雪
雪が降った。
そう言えば、
もう、
冬になっていた。
この頃、
季節感の無い生活を、
送っていたので。
そろそろ、
女と一緒に暮らしたほうが、
良いのかも知れない。
でも、
魔女王とは、
無理なような気がする。
城の北側に在る
大きな山を見ていた。
この地方では、
雪は、
滅多に降らない。
山岳国の北の山脈が、
かなりの標高らしく、
雪雲が、
越えられないのだ。
今回の雪は、
平野部では、
うっすらと積もった程度だったが、
山は、
真っ白になっている。
ガタニーの魔王が、
居るはずの樹海も。
彼は、
何に手間取っているのだろう?
連絡が来ない。
雪のおかげで、
全ての予定が、
遅れている。
ハイエナ部隊を、
急いで派遣したのだが。
ゴブリンの勇者が、
旧ネトウヨ国入りすれば、
最後の加盟国の魔王は、
撤退する
と思っていたので。
サラブレッドを、
戦場と反対側の
東へ送ってしまった。
ゴブリンの勇者は、
巨大槍軍団のレンタル料として、
全てを教えてくれた。
東の競馬ファンの魔王が残した
財宝の在りかを。
教える代わりに条件が有って。
土方歳三と真田幸村の二人に、
騎馬軍団を率いさせる。
金や兵糧を載せた
競馬ファンの魔王の馬車を、
見つけたら、
戦利品を誇示するように、
華やかな大行列で、
帰って来るように。
要は、
宣伝してこい
という話である。
土方歳三と真田幸村の
ホスト二人を使って、
チンドン屋をやれ
と。
何を?
宣伝するのか?
と言えば。
もちろん、
財宝の在りか
である。
道糞暗殺劇を
裏で操っている人達が、
最も知りたい
金の隠し場所を。
その人達は、
ゴブリンの勇者、
タカアキラーを狙っていた。
でも、
彼自身は、
あまりにも優れていて。
さすが!
活き馬の
と、
言うべきか?
それでも、
その人達は、
彼の弱点を探していた。
彼の唯一の弱点は。
徳も高い
事である。
彼は今、
巨大槍軍団を指揮しながら、
『道糞が死んだのは、
自分のミス』
と、
悔やんでいるだろう。
確かに、
彼の能力なら、
ミスだ。
狙われているのが、
解っていたのだから。
他人に危害が及ばぬよう
彼なら、
配慮出来ただろう。
派手に金を使うとか、
誰とも交流を持たないとか。
まあ、
彼も、
ゴブリンだからね。
魔物なのに、
対等の関係で、
接してくれる
道糞のような人間が、
居るとは、
思ってもみなかったのだろう。
その友が、
殺されてしまえば。
情に熱い
タカアキラーが、
黙っているわけないよな。
ただ、
彼は、
全てを理解しているのだろう。
だから、
金を私に渡した事を、
アピールしたい。
道糞を殺した犯人を葬っても、
友が、
生き返るわけでは無い。
もし、
敵討ちがしたいのなら、
敵に逃げられないよう
機動力重視の軍を、
望んだに違い無い。
ここまでが、
私の考えだが。
この推理には、
欠点が有って。
金が欲しければ、
道糞を人質にして、
身代金を要求すれば、
良くね?
あの道糞が、
オメオメと、
捕まる
とは、思えないが。
それに、
信用が第一の商人達が、
表沙汰になることは。
本当のところは、
どうなの?
と、
私が迷っていると、
ネトウヨ君が、
帰って来た。
ネトウヨ君は、
異世界での卵かけ御飯に詳しい
『ロ~賢者』様を見つけるため、
旅をしていた。
西国から帰還したため、
旧ネトウヨ国を通り、
自分で造った道路を歩いた
そうである。
「あの、
ゴブリンマークの
巨大槍軍団は何?」
と、
私に聞いて来た。
そうか。
彼は、
ゴブリンの勇者を知らないんだな。
そんな事よりも、
ハイエナ部隊、
間に合ったかな?
雪さえ、
降らなければ。
共産主義魔王、
異世界の魔王数、残り六十八?




