ヘアー、まつげ、ネイル
今日も、
魔女王と過ごしている。
でも、
残念ながら、今日は、
商売の話だ。
そのため、
クレオパトラも同席している。
南方国の淀君も、
招聘中だ。
昨日、
ゴブリンの勇者が、
大量の金を持って
二人の前に現れた。
その金を見た
彼女の口から、
「これを元手に、
お店を作らない?」
という
お言葉が有った。
彼女の
有り難い
御教えに依ると、
女性は、
つまらないのだそうだ。
選択肢が、
一つしか無いと。
今まででも、
エステで、
ヘアーや睫毛、ネイルを
ある程度、扱っていた。
それを、
細分化、専門化して、
各店舗ごとに、
特色を持たせ、
女性が、
自分の好みで選べるようにする。
つまり、
共産主義に、
多様性を持たせるのだ。
私の国にも、
マリーアントワネットがいるのだけれど。
ファッションリーダーが、
一人しかいないのでは、
女性は、
満足出来ないらしい。
とりあえず、
クレオパトラと淀君の
美女二人を、
モデルにする。
このツートップの
個性に合わせたファッション、
オリエント系と和風を
展開する予定だ。
ヨーロッパ系は、
マリーアントワネットに
独走させておけば。
西太后は、
事務力、統率力
共に優れているので、
裏方に回ってもらおう。
中国系ファッションが、
登場するのは、
だいぶ後になりそうだ。
やはり、
ヨーロッパの次に、
オリエントを流行らせて、
それから、
和風
という
順番が良いのか?
ビジネスのほうは、
上手く行きそうなのだが。
昨日、
魔女王から、
気になる発言が有った。
ゴブリンの勇者、
タカアキラーは、
涙を流しながら、
「道糞の、
友の仇を取りたい」
と言って、
私に金を渡して来た。
一国の軍隊でも、
買い取れそうな大金を。
彼が去った後、
「熱い男」
と。
漏れた声が聞こえて。
その響きに、
嫌な予感が。
私は、
戸惑ってしまった。
頷く事しか出来なくて。
本当に、
私も修行が足りないよな。
あそこは、
流れに乗っかって、
私も、
熱くなるべきだった。
彼の魅力を、
熱く、
語るべきだったのに。
どちらにしろ、
彼の引立て役
という意味では、
変わりが無い
かも、
知れないが。
でも、
重要なのは、
私が、
魅力的な存在で、
有り続ける
事だ。
『熱さ』 = 『魅力』
なのだから。
前世の日本には、
リアリストを気取っている人が、
よく、
いたけど。
そんな事をしているから、
現実についていけない
と、
評価されてしまうのだ。
リアリストで、
魅力的なのは、
容貌、学歴、社会的地位、収入、
最低でも、
この位は、
揃っている人だけで。
結果の出せないリアリストを、
人は、
負け犬
と呼ぶ。
話はズレてしまったが、
そのゴブリンの勇者に関する
報告が有った。
準備が整ったので、
出陣したそうだ。
彼が借りて行った軍は、
南方国軍だった。
以前、
淀君から買い上げ、
素材のまま放置しておいた
巨大槍軍団を、
復活させたのだ。
その巨大槍軍団は、
元は百九十六体の大型魔物で、
編成されていたのだが。
西の内陸国との激戦で、
百六十九体に、
減少している。
まあ、
戦争なんて、
こんなものだ。
まともに戦えば、
一回は勝てても。
この巨大槍軍団は、
三倍クラスの大型魔物を、
鉄の装甲で覆い、
長槍を持たせたものである。
守備力と攻撃力は、
抜群なのだが、
機動力は。
旧ネトウヨ国の住宅街に着くのは、
早くても、
三日後だろう。
その前に、
最後の加盟国の魔王は、
当然、
逃げるよな。
こんなのと、
戦っていられないから。
共産主義魔王
異世界の魔王数、残り六十八。




