり、
私と真田の親父との勝負に、
なってしまった。
油断したほうが、
負け。
何と嫌らしい心理作戦なのか!
参ったよ。
さすが、
あの人だ。
次に、
道糞は、
お礼を言って来た。
私のおかげで、
旧ネトウヨ国が、
統一出来た
と。
ここまで、
正々堂々と開き直られると、
気持ちが良い。
清々しいよな。
さすが道糞だよ。
旧ネトウヨ国の住宅街を占拠していた
浮浪者達も、
ついに、
抵抗を諦めたのか?
と、
道糞に尋ねたところ。
ビビっているのだそうだ。
道糞が殺された!
という未確認情報が流れると、
赤帝様が、
烈火の如く、
お怒りになり、
魔物将軍に、
瞬殺を御命じになられた
これが、
信じられているらしい。
「タカアキラー様は、
魔物将軍なんかじゃない!」
と、
隣で魔女王が叫んでいるが、
訂正する所が、
違うでしょ。
なるほどね。
これが、
道糞暗殺劇の目的だったのか。
さすが道糞。
他人の褌で相撲を取る
天才だ!
自力勝負なんて、
愚か者のすることだよ。
そう言えば、
私は、
道糞と、
平和友好条約を結んでいたっけ。
私と道糞が御仲間だと、
誰でも、
思うんだろうな。
そこへ、
ゴブリンの勇者が、
慌てて飛び込んで来た。
彼は、
息を切らし、
うずくまっている。
顔を見上げた彼の目から、
涙がこぼれた。
共産主義魔王、
異世界の魔王数、残り六十七。




